「うちの猫、いつも同じ方向で寝てる気がする…」そんなふうに思ったことはありませんか?
最近発表された最新の国際研究によると、猫の約3分の2が、体の左側を下にして眠る傾向があることが判明しました。そしてこの“左向き寝”には、猫の生存戦略が関係している可能性があるのです。
この記事では、猫好きなら気になってしまう「猫の寝相」と「脳のしくみ」「本能」との関係を、科学的な研究をもとに分かりやすく解説します。あなたの愛猫が左向きで眠る理由を知れば、もっと深く猫を愛せるようになるかもしれません。
目次
🐾 猫の寝相に“左向き”が多い理由とは?
2025年6月、国際的な研究チームが、猫の横向き寝に関する論文を学術誌「Current Biology」に発表しました。この研究では、YouTubeに投稿された408本の猫の睡眠動画を分析。その結果、猫の約66%(3分の2)が「体の左側を地面に付けて寝ている」ことが明らかになったのです。

「猫って寝相も自由気ままなんじゃないの?」と思われがちですが、じつはそこに脳の使い方=生存戦略が隠されていたのです。
🧠 脳の左右で役割が違う?“利き寝相”の科学
猫の脳は人間と同じく、左右で機能が分かれています。研究チームによると、体の左側を下にして眠る=目覚めたときに「左視野」で周囲を見るということになります。
そして、左視野で見た情報は脳の右半球で処理されるのです。右脳は、空間認識、危険の察知、逃げるタイミングなどに特化しています。つまり、
「左を下に寝る猫ほど、素早く危険に反応しやすい」
という可能性が示されたのです。
🐱 右向きで寝る猫はダメなの?
もちろん右向きで寝る猫もいますし、それが悪いわけではありません。ただし、右側を下にする猫は左脳優位=論理的処理や慣れた動きのコントロールに長けている可能性があります。
猫にも個性があり、「すぐ飛び起きて逃げるタイプ」もいれば、「のんびり屋で堂々と構えるタイプ」もいるように、寝相にも性格が現れているのかもしれませんね。
📊 研究の背景と手法
この研究を行ったのは、イタリア、ドイツ、カナダ、スイス、トルコにまたがる研究チームです。中心となったのは、イタリア・バーリ大学と、ドイツ・ルール大学ボーフムの脳科学・動物行動研究者たち。
- 調査対象:YouTube上の猫の睡眠動画408本
- 条件:10秒以上、猫の全身が映っている、無加工のオリジナル
- 結果:左側を下に寝る猫=約66%(269匹)
これまであまり注目されてこなかった「猫の寝相」から、脳科学や本能行動に踏み込む本格的な分析は、猫研究の新たな可能性を示しています。
🐾 猫の寝相を観察する楽しみ方
この研究を知った今、あなたも愛猫の寝相に注目してみませんか?
左向き?右向き?それともどちらでも?
日々の観察ポイント:
- 横向きで寝ているとき、どちらを下にしている?
- 寝る場所は安全な高い場所?
- 寝る前にぐるぐる回る習性はある?
猫は1日に12~16時間も眠る生き物。その時間の中に、私たちがまだ知らない“猫の本能”がぎっしり詰まっているのです。
📚 関連情報・元研究リンク
- 論文:Current Biology - Lateralized sleeping positions in domestic cats
- ニュース記事(英語):Cats sleep on left side for survival reasons?
- YouTubeで「Cat sleeping position」動画を探す
😺 まとめ:猫の寝相にも意味がある!
今回の研究によって、猫が「どちら側を下にして寝るか」には、脳の働きや生存本能が関係していることが明らかになりました。
毎日の何気ない寝姿の中に、命を守るための本能的な選択が隠れているなんて、猫って本当に奥が深いですね。
ぜひ今日からあなたの愛猫の寝相にも注目してみてください。そこから見える「猫の知性」と「生き方」は、私たちに新しい発見を与えてくれるかもしれません。