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サイクルロードレース

【ツール・ド・フランス2026】第17ステージ結果|フィリプセンが40人スプリント制し待望の初勝利

第113回ツール・ド・フランス2026は2026年7月22日、フランス東部サヴォワ県シャンベリーからイゼール県ヴォアロンまでの174.7kmで第17ステージが行われました。三週目の平坦ステージは大規模な逃げ(ブレイクアウェイ)が決まる大混戦となり、ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・プレミアテック)が今大会待望の初勝利。マイヨ・ジョーヌはタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツXRG)が堅持しました。

コース紹介:シャンベリー 〜 ヴォアロン(174.7km)

第17ステージは平坦区間に分類されるものの、序盤50kmに4つの登りが凝縮された「見た目より難しい」レイアウトでした。獲得標高は約2,362mです。

  • コート・ド・バサ(カテゴリー4/19.2km地点)
  • コート・ド・ロシヨン(カテゴリー4/35.5km地点)
  • コル・デ・プレ(カテゴリー3/49.6km地点)
  • コート・ド・サン・ジャン・ダルヴェイ(カテゴリー4/59.5km地点)
  • 中間スプリント:コロンブ(147.5km地点)

終盤には平均4%・約2.5kmの登りがあり、その頂上はゴールまで残り約3kmという配置。純粋なスプリンター(短距離型選手)にとっては最後まで気の抜けない、緩い上りゴールでした。

ポイント:第16ステージの個人タイムトライアル(ITT)明け、そして第18ステージ以降のアルプス3連戦の直前。「逃げに乗りたい選手」と「集団スプリントに持ち込みたい選手」の思惑が真っ向からぶつかる一日でした。

ステージ優勝:ヤスペル・フィリプセン

40人規模まで膨れ上がった先頭集団によるミニ集団スプリントを制したのは、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・プレミアテック)。区間2位にマウロ・シュミット(スイス/チーム ジェイコ・アルウラー)、区間3位にオラフ・コーイ(オランダ/デカトロンCMA CGMチーム)が入りました。

優勝タイムは3時間41分13秒、平均時速はおよそ47.4km/hという超高速レース。元世界王者マチュー・ファン・デル・プールが完璧な発射台(リードアウト)を務め、フィリプセンは数車身の差をつけて圧勝しました。

これはフィリプセンにとってツール通算11勝目。今大会は2週間以上勝利から見放され続けていましたが、これで5大会連続でのステージ優勝を達成しました。

レースハイライトと注目ポイント

① 序盤50kmの「逃げ争い」が大混乱を招く

スタート直後から登りが続き、集団(プロトン)は何度も分断。ポガチャルまでもがアタックに反応する展開となり、一時はイサク・デル・トロが集団から遅れる場面もありました。一度形成された大逃げはデカトロンとウノエックスの牽引で吸収されますが、そこから後方のマッツ・ピーダスンが第2の逃げを形成。フィリプセンも合流を狙う集団に入り、カオスが続きました。

② ピーダスンの猛攻と、ストゥイヴェンの散り際

ピーダスンは先頭集団内でさらに、ベン・ヒーリー、ヤスペル・ストゥイヴェン、ミハウ・クフィアトコフスキ、エドワード・プランカールト、フェリックス・エンゲルハルトとともに6人の逃げを形成。残り40kmで1分のリードを得ますが協調が崩れ、残り27kmでストゥイヴェンが単独アタック。しかし残り3km強で捕まり、勝負は40人以上のスプリントへと持ち込まれました。

③ ポイント賞争いが「7ポイント差」の大接戦に

ピーダスンは中間スプリントを1位通過してポイントを積みましたが、最後のスプリントでは失速して区間8位。一方フィリプセンはこの日だけで59ポイントを獲得し、両者の差はわずか7ポイントに。残り区間の中間スプリント次第でマイヨ・ヴェールが入れ替わる、今大会屈指の接戦となりました。

④ ジェガの「大跳躍」でトップ10争いが動く

総合勢で唯一この大逃げに乗ったのがジョルダン・ジェガ(トタルエネルジー)。約8分46秒を稼ぎ、総合タイム差を22分50秒から14分04秒へと一気に短縮。総合9位を強固なものにしました。

⑤ チーム総合でリドル・トレックが決定打

第16ステージ終了時点で23秒差まで詰め寄られていたリドル・トレックですが、この日はピーダスン、デレク・ジー、クイン・シモンズの3枚が先頭集団入り。対するUAEはニルス・ポリットのみで、メイン集団は8分46秒遅れでフィニッシュ。差は再び18分10秒まで拡大しました。

なおこの日は、トム・ピドコックが落車、アダム・イェーツが体調不良に見舞われるなど、アルプス決戦を前に各チームにダメージが残る一日でもありました。

第17ステージ終了時点の各賞ジャージ

マイヨ・ジョーヌ(総合首位):タデイ・ポガチャル

総合上位に大きな変動はなく、ポガチャルが2位レムコ・エヴェネプールに4分32秒差でリードを維持。アルプス3連戦を前に、盤石とはいえないまでも安全圏のマージンを確保しました。

マイヨ・ヴェール(ポイント賞):マッツ・ピーダスン

452ポイントで首位を守るも、2位フィリプセン(445ポイント)との差はわずか7ポイント。3位ビニアム・ギルマイは今日ポイントを積めず、実質的にピーダスンとフィリプセンの一騎打ちとなりました。

マイヨ・ア・ポワ(山岳賞):タデイ・ポガチャル

この日は低カテゴリーの登りのみで、山岳ポイント(KOM=キング・オブ・ザ・マウンテン)の勢力図に変化なし。ポガチャルが70ポイントで首位を維持しています。なおポガチャルが総合首位ジャージを着用しているため、第17ステージの水玉ジャージは2位のヴァランタン・パレペントルが着用しました。

マイヨ・ブラン(新人賞):イサク・デル・トロ

有力3人が同タイムでフィニッシュし、順位変動なし。2位ポール・セイシャスとの差は20秒。総合3位・4位の座もこの2人が争っており、アルプスでの直接対決が最大の見どころです。

敢闘賞(コンバティビティ):マッツ・ピーダスン

終日アタックを繰り返し、レースを動かし続けたピーダスンが敢闘賞を受賞。翌ステージではゼッケンが金色の背景に変わります。

第17ステージ終了時 総合成績(トップ10)

順位 選手 チーム タイム/差
1 タデイ・ポガチャル UAEチーム・エミレーツXRG 60:04:17
2 レムコ・エヴェネプール レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ +4:32
3 イサク・デル・トロ UAEチーム・エミレーツXRG +6:51
4 ポール・セイシャス デカトロンCMA CGMチーム +7:11
5 フアン・アユソ リドル・トレック +9:22
6 マティアス・スケルモーセ リドル・トレック +10:14
7 レニー・マルティネス バーレーン・ヴィクトリアス +12:50
8 トム・ピドコック ピナレロ・Q36.5 プロサイクリングチーム +12:58
9 ジョルダン・ジェガ トタルエネルジー +14:04
10 ヤニス・ヴォワザール チュードル・プロサイクリングチーム +24:18

チーム総合成績(トップ5)

順位 チーム タイム/差
1 リドル・トレック 180:03:42
2 UAEチーム・エミレーツXRG +18:10
3 レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ +54:24
4 チーム ヴィスマ・リースアバイク +1:31:31
5 デカトロンCMA CGMチーム +1:45:23

山岳賞・ポイント賞・新人賞(トップ3)

山岳賞(マイヨ・ア・ポワ)

順位 選手 チーム ポイント
1 タデイ・ポガチャル UAEチーム・エミレーツXRG 70
2 ヴァランタン・パレペントル スーダル・クイックステップ 46
3 リチャル・カラパス EFエデュケーション・イージーポスト 40

ポイント賞(マイヨ・ヴェール)

順位 選手 チーム ポイント
1 マッツ・ピーダスン リドル・トレック 452
2 ヤスペル・フィリプセン アルペシン・プレミアテック 445
3 ビニアム・ギルマイ NSNサイクリングチーム 361

新人賞(マイヨ・ブラン)

順位 選手 チーム タイム/差
1 イサク・デル・トロ UAEチーム・エミレーツXRG 60:11:08
2 ポール・セイシャス デカトロンCMA CGMチーム +0:20
3 フアン・アユソ リドル・トレック +2:31

第18ステージ プレビュー:ヴォアロン 〜 オルシエール・メルレット(185.2km)

2026年7月23日(現地)に行われる第18ステージは、アルプス3連戦の初日。前日のゴール地点ヴォアロンからスタートし、標高1,800m級のスキーリゾート、オルシエール・メルレットへの山頂ゴール(サミットフィニッシュ)で締めくくられます。

  • 距離:185.2km
  • 序盤:コート・ダンガン(11.4km/平均5.4%)で早くも逃げ争いが激化
  • 中盤:大きな峠は避けつつ、アップダウンが延々と続くアルプス内周回
  • 最終登坂:オルシエール・メルレット(7.1km/平均6.7%、カテゴリー1)
見どころ:最終登坂は「ミニ・アルプデュエズ」とも評されるつづら折れ(ヘアピンカーブ)の連続。ただし勾配自体は総合勢を大きく引き離すほどではなく、第19・20ステージのアルプデュエズ2連戦を控えて各チームが脚を温存する可能性が高いことから、逃げ切りの公算が大きいと見られています。同時に、ジェガ・ヴォワザール・ファンウィルデル・カラパスらによる総合トップ10争いが激しく動く一日にもなりそうです。

J SPORTS 放送予定(日本時間)

ステージ 区間 放送日時(JST)
第17ステージ シャンベリー 〜 ヴォアロン 7月22日(水)午後9:00 - 深夜2:30
第18ステージ ヴォアロン 〜 オルシエール・メルレット 7月23日(木)午後9:00 - 深夜2:30
第19ステージ ギャップ 〜 アルプデュエズ 7月24日(金)午後8:50 - 深夜2:30

※J SPORTSオンデマンドでは、英語コメンタリー版「スタート〜フィニッシュまで」も配信されます(第18ステージは7月23日(木)午後7:20 - 深夜2:30)。放送時間は変更される場合がありますので、最新情報はJ SPORTS公式サイトでご確認ください。

まとめ

第17ステージは、三週目とは思えない超高速&大混戦の一日となり、フィリプセンがついに今大会初勝利。ポイント賞争いは7ポイント差、新人賞争いは20秒差、そしてチーム総合はリドル・トレックが決定打——と、マイヨ・ジョーヌ以外のあらゆる争いが最終盤にもつれ込む展開になりました。

明日からはアルプス3連戦。まずはオルシエール・メルレットの山頂ゴールで、ポガチャルの牙城が揺らぐのか、それとも逃げ屋たちのショーとなるのか。J SPORTSの生中継でお見逃しなく。

  • この記事を書いた人

はぼぞう

旅と砂漠と写真と女性を愛する60歳ちょっと過ぎたの「元金融系システム屋」です。 現在は、社内SEのアルバイト件システム構築やってます。 シンガー 森口博子とアーティスト 中村中の大ファン

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