宇宙戦争のトムクルーズ版の映画を見た。
原作は、H・G・ウェルズ(1866-1946)英国の作家である。
今回は、トムクルーズ主演 宇宙戦争をAmazon Prime Videoで視聴した。
この映画を単なるSFパニック映画だと思って敬遠していたのですが、どうやら 大きな思い違いをしていたようだ。
今回の週末映画は、宇宙戦争を取り上げてみよう
これまでの映画評論とはちょっと違った視点から楽しんでみました。
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目次
最初に宇宙戦争(2005年)基本情報
原作:H・G・ウェルズ
製作年:2005年
上映時間:114分
ジャンル:SF
監督:スティーヴン・スピルバーグ
キャスト:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ティム・ロビンス、ジャスティン・チャットウィン etc
ざっくりストーリーを言うと
人類が誕生する以前から、地球を観測していた宇宙人達は、あるタイミングで地中のロボットに乗り込み一気に侵略を開始する。
目的は、人間の血を食料にすること
人間(家畜)が増えるのを待ち、頃合いを観て一気に家畜を狩りに来た
ということである。
ロボットの能力は、圧倒的で米軍も太刀打ちできず、米国本土は、2日程度で屈することとなる。
あとは、人間を次々と狩り、血を吸い 殺戮を繰り返す。
というベースの上で 別れた妻に自分の子供を押しつけられた主人公「レイ・フェリエ(トムクルーズ)」は、関係の悪化している子供達「息子ロビー」「娘レイチェル」を連れて妻のいるボストンまで子供達を送りとどける。
というお話
さて、ストーリーはここまでにして 内容をみてみよう
原作に合わせる苦痛
原作は、舞台が英国、19世紀6月の金曜日から はじまるこの物語は、火星人が地球を侵略するという花足である。
一方、映画の場合 さすがに火星人というわけにはいかなにので
侵略者は、不明(何者かはわからない)
ある日、突然 雷鳴とともにやってきて 地中に埋めてあったロボットに乗り込むというのだが?
地下鉄工事とか、トンネルとか、ビル工事とか
気がつかなかったのでしょうか?
まぁ これは、あえて言わないことにしよう。
主人公のトムクルーズが、別れた妻のもとに子供達を命をかけて連れて行くというのも ほぼ原作通り
原作では、子供はなく、主人公(ジョージ=ロズウェル)は、妻を避難させた場所に向かう というお話である。
※主人公(ジョージ=ロズウェル)というのもロズウェル事件と何か関係???
これもハリウッド映画の鉄板のように父と子の絆、家族愛というのを定番通りに描いている。
とくに父親と息子の葛藤が、これでもかと描かれる。
SFパニック映画ではない
SFパニック映画として、紹介している人が多いけど、映画も原作もそこが主題ではない。
主人公 トムクルーズが、クルマを使って移動中、クルマに乗せてくれと人が殺到する。
窓ガラスを割り、クルマを叩き、人々が暴走をはじめ 暴力で奪われてしまう。
フェリーで逃げようとして またしてもパニック、暴動、軍が沈静化させようとしている。
このとき、すでに軍は、民衆のパニックを抑えるだけに過ぎない状態となってしまった。
原作では、フェリーではなく列車で同じことが発生する。
戦闘機、戦車などの攻撃も無意味 人間は、鳥かごのようなところに捕獲され 一人ずつ食料として食われる(血を抜かれる)
原作では、地下室で牧師とともに避難したのですが、牧師が食料を争って暴走し最後には、彼を殺害してしまう。
映画でも牧師ではないが、同じようなシーンが続く
原作も映画も
「人々の恐怖がモラルを破壊する」
という人間の弱さを表現している。
SFとかパニック映画はその添え物に過ぎない
これが、この映画の本質である。
エンディング
え? 兄貴 生きてるの?
まぁ それはいいんですが、注目すべきことは、トムクルーズがこれまでのスーパーマン的エリート軍人や不死身のスパイでもなく、家族が壊れているダメ親父を演じていることである。
といっても ちょっとだけ、トムクルーズらしい活躍でロボットを撃退するシーンがある。
ハリウッド映画のパニック映画の特徴ですぐに暴動が起こり、人のものを盗むシーンが続く
審査の時に米軍が「トモダチ作戦」を行ったとき 一番驚いたことが日本人のパニックになっても秩序を守り、人を思いやる姿だったという。
米国でときどきおこる暴動騒ぎの背景は、映画にも現れていることがよくわかる。
そして、暴動を抑えるために銃の登場
そろそろ、ハリウッドもこのワンパターンから脱出する時期ではないだろうか?
宇宙戦争
Amazon Prime Video でプライム会員ならば無料なのでぜひ観てください。
SFパニック映画と決めつけるのではなく、トムクルーズのダメ親父っぷりをみるのも見所でしょう。
小説もいいけどコミックもあるのでコミックから読んでみるのもいいと思います。
絵になっていると 映画との対比がよくわかりやすいです。