シン・エヴァンゲリオン劇場版が、Amazon Prime Videoで独占公開になりました。
映画館でに見た人も何度でも巻き戻して見ることができるのでブログ、YouTubeなどにシン・エヴァンゲリオン劇場版考察なるものが大量にあふれています。
しかし、その内容は専門的な話、ループ、伏線回収、前エヴァシリーズの解説など 言わば マニアックな世界のものがほとんである。
エヴァンゲリオンをTV版からライブで見てきた おじさんにとって ラスト エヴァンゲリオンの本質はなにかとAmazon Prime Videoで見返していたら あることに気がついた。
この物語の本質は、2つのおまじないですべて理解できるのではないか
というわけで、他のシン・エヴァンゲリオン劇場版とはちょっと違った視点で庵野秀明氏と年齢が近い人間がこの物語で何を感じたのか? 書いてみよう。
目次
Amazon Prime Video公開
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が、2021年8月13日 Amazon Prime Videoで公開された。
映画館で公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に調整を加えた『EVANGELION:3.0+1.01 THRICE UPON A TIME』とバージョンとなっている。
何が変わっているかは、さておき、何度も見ることができることはありがたい。
この際だから序破Qも合わせてみるのも楽しいかも知れません。
Amazon Prime Video 本当にありがとう。
そこで TV版からみてきた おじさんは、あることに気がついた。
この『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、たった2つのキーワードですべて理解できることに気がついたのです。
2つのおまじない
何度もみているマニアのひとならば この 「2つのおまじない」で何をいいたいのか分かると思う。
第3村でのヒカリがアヤナミの会話である。
アヤナミは、ヒカリから4つのおまじないをを教わることになる
「おはよう」「おやすみ」「ありがとう」「さようなら」
アヤナミがヒカリのもとから立ち去るときに手紙にしたためた4つのおまじない。
そうです。この4つのおまじないに大きな意味があるとブログに書いている人もいると思います。
これは物語にとって重要な言葉ですが、自分は、この言葉ではなく
ヒカリが、近所の子供を預かって母親が連れて変えるときにアヤナミが疑問に思ったこの2つのおまじないが、物語のすべてを語っていると感じている。
手を繋ぐ
そのおまじないの一つは
手を繋ぐ
仲良くなるためのおまじない
特に手を繋ぐという行為が、後半に向けて多くの場面で描写されている。
ラストシーンは特に象徴しているわけです。
仲良くなるためのおまじない
そう、人を拒絶してきたシンジにとって一番大切なのは、手を繋ぐことだったのです。
序を見た人はわかると思いますが、ラストでシンジと綾波が手をつなぐところで終わります。
ここでも仲良くなるためのおまじないが隠されている
さよなら
もうひとつは、
さよなら
また会うためのおまじない
である。
さよならというキーワードは、「さようならすべてのエヴァンゲリオン」と予告でも使われてきました。
こちらの解説は簡単である。
さよならは、母親、父親との別れ、14歳という年齢のとの別れ、自分が関わってきた人たちとの別れである。
ただ これらは「また会うためのおまじない」ではない。
永遠の別れになってしまったわけである。
しかし、別れの記憶は、何十年たっても「ふとしたことで蘇ってくる」59歳の筆者にとって 多くの人にさよならを言ってきました。
そのなかには、「死に別れた人で二度度会えない人もいます」彼らには二度度会えないので「また会うためのおまじない」ではないかも知れないけど 自分の心には、「さよなら」と言った日のことを覚えていることが多い。
「また会うためのおまじない」 おまじないなのでかなわないことも多いけど それは、仕方がないと年齢を重ねるごとに諦めの心境になってしまう。
これも序で印象的なところで綾波が「さよなら」といいシンジが「別れ際にさよならなんて、悲しいこと言うなよ…」 と言っているところにも「さよなら」のおまじないが示されている。
碇ゲンドウ
物語のクライマックス近くで碇ゲンドウが自分に対して語りだす。
父親から受け継いだカセットプレーヤーは、他人との間に起こる騒音を消し去るために使われてきた。
そして 子供の頃から 一人で過ごすことを愛し、人との関わりを拒絶してきたという描写がありました。
ゲンドウが、親戚の家で別室でぽつんと本を読んでいるシーンこそ まさに自分だったのです。
このシーンは、自分の心の中に子供の頃の記憶を蘇らせる鍵となってしまった。
自分も子供の頃は、他人と拒絶し、親戚の家に行っても本を読んで一人で過ごす。昼休みは図書館で本を読んで過ごしていた。それは、小学校、中学校、高校と続き 特定の友人関係築くことができなかった。
大学では、自分を知っている人がまったくいない世界で過ごすことで その拒絶から抜け出すことに成功している。
結婚していても ゲンドウと同じように子供が苦手なことも共通している。
TV版をみていたころから 碇ゲンドウ という男に妙にひっかかるところがあったのは、こういう共有部分だったのかも知れないと理解している。
もうすぐ 還暦というのに 相変わらず 人見知りが治らない 人間関係の苦手な自分には変わりない。
こまったものである。
まとめ
エヴァンゲリオンの話は、ややこしく とっつきにくいと思います。
自分もこのややこしい話をより知るために旧約聖書を読んで理解しようとしていました。
また、新約聖書も読み合わせることで エヴァンゲリオンだけではなく 欧米の映画やドラマの内容をより理解できるようになったのです。
現実の世界では、新型コロナウィルスの影響で 手を繋ぐ(仲良くなるためのおまじない) が難しい社会となっている。
そんな中エヴァンゲリオンのラストが登場したのもなにかの啓示かも知れません。
ややこしい 専門用語や設定はひとまずおいておいて 人として何を感じるか という視点で エヴァンゲリオンを見直しのも良いかも知れません。
TV版からみるのもよし、映画版だけみるのもよし
Amazon Prime Videoのおかげでやっと決着がついた 今はそんな気持ちです。