2026年7月25日(土)、ツール・ド・フランス2026 第20ステージはル・ブール・ドワザン〜アルプ・デュエズ(170.9km)で行われました。今大会のクイーンステージ(最難関ステージ)は、逃げ切ったリチャル・カラパスが2日前の第18ステージに続く区間2勝目を挙げ、山岳賞(マイヨ・ア・ポワ)も確定。総合首位ポガチャルは盤石の走りでマイヨ・ジョーヌを守りました。
コース紹介:アルプス3連戦の最終決戦
第20ステージは、伝説の峠が凝縮された標高差の大きい山岳ステージ(マウンテンステージ)でした。獲得標高はおよそ5,450m。前半に超級(HC)のコル・ド・ラ・クロワ・ド・フェール、続いて標高2,642mのコル・デュ・ガリビエを越え、終盤はコル・ド・サレンヌを経由して、名物の21のヘアピンが待つアルプ・デュエズへと駆け上がるレイアウトです。
第19ステージに続く2日連続のアルプ・デュエズ・フィニッシュは、ツール史上初の試み。総合勢にとってはパリを前にした最後の山岳決戦であり、逃げ屋(ブレイクアウェイ)にとっては区間勝利をつかむ絶好の舞台となりました。

優勝者:リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)
この日の主役は、山岳賞ジャージをまとって逃げに乗ったリチャル・カラパス。序盤のクロワ・ド・フェールで単独先頭に立って山岳ポイントを稼ぐと、その後もガリビエ、サレンヌと攻め続け、フィニッシュ前のアルプ・デュエズの下りで独走態勢を築きました。
最終盤はセップ・クスとの一騎打ちの様相でしたが、先頭を走っていたクスがアルプ・デュエズ市街の下りで2度落車。カラパスがこれをかわして単独先頭に立ち、そのまま逃げ切って区間2勝目を飾りました。第18ステージと似た形での勝利で、山岳賞(マイヨ・ア・ポワ)も同時に確定させています。
▼ 区間トップ3(第20ステージ)
- リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)4:59:39
- レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)+26秒
- セップ・クス(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)+31秒
レースハイライトと注目ポイント
■ クスの悲運、そしてカラパスへ
ヴィスマはクス、ヨルゲンソン、アルミライユ、ピガンツォリらで積極的にレースを動かしました。クスは残り24kmで単独アタックを仕掛け、一時は区間優勝が見える位置まで抜け出しましたが、下りでの2度の落車が明暗を分けました。惜しくも区間3位に終わったものの、この日のレースを最も動かした走りでした。
■ ポガチャルの「アシスト」
総合首位のポガチャルは、ガリビエ以降の終盤でチームメイトのイサク・デル・トロのために自ら先頭を引く場面も。集団を絞り込み、白ジャージ(マイヨ・ブラン)と総合表彰台圏内を争うデル・トロを完璧にサポートしました。総合首位の選手が味方のために働く珍しい光景となりました。
■ ピーダスンが緑ジャージを確定
ポイント賞のマッズ・ピーダスンは、クロワ・ド・フェールで集団から飛び出す驚異的な走りを見せて逃げに合流。中間スプリントで先頭通過してポイントを積み増し、2位フィリプセンとの差を挽回不能な水準まで広げ、緑ジャージ(マイヨ・ヴェール)を実質確定させました。
■ 総合トップ10圏で落車リタイア
クロワ・ド・フェールの下りでイラン・ヴァンウィルダーが落車し、リタイア。トップ10入りを狙っていた選手の一人が大会を去ることになりました。
各賞ジャージの状況(第20ステージ終了時点)
総合(マイヨ・ジョーヌ):タデイ・ポガチャルが盤石の首位をキープ。この日も順位変動はなく、総合優勝をほぼ手中に収めました。2位エヴェネプールは自身最高順位となる総合2位が濃厚です。
山岳賞(マイヨ・ア・ポワ):リチャル・カラパスが最終山岳日に156ポイントまで伸ばして確定。2位ポガチャル(100pt)を大きく引き離しました。
ポイント賞(マイヨ・ヴェール):マッズ・ピーダスンが527ポイントで実質確定。スプリンター(スプリント特化型)でありながら山岳日にも果敢に攻め、貫禄を示しました。
新人賞(マイヨ・ブラン):イサク・デル・トロが首位。ポガチャルのアシストもあり、2位セイシャスとの差を広げて確定に近づきました。
敢闘賞(コンバティビティ):第20ステージの受賞者は※確認中。逃げてクスの単独アタックやカラパスの独走が有力候補です。確定情報はJ SPORTS公式・letour.fr での確認を推奨します。
レース結果一覧
総合成績(GC・トップ5)
| 順位 | 選手 | チーム | タイム / 差 |
|---|---|---|---|
| 1 | タデイ・ポガチャル | UAEチーム・エミレーツ | 72:53:44 |
| 2 | レムコ・エヴェネプール | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +6:26 |
| 3 | イサク・デル・トロ | UAEチーム・エミレーツ | +9:42 |
| 4 | ポール・セイシャス | デカトロン CMA CGM | +11:56 |
| 5 | レニー・マルティネス | バーレーン・ヴィクトリアス | +13:02 |
チーム総合(トップ5)
| 順位 | チーム | タイム / 差 |
|---|---|---|
| 1 | リドル・トレック | 219:01:16 |
| 2 | UAEチーム・エミレーツ | +36:57 |
| 3 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +1:06:22 |
| 4 | デカトロン CMA CGM | +1:47:44 |
| 5 | チーム・ヴィスマ・リースアバイク | ※確認中 |
※チーム総合5位はヴィスマで確定していますが、第20ステージ終了時点の正確なタイム差はソース間で未確定のため「※確認中」としています。確定値はJ SPORTS公式・letour.fr でのご確認を推奨します。
山岳賞(マイヨ・ア・ポワ・トップ3)
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | リチャル・カラパス | EFエデュケーション・イージーポスト | 156 |
| 2 | タデイ・ポガチャル | UAEチーム・エミレーツ | 100 |
| 3 | ヴァランタン・パレ=パントル | スーダル・クイックステップ | 99 |
ポイント賞(マイヨ・ヴェール・トップ3)
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | マッズ・ピーダスン | リドル・トレック | 527 |
| 2 | ヤスパー・フィリプセン | アルペシン・プルミエ・テック | 445 |
| 3 | ビニアム・ギルマイ | NSNサイクリングチーム | 361 |
新人賞(マイヨ・ブラン・トップ3)
| 順位 | 選手 | チーム | タイム / 差 |
|---|---|---|---|
| 1 | イサク・デル・トロ | UAEチーム・エミレーツ | 73:03:26 |
| 2 | ポール・セイシャス | デカトロン CMA CGM | +2:14 |
| 3 | レニー・マルティネス | バーレーン・ヴィクトリアス | +3:20 |
第21ステージ コース紹介:パリ最終決戦(急遽短縮)
大会最終日となる第21ステージ(7月26日)は、当初トワリー〜パリ(133km)で予定されていました。しかし、フランス南西部ジロンド地方などで発生している大規模な森林火災(山火事)により、警備・治安部隊が被災地対応へ振り向けられたことを受け、コースが急遽短縮されました。
新コースはパリ市内で完結する約89km。チーム紹介はトワリーで実施しますが、選手はバスで首都パリへ移動し、シャンゼリゼ通りのフィニッシュラインからスタートします。恒例のシャンゼリゼ周回に2周を追加し、その後、昨年導入されて話題を呼んだモンマルトルの周回(3周)へ。カテゴリー4の激坂「ビュット・モンマルトル(約1.1km・平均5.9%)」を上り、サクレクール寺院前を通過してシャンゼリゼへ戻る、パンチャー(アップダウンに強い選手)向けの構成です。
▼ 第21ステージ 注目ポイント
- 距離短縮(133km → 約89km)でも、勝敗を分けるモンマルトル周回は変更なし
- スプリンター同士の「非公式スプリント世界選手権」か、モンマルトルからの抜け出しか
- マイヨ・ジョーヌはパリでポガチャル(総合優勝)が確定する見込み


放送予定(J SPORTS)
日本国内では今年もJ SPORTSが全21ステージを生中継・配信します(日本語実況・解説)。第21ステージ(最終日)の放送予定は以下の通りです(日本時間)。
| 番組 | 放送日時(日本時間) |
|---|---|
| 第21ステージ(日本語実況・解説) | 7月26日(日)午後11:05 〜 午前5:00 |
| 第21ステージ(英語コメンタリー版・スタート〜フィニッシュ) | 7月26日(日)午後11:00 〜 午前4:55 |
| 60分 de ツール 第21ステージ(ハイライト) | 7月28日(火)午後0:30 〜 |
※放送時間は編成の都合で変更となる場合があります。最新の放送・配信スケジュールはJ SPORTS公式サイトでご確認ください。