イスラエルという国は、四方を敵視してきた歴史がある。
「全世界に同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回して戦ってでも生き残る」
ということを政策の方向性にしていると言われている。
そのイスラエル動きが、最近、活発になってきている。
今回の日本のニュースに出てこないニュースでは、
ハマースが、イスラエルとの暴力的攻撃を終わりにする。 イスラエルとアラブ首長国連邦の国交正常化の裏で動いていること
と題して、イスラエルの政策転換について考えてみよう。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
イスラエルとアラブ首長国連邦
イスラエルとアラブ首長国連邦が国交正常化
アメリカのホワイトハウスは、イスラエルとUAE=アラブ首長国連邦と共同で声明を発表し、イスラエルとUAEが国交を正常化することで合意したと発表しました。イスラエルが歴史的に対立してきたアラブ諸国と国交を結ぶことになり、声明は「歴史的な外交上の成果」だと強調しています。
ホワイトハウスは13日、イスラエルとUAEと共同で声明を発表し、イスラエルとUAEが国交を正常化することで合意したと発表しました。
イスラエルという国
最初にイスラエルという国をみてみよう。
イスラエル国(イスラエルこく、ヘブライ語: מְדִינַת יִשְׂרָאֵל 、アラビア語: دَوْلَة إِسْرَائِيل 、英語: State of Israel :[ˈɪzrɪəl, ˈɪzreɪəl])、通称イスラエルは、中東のレバントに位置する共和制国家。イスラエルはエルサレムを首都と主張しているが、多くの国や国連はテルアビブを首都とみなしている。
北にレバノン、北東にシリア、東にヨルダン、南にエジプトと接する。ガザ地区とヨルダン川西岸地区を支配するパレスチナ自治政府(パレスチナ国)とは南西および東で接する。地中海および紅海にも面している。
イスラエルは、シオニズム運動を経て1948年5月14日に建国された。建国の経緯に根ざす問題は多い。版図に関するものではパレスチナ問題がよく報道される。
ウィキペディア
地図上では、地中海に面している。
ユダヤ人は、国家を持っていなかった。
第二次大戦でホロコーストで600万人が殺された悲劇の民族である。
そのユダヤ人が中心になって建国されたのが、イスラエルという国です。
ユダヤ教国家とも言えるイスラエルは周辺にイスラム教国家に囲まれているため、争いが絶えない。
さらにエルサレムには、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の重要な聖地が集まっているというこから考えても 「ちょっとやばそうだ」と感じる人も多いと思います。
ガザ地区
イスラエルが日本のニュースに出てくるときよく登場するのが、ガザ地区
一度は耳にしたことがあると思います。
ガザ地区(ガザちく、アラビア語: قطاع غزة, Qita' Ghazzah、ヘブライ語: רצועת עזה, Retzuat 'Azza)は、パレスチナ国(パレスチナ自治政府)の行政区画である。中心都市はガザ。
ウィキペディア
長さ50km、幅5~8kmの狭く細長いガザは、種子島ほどの面積に190万人の人が住む、世界で最も人口密度が高い場所の一つです。人口の約45%は14歳以下の子どもで、7割は難民となった人々です。
この地区は、古代からアフリカとアジアをつなぐ交易の中継地として栄えた歴史的な場所です。
しかし、その歴史は、戦争と占領の繰り返しである。
1967年
第三次中東戦争によってイスラエルに軍事占領
2005年まで
イスラエルの入植地が存在していてイスラエル軍が常駐
2006年
イスラエル軍撤退したが、周辺をイスラエル軍が包囲、人や物の出入りを制限
結果、燃料や食料、日用品、医療品などが慢性的に欠乏していた。
2008年、2009年、2012年、2014年
イスラエル軍は逃げ場のないガザに大規模軍事侵攻を行いその軍事攻撃により多数の市民が犠牲となっている。
この状況に国際的な非難が多いわけですが、決定的な対策が行われていない。
ハマース
ハマース(アラビア語: حماس Ḥamās、英語: Hamas)あるいはハマース運動(アラビア語: حركة حماس Ḥarakat Ḥamās、英語: Hamas Movement)は、イスラーム主義を掲げるパレスチナの政党。
ウィキペディア
このイスラエルの対応にガザ地区では、2006年のパレスチナ自治政府選挙でそれまで政治の中心だったPLO(パレスチナ解放機構)からハマース(ハマス)という対イスラエル強硬派が主導権を把握
PLO=(パレスチナ解放機構:アラファト議長という名前を聞いたことがあると思います)
以後、ハマースは、対イスラエルで何度か攻撃を繰り返してきた。
もちろんイスラエルは、報復を繰り返してきた。
少し長くなりましたが、イスラエルとガザ地区、及び ハマースに対して簡単に説明しました。
これをふまえてからの新しいニュースです。
イスラエルとの合意
ハマースはイスラエルとの暴力の拡大を終わらせるために合意に達したとコメント
「国民に対する攻撃を終わらせるという合意に達した」
ガザのハマースのリーダー、ヤヒヤシンワール氏のオフィスよりコメント
8月に入ってから、イスラエルは、毎日のようにガザへのロケットによる攻撃を実施
イスラエルは8月6日からほぼ毎日ガザへの爆撃と攻撃を実施している[Mohammed Shana / Reuters]
ガザの経済は、停止し、漁も禁止、物資も止まり、燃料が不足
8月16日、イスラエルの兵士がガザ地区の障壁近くに集結[メナヘムカハナ/ AFP]
包囲攻撃は居住者に深刻な困難をもたらしました。パレスチナ中央統計局(PCBS)の統計によると、ガザの人口の貧困率は53%に達し、「極度の貧困」は33.8%に達しています。
家族の約68%は食事をするのに十分ではありませんが、ガザンの80%は援助に依存しています。PCBSによると、この地域の失業率は45.1%です。
アル・ジャジーラより
また経済封鎖のため発電所が停止となってしまいました。
ガザの家族がイスラエルの包囲によって引き起こされた燃料不足の中で火の上で食事を準備する[Ashraf Amra / Al Jazeera]
これに対して、イスラエルとハマースは、カタール(ハマースを支援)を仲介役として
「国民に対する攻撃を終わらせるという合意に達した」
という発表までこぎつけた。
イスラエルは、攻撃中止の見返りで「漁業者が地中海に出ることを許可」するとも言われている。
これで約一ヶ月間における、攻撃は、終了することになるはずです。
しかし、根本的な解決方法にはなっていない。
そういえば、冒頭の「イスラエルとUAEが国交を正常化」と連動しているかどうかは、わからないが、イスラム教というつながりから考えると、交渉が合った可能性もある。
まとめ
ガザは、イスラエルの封鎖政策により、燃料、物資不足、水問題、紛争によるインフラの損害も大きく経済は逼迫 高い失業率の問題も多く、かなり厳しい状況です。
今回の「国民に対する攻撃を終わらせるという合意に達した」は恒久的なことでないかも知れません。
いつになったらこの問題が解決されるのか?
誰も予想できません。
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