2026年9月11日、ブエルタ・ア・エスパーニャ2026は最終週の山岳決戦、第18ステージを終えて第19ステージへ。ベレス・マラガからエステポナ上部のアルト・デ・ペーニャス・ブランカスまでの210.8km、獲得標高約4,000mのタフな山頂フィニッシュ(サミットフィニッシュ)です。ステージ優勝はエディ・ダンバー(ピナレロ・Q36.5)。最終盤で山岳賞リーダーのブイトラゴを逆転する劇的な勝利でした。総合争いではエンリク・マス(モビスター)が集団内でライバルを封じ、赤いリーダージャージ「マイヨ・ロホ(ラ・ロハ)」を堅守。いよいよ残すは女王ステージ(クイーンステージ)と最終日グラナダの2戦のみです。
● ダンバーがラスト1kmでブイトラゴを捕らえて逆転、通算3勝目。ピナレロは上位5人に3人。
● 総合勢は膠着。マスはロリッチの攻撃を封じ、リード約1分37秒のまま赤ジャージ堅守。
● 山岳賞ブイトラゴが78点でほぼ当確。敢闘賞はダンバーが受賞。
コース紹介:4,000m級の登坂、勝負は最後の18.7km
第19ステージは、コスタ・デル・ソル(太陽の海岸)を舞台にした本格山岳ステージ。プエルト・デル・ビエント(風の峠)など複数の登りを含む210.8kmに、約4,000mの獲得標高が詰め込まれました。しかし勝負を分けるのは、やはり最後のアルト・デ・ペーニャス・ブランカス(距離約18.7km・平均勾配6.5%)。前半でエスカペ(逃げ)に乗った16名の先頭集団が、7分を超えるリードを得てこの最終登坂に突入し、ステージ優勝を争いました。
| 区間 | ベレス・マラガ → ペーニャス・ブランカス(エステポナ) |
|---|---|
| 距離 | 210.8km(山頂フィニッシュ) |
| 獲得標高 | 約4,000m |
| 最終登坂 | アルト・デ・ペーニャス・ブランカス(約18.7km・平均6.5%) |

ステージ優勝者:エディ・ダンバー(ピナレロ・Q36.5)
最終登坂では、まず山岳賞(キング・オブ・ザ・マウンテン/KOM)ジャージのサンティアゴ・ブイトラゴが残り13kmでアタック。これに反応できたのはトーマス・グログのみで、ダンバーは一度離されながらも粘り強く追走して合流しました。ブイトラゴは残り2kmで再び抜け出しにかかりますが、ダンバーは慌てず一定のペースで差を詰め、残り約300mでついに逆転。最後の500mは単独走でフィニッシュし、ブエルタ通算3勝目を挙げました。今季は「3か月間まったく自転車に乗れなかった」と語る復活の勝利で、チームのピナレロはこの日、上位5人中3人(1・3・5位)を占める快挙となりました。
ステージ結果(上位5名)
| 順位 | 選手 | チーム | タイム / 差 |
|---|---|---|---|
| 1 | エディ・ダンバー | ピナレロ・Q36.5 | 5:00:54 |
| 2 | サンティアゴ・ブイトラゴ | バーレーン・ヴィクトリアス | +14秒 |
| 3 | トーマス・グログ | ピナレロ・Q36.5 | +23秒 |
| 4 | ウルコ・ベラーデ | エキポ・ケルンファルマ | +44秒 |
| 5 | マルセル・カンプルビ | ピナレロ・Q36.5 | +1:44 |
※総合勢は先頭から約5分遅れでゴール。トップ5の総合順位に変動はありませんでした。
レースハイライトと注目記事
この日の総合争いは「膠着(こうちゃく)」の一言。序盤の登りからカラパス、オンリー、ロリッチらが仕掛けてマスとモビスターを揺さぶりにかかりましたが、マスはロリッチとガルに一切のリードを与えず、最終登坂でも全ての攻撃に対応。リード約1分37秒を保ったまま、女王ステージへと駒を進めました。カラパスは2度アタックし一時抜け出したものの、総合順位への影響はありませんでした。
一方で大きなニュースとなったのが、前日の第18ステージ(個人タイムトライアル)を制したばかりのステファン・キュング(トゥドール)が、勝利から数時間後にレースを離脱したこと。TTスペシャリストにとっては「ミッション完了」の潔い撤退で、小規模チームのトゥドールにとってはブレナーに続く2勝目という最高の成果を残しての退場となりました。
そして敗れたブイトラゴにとっては、またしても「あと一歩」。ペーニャス・ブランカスで2位に沈み、悔しさの残る結果となりましたが、山岳賞の点差は広げており、この競技での栄冠に大きく前進しました。
各賞(ジャージ)の状況
第19ステージ終了時点の主要4賞と、チーム・敢闘賞の状況を整理します。ブエルタの各賞ジャージは、総合=赤(マイヨ・ロホ/ラ・ロハ)、ポイント=緑、山岳=水玉、新人=白です。
- 総合(マイヨ・ロホ):エンリク・マスが堅持。2位ロリッチへのリードは約1分37秒を維持。
- 山岳(水玉ジャージ):サンティアゴ・ブイトラゴが78点。2位ファンアールト(40点)に大差でほぼ当確。
- ポイント(緑ジャージ):ワウト・ファンアールトが306点で首位を維持。変動なし。
- 新人(白ジャージ):オスカー・オンリーが首位。ただしオムルゼルとの差は1分03秒で、まだ油断できず。
- 敢闘賞:この日の最敢闘選手はエディ・ダンバー。逃げを牽引し、勝利まで結びつけました。
レース結果一覧(第19ステージ終了時点)
総合成績(GC) 上位5名
| 順位 | 選手 | チーム | タイム / 差 |
|---|---|---|---|
| 1 | エンリク・マス | モビスター | 65:52:03 |
| 2 | プリモシュ・ロリッチ | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +1:37 |
| 3 | フェリックス・ガル | デカトロン CMA CGM | +3:01 |
| 4 | リチャル・カラパス | EF エデュケーション・イージーポスト | +5:17 |
| 5 | オスカー・オンリー | ネットカンパニー・イネオス | +6:03 |
チーム総合成績 上位5チーム
| 順位 | チーム | タイム / 差 |
|---|---|---|
| 1 | デカトロン CMA CGM | 180:49:41 |
| 2 | XDS アスタナ | +57:32 |
| 3 | バーレーン・ヴィクトリアス | +1:11:15 |
| 4 | EF エデュケーション・イージーポスト | +1:14:12 |
| 5 | グルパマ・FDJ ユナイテッド | +1:14:27 |
山岳賞(水玉ジャージ) 上位3名
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | サンティアゴ・ブイトラゴ | バーレーン・ヴィクトリアス | 78 |
| 2 | ワウト・ファンアールト | チーム・ヴィスマ・リースアバイク | 40 |
| 3 | アンドレアス・レクネスン | ウノエックス・モビリティ | 29 |
ポイント賞(緑ジャージ) 上位3名
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | ワウト・ファンアールト | チーム・ヴィスマ・リースアバイク | 306 |
| 2 | マシュー・ブレナン | チーム・ヴィスマ・リースアバイク | 239 |
| 3 | アレッサンドロ・ロメーレ | XDS アスタナ | 171 |
新人賞(白ジャージ) 上位3名
| 順位 | 選手 | チーム | タイム / 差 |
|---|---|---|---|
| 1 | オスカー・オンリー | ネットカンパニー・イネオス | 65:58:06 |
| 2 | ヤコブ・オムルゼル | バーレーン・ヴィクトリアス | +1:03 |
| 3 | レオ・ビゾー | デカトロン CMA CGM | +13:14 |
次戦・第20ステージ(女王ステージ)の見どころ
第20ステージは、ラ・カラオラからコリャード・デル・アルグアシルへ向かう本大会の女王ステージ(クイーンステージ=最難関ステージ)。連続する登りが待ち構える「最後の山岳決戦」で、マスの赤ジャージにとって事実上のラストチャンスです。約1分37秒差を追うロリッチ、表彰台を狙うガルやカラパスがどこまで仕掛けるか。翌9月13日にはグラナダで最終第21ステージを迎え、総合優勝が確定します。

J SPORTS 放送・配信予定
ブエルタ・ア・エスパーニャ2026は、J SPORTS 4およびJ SPORTSオンデマンド(Amazonプライムビデオ チャンネルからも視聴可)で全ステージを生中継・ライブ配信。以下は日本時間の生中継スケジュールです。
| ステージ | 生中継(日本時間) |
|---|---|
| 第20ステージ(女王ステージ) | 9月12日(土)21:50〜(英語コメンタリー版は19:15〜) |
| 第21ステージ(最終・グラナダ) | 9月13日(日)23:10〜 |
※放送終了時刻は番組ページにより表記差があるため、最新の詳細はJ SPORTS公式サイトでご確認ください。
出典:CyclingUpToDate、Cyclingnews、ProCyclingStats、Rouleur、FloBikes、La Vuelta公式(lavuelta.es)、J SPORTS公式。順位・タイムは第19ステージ終了時点。放送予定はJ SPORTS公式に基づく。