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インドからミルクティ

【インドからミルクティ】 27杯目 オレンジと女の子

2020-09-17


どこまでも続く並木道に飽きたころ、バスが停車!

「州境なので停車します」

畑の真ん中に下り立つ。

オレンジの女の子

ここにはお土産やもなく、日本の昔の農村風景が広がっていた。
オレンジが山のように詰まれている屋台があった。

昨日の州越えと同じように、トラックの運転者などを相手にしているのだろう。
誰もいないと思っていたら、遠くから子供たちがやってきました。
お金を要求するわけでもなく「ニコニコ」笑っています。

「日本人が珍しいのかな?」

同じツアーに参加している「群馬の先生」が写真を撮ると、我先にと集まってくる。

「さすが先生! 子供の扱いは慣れている」
と感心。

先生はビデオカメラなどを子供たちに覗かせながら、異様な盛り上がりを見せている。
あまりにもオレンジが美味しそうなので一袋購入。

1Kg(だいたい5個)で30ルピー(約100円)2人で食べるには多いので、ツアーの人と半分こする。
すると、5才ぐらいの女の子がズボンの裾を掴んできた。

「オレンジ、オレンジ」

ビー玉のようなキラキラする目で訴えてきました。
身振り手振りで「オレンジ頂戴」ズボンをはなさない。

「でも、これ、おねぇちゃんのだからあげられないのよ」

とうちの奥さんが言った。

この子はいつもこうして州境の手続きをする観光客から、オレンジをもらっているのであろうか?
ふと「インドについて書いてあった本」に書かれていることを思いだす。

「むやみに子供に施しをすると、その子は‘おもらいさん’になってしまう」

女の子には、悪いけど「むやみに物をあげるのはいけない」と判断して、ここではオレンジをあげないことにした。
エジプトに旅行に行ったとき、日本人の女性ガイドさんが言っていたことを思いだす。

「ものをあげるなら、そこにいる全員にあげて下さい。それができなければ、あげないで下さい」

我々はこの意見を尊重しています。女の子には悪いけど、オレンジはあげないことにしました。
再びバスに乗り込みオレンジを食べる。

日本の蜜柑とオレンジの中間のような味でした。
埃っぽい懐かしい味がした。

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はぼぞう

旅と砂漠と写真と女性を愛する60歳ちょっと前の現役ITエンジニア シンガー 森口博子とアーティスト 中村中が大好きです。

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