「週3杯のラーメン」が健康を脅かす
国内コホート研究では、週3回以上の頻回摂取で死亡リスクが高まる傾向が示されました。
因果は断定できないものの、カギは“頻度×スープ”。日本人はもともと塩分過多という土台もあります。
この記事では最新データを噛み砕き、週1〜2回でおいしく安全に楽しむための実践策(注文時の減塩テク、即席麺の工夫、飲酒・締めラーメンの注意点)までわかりやすく解説します。
目次
研究が示したのは「頻度×スープ」の掛け算リスク
Forbes JAPANが紹介した山形大などの研究では、週3回以上食べる人は週1〜2回の人に比べて死亡ハザード比1.52(95%CI 0.84–2.75)
全体では統計学的確実性は弱いものの、男性/70歳未満/スープを半分以上飲む/飲酒の層でリスク上昇がはっきり。“スープをどれだけ飲むか”が鍵という示唆です。
Forbes JapanPubMedem-consulte.com
つまり結論は「週3以上+スープ多飲が危ない。週1〜2回+スープ控えめが無難」。
日本人はそもそも“塩が多い”
厚労省の最新調査(2023年)で、平均9.8g/日(男10.7g、女9.1g)
WHOは5g/日未満を勧告。高血圧や脳卒中リスクの観点から、日本は構造的に塩が過多です。
厚生労働省世界保健機関
心血管領域のレビューやガイドラインも、食塩制限で血圧は下がり、心血管リスクが低減する方向で一致
ESCARDIOシュプリンガーリンク
ラーメンのどこが健康リスクになるのか
-
塩分(主犯)
外食ラーメンは1杯6〜8gの食塩相当量になる例が多く、即席麺でも約4.8g。スープに大半が含まれるため、完飲で一気に過剰
テンポスドットコムインスタントラーメンナビ -
脂質・飽和脂肪
とんこつ・背脂系は脂が多くエネルギー密度が高い。スープを飲むほど脂質摂取も増加(各社公表の栄養表示でもスープにカロリーが集まる)。
一蘭+1チェックアップ.jp -
精製炭水化物の“嵩増し”
替え玉・ライス追加は血糖/総カロリーを押し上げ、体重増と生活習慣病の温床に -
アルコール併用
研究では飲酒者でリスクがより高い。飲んだ後の“締めラーメン”は塩分×脱水×交感神経亢進で血圧に不利。
PubMed
「週1がベスト」を実務に落とす——健康に食べる10のコツ
頻度の目安
-
週1回を上限の目安に(週1〜2回が最も低リスクの示唆)連食は避ける。
Forbes Japan
注文の工夫(店で使える“呪文”)
-
「味薄め」「タレ少なめ」「塩分控えめ」が指定できる店を選ぶ
-
「脂少なめ」「背脂なし」で飽和脂肪を減らす
-
麺は並以下/替え玉なし(糖質コントロール)
-
野菜・海藻・きのこ・ゆで卵など具で嵩増し(カリウム/食物繊維↑)
-
スープは“味見+数口”でやめる/完飲しない(目安:1/3以下)
-
“締め酒+ラーメン”は回避(血圧・睡眠に不利)PubMed
家庭・即席麺の工夫
-
粉末スープは“半量”から調整/湯多めで濃度を下げる
-
即席は1食あたり塩分約4.8gが目安。スープを残せば半減近くに
インスタントラーメンナビ -
減塩しょうゆ・うま味(MSG等)活用で塩分を下げても満足度を維持(うま味は食塩よりナトリウムが少なく、塩味の知覚を補強)
NaturePMC -
その日の他の食事は味薄めに——1日合計で5g未満(WHO)を意識
世界保健機関
よくある誤解:MSG(うま味調味料)は大丈夫?
-
MSGは規制当局(EFSA等)が安全域を設定し通常摂取では安全と評価
食塩よりナトリウムが少ないため、減塩の補助として用いられる研究も。個別に症状が出る人は控える。本丸は塩分全体です。
European Food Safety AuthorityBundesinstitut für RisikobewertungWiley Online Library
まとめ:ラーメンは“頻度×スープ”でコントロール
-
エビデンスは「週1〜2回+スープ控えめ」が妥当、「週3以上+スープ多飲」は避ける。
Forbes JapanPubMed -
高血圧・腎疾患・心不全・妊娠中の方は、主治医の指示を最優先してください。
参考・出典
-
Forbes JAPAN「ラーメンは週1がベスト。週3回以上食べる人は死亡リスク増に」:山形コホートの結果の要点。Forbes Japan
-
PubMed/PMC「Frequent Ramen consumption and increased mortality risk」:ハザード比1.52、男性/70歳未満/スープ≥50%/飲酒でリスク増のサブ解析。PubMedPMCem-consulte.com
-
厚労省「令和5年 国民健康・栄養調査」:日本人の食塩摂取量(男10.7g、女9.1g)。厚生労働省
-
WHO「Sodium reduction」:成人は食塩5g/日未満を推奨。世界保健機関
-
日本即席食品工業会「インスタントラーメンの栄養成分」:食塩相当量4.8g/食の一例。インスタントラーメンナビ
-
外食ラーメンの塩分量に関する解説(4.5〜8g/杯の例)。らくだ6.0プロジェクトオフィシャルサイトテンポスドットコム