自分がこれまで考えてきた以上に複雑な選挙制度には、正直「めんどくさ!」と思いました。
けど ここからが本番です。
今回は、ホワイトハウス奪回を目指す民主党の話をします。
今回の日本のニュースに出てこないニュースは、
【2020年米国大統領選レポート】その2 2019年6月立候補者たちディベート開始 奪還に燃える民主党
と題して、まずは、米国 民主党の話から展開します。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
2016年大統領選挙
現在、米国の大統領は、共和党のドナルド・トランプ氏
彼は、政務経験がなく、不動産で富を得たビジネスマンです。
彼が大統領になった原因は、陳腐な話ですが「政治に対しての退屈」だと思います。
先代のバラク・オバマ大統領は、なにをしたか振り返ってみましょう
- 指名された高官らの不祥事
- 論功行賞に基づく大使人事
- アジア系、アフリカ系、ヒスパニック系、そして先住民を重要ポストに就任させる政策
- 包括的な移民制度改革の実現
- 現職のアメリカ合衆国大統領として、初めて同性婚支持を表明
- 人工妊娠中絶に対して賛成
そして - 2009年ノーベル平和賞受賞
チェンジというキャッチフレーズの割には、あまり目立つことがなく民主党が推し進める基本政策を実行
ノーベル平和賞に対しては、かなり非難も多く、民主党内からも批判が多かった。
一番大きな仕事は、「キューバとの雪解け」だったかも知れない。
日本では、広島に出向いたことで話題にもなりました。
就任した8年間、あまり目立ったこともなく「黒人初の大統領」という期待は、退屈な政治となりました。
「従来の政治家では、何も解決できない」
2016年の選挙で、有利と思われたヒラリー・クリントン氏は、正直、訴えるものがなかった。
「女性初」
「元大統領夫人」
強いアメリカではなかった民主党時代の8年間
米国は、癖が強く、何をするかわからない、けど!
「アメリカ第一主義」を掲げたドナルド・トランプ氏に
「退屈しない政治と強いアメリカ」に期待した結果なような気がします。
期待通り
「いろいろなことをやっています」
これまでの米国大統領が実現しなかった
北朝鮮のトップとも会談したし、派手と言えば派手
民主党とは?
ここで米国の民主党について基礎
一般的に保守の立場を取る共和党に対し、リベラルの立場を取る政党である。
概要
労働運動やマイノリティの集票力が大きく、外交面では、国際主義的で国際連合へのスタンスも好意的
基本的な主張
死刑制度廃止
不法移民容認
労働組合重視
中絶完全自由化
伝統的結婚制度維持反対
同性愛容認
LGBTの権利擁護容認
宗教多様化容認
内政
国内の製造業重視
貧困層や弱者重視
中小企業重視
国内産業保護主義
外交
外交関係では国際連合(国連)を重視
日本や中国との経済関係がしばしば問題
中東情勢は、イスラエル寄り
基本的には国際協調主義
その他
環境問題への取り組みに積極的
主な支持層
東海岸・西海岸および五大湖周辺の大都市市民
プロフェッショナル
アカデミア
若者
労働階級
人種的マイノリティ
ハリウッド映画産業関係者
そのため
宗教的保守派(ただし、カトリック教会は除外)からは、非難されている。
一般的にリベラルの立場を取る議員が所属している。
奪還に燃える民主党
前回の大統領選では、ヒラリー候補が、有利と言われながらトランプ氏に負けてしまった。
ヒラリー陣営民主党陣営も勝てると考えていたのですが、結局、これまでの政治の枠にとらわえないトランプ氏に勝てなかった。
敗因は、政治に他する「退屈」「あきらめ」「政治は破綻している」という考えだと分析している人がいます。
前大統領のオバマ氏が、「チェンジ」とキャッチフレーズのように米国がチェンジできなかったというわけである。
2大政党制となる、米国の政治体制
右 vs 左
金持ち vs 一般の人々
保守 vs リベラル
なんて政党を簡単に区別できないところがありますが、現トランプ大統領は、政治家に対する諦め感のようなものを破壊する迫力があった。
今回の民主党は、ホワイトハウス奪還を目指しているため、早くから候補者が名乗りを上げている。
民主党候補者
2019年6月現在 民主党の立候補は、23名
女性、黒人、ヒスパニック、アジア系、また、マイノリティ候補も多い
年齢も30代~70代と幅広く
Blue Statesと呼ばれるニューヨークやカリフォルニアなどの民主党優勢州からだけではなく
インディアナやミネソタといった中西部や、テキサスやフロリダといった南部からも立候補している。
民主党候補者 立候補順
2017年7月
ジョン・デラニー(John Delaney)
55歳 男性 白人 元下院議員(メリーランド州)
2018年11月
アンドリュー・ヤン(Andrew Yang)
44歳 男性 台湾系 ビジネスマン
マリアン・ウィリアムソン(Marianne Williamson)
66歳 女性 白人 作家 (*正式な立候補表明はまだなされていない)
2019年1月
フリアン・カストロ(Julián Castro)
44歳 男性 ヒスパニック 元住宅・都市開発長官(オバマ政権)、テキサス州サンアントニオ元市長
カマラ・ハリス(Kamala Harris)
54歳 女性 ジャマイカ系(父)/インド系(母) 上院議員(カリフォルニア州)
コリー・ブッカー(Cory Booker)
50歳 男性 アフリカ系 上院議員(ニュージャージー州)
2019年2月
トゥルシ・ギャバード(Tulsi Gabbard)
38歳 女性 サモア/ヒンドゥ 下院議員(ハワイ州)
エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)
69歳 女性 白人 上院議員(マサチューセッツ州)
エイミー・クロブシャー(Amy Klobuchar)
58歳 女性 白人 上院議員(ミネソタ州)
バーニー・サンダース(Bernie Sanders)
77歳 男性 白人 上院議員(バーモント州)
2019年3月
ジェイ・インスリー(Jay Inslee)
68歳 男性 白人 州知事(ワシントン州)
ジョン・ヒッケンルーパー(John Hickenlooper)
67歳 男性 白人 元州知事(コロラド州)
ベト・オルーク(Beto O’Rourke)
46歳 男性 白人 元下院議員(テキサス州)
キルステン・ジルブランド(Kirsten Gillibrand)
52歳 女性 白人 上院議員(ニューヨーク州)
ウェイン・メッサム(Wayne Messam)
44歳 男性 アフリカ系(ジャマイカ) 市長(フロリダ州ミラマール)
2019年4月
ティム・ライアン(Tim Ryan)
45歳 男性 白人 下院議員(オハイオ州)
エリック・スワルウェル(Eric Swalwell)
38歳 男性 白人 下院議員(カリフォルニア州)
ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)
37歳 男性 白人 市長(インディアナ州サウスベンド)
セス・モルトン(Seth Moulton)
40歳 男性 白人 下院議員(マサチューセッツ州)
ジョー・バイデン(Joe Biden)
76歳 男性 白人 元副大統領 元上院議員(デラウェア州)
2019年5月
マイケル・ベネット(Michael Bennet)
54歳 男性 白人 上院議員(コロラド州)
スティーブ・バロック(Steve Bullock)
53歳 男性 白人 州知事(モンタナ州)
ビル・デ・ブラジオ(Bill de Brasio)
58歳 男性 白人 市長(ニューヨーク州ニューヨーク市)
※WIREDより抜粋
女性やマイノリティの候補者も多く、多様性を重んじる民主党らしい候補者である。
特に候補者23名のうち6名が女性、5名が連邦議会議員(上院が4人、下院が1人)というヒラリー候補の影響は強く残っている。
民族的には
アフリカ系 3人
ヒスパニック 1人
東アジア系(=台湾)1人
パシフィック系(=ハワイ)1人
南アジア系(=インド) 1人
学歴では
ハーバード、イェール、コロンビアなどのアイビーリーグ(※注1)に通った人が10名
ローズ奨学生(※注2)としてイギリスのオックスフォードで学んだ人も2名
※注1
ハーバード大学、イェール大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、コロンビア大学、ブラウン大学、ダートマス大学、コーネル大学の8校で、アメリカ北東部に位置する名門私立大学の総称
※注2
ローズ奨学制度(英: Rhodes Scholarship)は、世界最古の国際的フェローシップ制度である。オックスフォード大学の大学院生に与えられる
年齢では、
30代が3人
40代が6人
50代が8人
60代が3人
70代が2人
なんと40歳以上の開きがある。
「女性、マイノリティ、高学歴」からなる民主党そのものである。
全部を紹介できないので目立った候補をピックアップしました。
ジョー・バイデン元副大統領
ジョー・バイデン元副大統領
オバマ時代に2期8年、副大統領を務めたバイデンは現在76歳と高齢ですが、最有力候補と言われている。
「オバマレガシーの復権」と言われ
一説によると中国との関係が良好なため、中国政府は、バイデン氏を待ち望んでいるとかいないとか?
※噂レベル
世論調査による支持率では、立候補を表明する前からダントツのトップで
現時点で2020年の民主党大統領候補の本命である
気になるところ
- 高年齢76歳
- 時計の針をオバマ時代にまで戻すことを目標としていて新鮮味がない。
ベト・オルーク下院議員
2018年の中間選挙ではテキサス州の上院議員に出馬、現職のテッド・クルーズをあと一歩のところまで追い詰めるということで有名になった。
バーニー・サンダース上院議員
バーニー・サンダース上院議員
前回、ヒラリー候補と最後まで民主党候補を争う。
未だに熱狂的な支持者が多い。
ピート・ブティジェッジ インディアナ州・サウスベント市市長
ピート・ブティジェッジ インディアナ州・サウスベント市市長
最年少(1982年生まれ)の候補者で、ゲイであることを公表
「オバマの再来」という評価を受けている。
若さ
民主党の立候補者をみると明らかに「若い」
30代が3人、40代が6人と「新たな時代の開始」とも思える。
彼らの多くは、草の根運動的なことからスタートしているため支持基盤も若い。
資金も寄付などがほとんどで大きなバックボーンはない。
インターネット、ソーシャルメディア、スマートフォンに代表されるようなデジタル世代の台頭が、お年寄りと戦いをはじめる。
これも今回、新しい風が吹くような気がする。
民主党の顔ぶれが
「昔の名前で出ています」という状況だと、トランプ大統領の強かさには、対抗できないような気がします。
左 vs 右
民主党は、急激に左傾化している。
また事あるごとに「JUSTICE(ジャスティス)=正義」というキーワードが多い
また、マスコミの左傾化の傾向が見られますが、トランプ大統領が、右傾化しているためその反発もあると思われます。
トランプ大統領は、再選を目指しています。
2019年2月の一般教書演説で、「打倒社会主義」を表明
2020年の大統領選挙では、「民主党vs共和党」を「社会主義vs自由主義」という対立に持ち込もうとしている。
欧州では、移民問題が発端で右傾化しています。
米国も同じようになるとすれば、民主党は、危うい
ムーブメントを起こせるかどうか?
大統領選では、ムーブメント(運動)を大きくできるかどうかで勝負が決まりそうです。
ヒラリーが、トランプに負けたのも「勢い」がなかったのではないか?
政治経験のトランプ氏が、ムーブメントを起こせたのは、強い力の表現である。
そのような風を起こすためには、おそらく若い候補でないと盛り上がらない。
打倒トランプのためには、お年寄りでは厳しいと個人的には思っている。
まとめ
いよいよ、候補者達の戦いがはじまります。
民主党候補を中心に次回は、IT産業との関わりについても目を向けたいと思っています。
IT産業は、民主党寄りが多いとされていますが、ここに来て民主党側から
Amazon、Google、Facebook、Appleなどの巨大企業に対して反トラスト法(日本の独禁法にあたる)の疑いで企業分割という意見が出てきました。
(エリザベス・ウォーレン候補)
さてこれらに対して、IT産業界は、どう動くのか?
情報を握っているIT産業は、選挙の行方を決める大きな要素と言われています。
このあたりをIT小僧らしく紹介できるよう、絶賛資料検索中です。
では、次回もお楽しみに
参考資料
https://wired.jp/series/super-election-returns/02/
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