フロアーに集合して再び観光へ
旧王宮をぐるっとまわって南下する。
「ここで金箔を作る仕事を見ます」
道端で自動車を止めて一同降りて普通の家に入ってゆく。
子供たちは私たちが珍しいのか 「じろじろ」見ていた。
セインさんの後をついてゆく 畳4畳半ぐらいの工場が奥にあった。
大きなハンマーがさりげなくおいてあった。
「今日の仕事はおわってしまったそうです。
隣に行ってみましょう」とセインさん。
隣の家も同じような「つくり」で一番奥に工場(こうば)があった。
奥から「ゴーン ゴーン」というような金属音が聞こえてきた。
隣の家と同じような工場では上半身裸の青年がハンマーをふりおろしている。
リズミカルな音は彼のふりおろすハンマーの音であった。
青年は一振りごとに低い声をあげている。 ハンマーのふり下ろされる先で鉄板のようなものを持っている男は青年の父親らしい。
青年と言ってもまだ15~6歳ぐらいだろうか?
体は細いけれど筋肉がものすごい動きを見せている。
「一日 仕事してどのくらいになるんですか?」
とセインさんに質問
「日本円で何百円ぐらいです」
あまりにも過酷な労働のように思えた。
ここで作られた金箔が寺院などで使われているのであろうか?
午前中 仏像に貼った金箔もこのような過程で生み出されたのだろうか?
「とってもありがたい金箔だったのね」
と手に輝いていた金箔を思い出した。
再び自動車に乗り込み先を急ぐ。
渋滞に巻き込まれる。 渋滞と言っても日本のような状況を想像してはいけない。
牛、野菜を積んだ大八車(知ってます?)、リヤカー(のようなもの)、自転車
自動車(ただしボロボロ)、オートバイ、たくさんの人間があふれている。
「きしゃが通ります」
きしゃ? 踏み切りか!
しばらく待つと 時速10Kmぐらいの列車が「トコトコ」と通過する。
「あの汽車はヤンゴンまで行きます」
セインさんの言葉に 何時間かかるんだろう? と疑問と インドで乗った鉄道を
思い出した。
コトコトと踏み切りを渡ってゆく鉄道を見送ると一斉に渋滞が動き出した。
そろそろと踏み切りを渡る。 線路を見るとグニャグニャに曲がっている。
「こりゃゆっくり進まないと脱線するな」
と納得する。
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【ミャンマーの休日】 その30 小さなお坊さん
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※この旅行記は、1998年に書かれたものです。
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