ツール・ド・フランス2026・第12ステージは、7月16日にサーキット・ヌヴェール・マニクール〜シャロン=シュル=ソーヌ間の181km(平坦)で行われ、雨と落車が相次いだ混戦のスプリント(集団によるゴール勝負)をティム・メルリエ(スーダル・クイックステップ)が制しました。これで今大会3勝目のハットトリック。総合首位のタデイ・ポガチャルはマイヨ・ジョーヌ(総合リーダージャージ)を堅持しています。この記事では、レース結果と各賞の状況、そして翌・第13ステージの見どころまでまとめて紹介します。
コース紹介:スプリンター最後のチャンス
舞台はF1でも知られるマニクール・サーキットからのスタート。全長181kmはほぼ平坦で、獲得標高も少なく、ピュアスプリンター(純粋な短距離型選手)向けのレイアウトでした。ただしゴール手前約20kmには4級山岳のコート・ド・モンタニ=レ=ビュクシがあり、ここでの動き次第では逃げ切りの可能性も残されていました。
スタート直後から逃げを狙うアタック(飛び出し)が続き、最終的にバプティスト・ヴェイストロフェール(Lotto Intermarché)が単独で抜け出して独走。中間スプリントのあるドゥシーズで最大ポイントを獲得し、この日の敢闘賞につながる走りを見せました。しかし気温32℃の暑さと雨が交錯するなか、スプリンターチームが最後にペースを上げて集団がまとめ、勝負はゴール前のスプリントへ持ち込まれました。

優勝者:ティム・メルリエが今大会3勝目のハットトリック
勝利したのはティム・メルリエ(スーダル・クイックステップ/ベルギー)。落車の影響で隊列(トレイン)が崩れる混乱のなか、深い位置から鋭く伸びてオラフ・コーイ(デカトロンAG2R)とヤスパー・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)を抑え込みました。これで今大会3勝目となるハットトリックを達成しています。
メルリエ本人はレース後、「大きな集団が抜け出していたことに気づかなかった」と無線(ラジオ)の混乱を明かしつつ、最後は本能的なスプリントで勝利をもぎ取りました。混戦を読み切る勝負勘の高さが光った一勝です。
レースハイライトと注目ポイント
- リドル・トレックがレースを動かす:グリーンジャージ狙いのマッズ・ペデルセンのため、リドル・トレックが終盤に強烈なペースアップ。集団を引き裂き、混戦のスプリントを演出しました。
- ヴェイストロフェールが再び主役に:逃げのヒーローとして注目を集めるフランス人。単独で独走し、中間スプリントを制覇。順当に敢闘賞を受賞しました。
- 落車とリタイア:ゴール前の混乱に加え、ドリアン・ゴドンやウノエックス勢が巻き込まれる集団落車が発生。ベテランスプリンターのフェルナンド・ガビリアが鎖骨骨折でリタイアとなりました。
- 総合勢は無事通過:ポガチャルら総合上位陣は大きなタイム差なくフィニッシュ。週末の本格山岳を前に、GC(総合成績)は動きませんでした。
各ジャージ・各賞の状況
タデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツXRG)。2位ヴィンゲゴーに3分36秒差で首位を守りました。
マッズ・ペデルセン(リドル・トレック)。357ポイントに伸ばし、2位ジルマイに40点差でリード。
タデイ・ポガチャル(42点)が首位を維持。2位ヴィンゲゴー、3位カラパスが追います。
フアン・アユソ(リドル・トレック)。2位セイシャスに13秒差で白ジャージをキープ。
バプティスト・ヴェイストロフェール(Lotto Intermarché)。単独の逃げでこの日最も闘志を見せた選手に。
レース結果一覧
■ 第12ステージ 結果(上位3名)
| 順位 | 選手 | チーム |
|---|---|---|
| 1 | ティム・メルリエ | スーダル・クイックステップ |
| 2 | オラフ・コーイ | デカトロンAG2R |
| 3 | ヤスパー・フィリプセン | アルペシン・ドゥクーニンク |
■ 総合成績(GC・上位10名)
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | タデイ・ポガチャル | UAEチーム・エミレーツXRG | 43:04:01 |
| 2 | ヨナス・ヴィンゲゴー | チーム・ヴィスマ・リースアバイク | +3:36 |
| 3 | レムコ・エヴェネプール | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +4:06 |
| 4 | フアン・アユソ | リドル・トレック | +4:22 |
| 5 | ポール・セイシャス | デカトロンAG2R | +4:35 |
| 6 | フロリアン・リポヴィッツ | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +4:44 |
| 7 | イサク・デル・トロ | UAEチーム・エミレーツXRG | +5:08 |
| 8 | マティアス・スケルモーセ | リドル・トレック | +5:45 |
| 9 | レニー・マルティネス | バーレーン・ヴィクトリアス | +6:34 |
| 10 | トム・ピドコック | ピナレロ Q36.5 | +11:49 |
■ チーム総合成績(上位5チーム)
| 順位 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|
| 1 | リドル・トレック | 129:10:08 |
| 2 | UAEチーム・エミレーツXRG | +24:18 |
| 3 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +44:28 |
| 4 | デカトロンAG2R | +1:08:03 |
| 5 | ピナレロ Q36.5 | +2:12:50 |
■ 山岳賞(上位3名)
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | タデイ・ポガチャル | UAEチーム・エミレーツXRG | 42 |
| 2 | ヨナス・ヴィンゲゴー | チーム・ヴィスマ・リースアバイク | 27 |
| 3 | リチャル・カラパス | EFエデュケーション・イージーポスト | 19 |
■ ポイント賞(上位3名)
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | マッズ・ペデルセン | リドル・トレック | 357 |
| 2 | ビニアム・ジルマイ | NSNサイクリング | 317 |
| 3 | ヤスパー・フィリプセン | アルペシン・ドゥクーニンク | 311 |
■ 新人賞(上位3名)
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | フアン・アユソ | リドル・トレック | 43:08:23 |
| 2 | ポール・セイシャス | デカトロンAG2R | +0:13 |
| 3 | イサク・デル・トロ | UAEチーム・エミレーツXRG | +0:46 |
※順位・タイムは各種ソースを基にした暫定値です。最終的な公式記録は letour.fr でご確認ください。
第13ステージ コース紹介:今大会最長205.8km、伝説のバロン・ダルザス
第13ステージは7月17日(金)、ドール〜ベルフォール間の205.8km(丘陵)。今大会で唯一の200km超え、最長ステージです。獲得標高は約2,400m。序盤の約150kmはジュラ〜ヴォージュへ向かうなだらかな道が続きますが、終盤に2つの登りが待ち構えます。
- コート・デ・クロワ(3級/約157km地点):約5.1km・平均4.8%。
- バロン・ダルザス(1級/約176km地点、ゴール手前約30km):約8.7km・平均6.9%。1905年にツール史上初の本格山岳として登場した“山岳レースの原点”です。
山頂から30kmはテクニカルな下りでゴールへ。当日は雨予報で、高速の下り+濡れた路面は落車リスクもある一方、逃げ切りやダウンヒラー(下り巧者)にとっては絶好のチャンス。コースはティボー・ピノの故郷メリゼも通過します。週末の本格山岳を前に、強い逃げ集団による“花火”が期待される一日です。


J SPORTS 放送予定(第13ステージ)
| 番組・チャンネル | 放送日時 |
|---|---|
| LIVE中継(J SPORTS 4/オンデマンド) | 7月17日(金) 21:00 〜 26:00 |
| 現地実況・解説版 ステージ全編(オンデマンド限定) | 7月17日(金) 19:45 〜 27:00 |
| 【60分 de ツール】(J SPORTS 1) | 7月18日(土) 13:00 〜 14:00 |
※時刻は日本時間(JST)。深夜帯は24時間表記で記載しています。放送は編成の都合で変更となる場合があります。最新情報はJ SPORTS公式サイトをご確認ください。
週末はいよいよ本格山岳へ。総合争いが動き出す第13〜15ステージから目が離せません。次回もお楽しみに!