※本ページはプロモーションが含まれています

日本のニュースに出てこないニュース

【2026年9月16日 速報】ホルムズ封鎖に出口なし|サウジ送油管攻撃・フーシ派紅海制圧で原油107ドル台

 ホルムズ海峡の封鎖が半年を超えて続くなか、サウジアラビアの基幹送油ルートが攻撃で停止し、紅海の要衝はフーシ派の手に落ちた。原油の「出口」が同時にふさがれ、ブレント原油(ブレント)は4か月ぶりの高値をつけている。イラン経済は崩壊寸前まで追い込まれ、和平協議は再び頓挫した。海外の一次情報のみを突き合わせ、2026年9月16日時点の最新局面を整理する。

ホルムズ海峡:終わらない「タンカー戦争」

🟢 2026年2月28日に始まった米・イスラエルによるイラン攻撃を発端に、イランはホルムズ海峡の通航を事実上遮断し続けている。米国は7月14日に海上封鎖を再発動し、以降は米軍とイラン革命防衛隊(イスラム革命防衛隊、以下 革命防衛隊)が互いのタンカーや艦船を攻撃し合う「タンカー戦争」の様相が続く。海峡はもともと世界の海上原油貿易の約25%、液化天然ガス(LNG)の約20%が通過する要衝(チョークポイント)である。

🟡 イラン最高安全保障委員会のレザイ書記は、米側が「態度」を改めない限りホルムズ海峡は閉鎖され続けると国営テレビで言明した。革命防衛隊は米国・イスラエルおよび同盟国の船舶を「正当な標的」と位置づけている。一方、9月13日から14日にかけてホルムズ海峡でイランの商用貨物船が攻撃を受け、1人が死亡・4人が負傷したとイラン国営メディアが伝えた。

🟡 9月15日には、イランが「米軍の機雷でスーパータンカーが被害を受けた」と主張したのに対し、米中央軍(セントコム)がこれを否定した。米側は水中ドローンで100個超の機雷を除去したとしており、海峡の実効支配をめぐる情報戦が続いている。トランプ大統領は「ホルムズをほぼ完全に支配している」と繰り返し、米海軍がイランの小型艇を1日平均およそ25隻排除していると主張する。

サウジ「東西パイプライン」攻撃で最後の迂回路も遮断

🟢 9月10日から11日にかけて、サウジアラビアを横断する全長約1200キロ(745マイル)の「東西原油パイプライン」がドローン攻撃を受け、リヤド州とメディナ州の複数のポンプ施設で火災・負傷者が出た。サウジは予防措置として送油を停止。この管路は最大で日量700万バレルの能力を持ち、ホルムズ海峡を通らずに東部の原油を紅海のヤンブー港へ運ぶ「唯一の主要迂回路」だった。

🟢 サウジはホルムズ封鎖以降、本来ペルシャ湾でタンカーに積むはずだった日量約500万バレルをこのパイプラインで紅海側へ振り替えていた。停止により、世界供給の約4%に相当する原油が市場から失われる恐れがある。衛星画像(コペルニクス・センチネル3号など)はメディナ南方の管路沿いに立ち上る黒煙を捉えていた。

🟡 攻撃はイラク領内から発射されたドローンによるものとされ、イラクは調査に着手、イランとの主要な国境検問所2か所を閉鎖した。犯行声明は出ていないが、トランプ大統領は「おそらくイランだ」と関与を示唆。イラン外務省は9月に入り、この非難を「断固として否定」した。

🟡 9月15日、米エネルギー長官のクリス・ライト氏は、東西パイプラインの送油が「数日内」に再開する見通しだと述べた。ただし完全復旧には数週間かかるとの見方もあり、サウジは当面ホルムズ海峡経由の出荷を増やして穴埋めを図るとされる。

フーシ派が紅海を制圧、バブ・エル・マンデブ海峡も遮断へ

🟢 イエメンの親イラン武装組織フーシ派は9月11日から12日にかけて、歴史的な港湾都市モカ(ムハー)と、バブ・エル・マンデブ海峡の入り口に位置するペリム島(マユン島)を制圧し、紅海沿岸の支配を固めた。バブ・エル・マンデブ海峡は、ホルムズが封鎖されるなかでサウジ原油を欧州・アジア方面へ運ぶ「もう一つの生命線」となっていた要衝である。

🟢 9月14日夜、フーシ派はサウジ南部ハミス・ムシャイトのハーリド国王空軍基地に弾道ミサイルとドローンで大規模攻撃を実施し、格納庫・レーダー・滑走路・弾薬庫への直撃を主張した。軍報道官のヤヒヤ・サレア氏は、過去5日間にサウジがイエメンで300回超の空爆を行ったことへの報復だと説明している。

🟢 これに対しサウジは9月15日、タイズ、ラハジュ、ジャウフ、ハッジャなどフーシ派拠点へ54回規模の空爆で反撃。フーシ派系メディアはタイズ州で子ども3人が死亡したと伝えた。イエメン政府軍はタイズ州の一部陣地を奪還したとしている。イランはイエメン内戦への関与を改めて否定した。

🔵 米メディアによれば、サウジのムハンマド皇太子はフーシ派への軍事介入をトランプ氏に2度要請したが、いずれも断られた。トランプ氏は「フーシ派は戦いたくないと連絡してきた」と述べ、直接介入には慎重な姿勢を見せている。サウジは軍事基地・送油管・海上輸送路のすべてが同時に脅かされる異例の局面に立たされている。

原油価格:ブレントは4か月ぶり高値、ディーゼルは過去最高

🟢 供給ルートの同時遮断を受け、原油相場は再び高騰している。ホルムズ・バブ・エル・マンデブ両海峡の機能不全と東西パイプライン停止が重なり、世界貿易の約4割・世界出荷の約3割が影響を受けているとの試算もある。

指標 9月15日時点 補足
ブレント原油 約107ドル台/バレル 約4か月ぶりの高値圏
WTI原油 約105ドル台/バレル 前日比約4%高・17週ぶり高値
米ディーゼル 1ガロン=約6ドル 史上初の水準
米ガソリン 1ガロン=約4.15ドル レイバーデーの過去最高

出所:トレーディング・エコノミクス、シーエヌビーシー、オイルプライス等の各報道を基に集計(2026年9月15日時点)。

🔵 エネルギー主導のインフレ再燃で、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測が急上昇し、市場は次回会合での利上げ確率を7割超と見る。景気後退(リセッション)を再び意識する声も出始めた。イランはかつて原油が1バレル=200ドルに達しうると警告していた。

逼迫するイラン経済:リアル暴落とインフレ70%

🟢 供給を絞られているのは市場だけではない。海上封鎖で国際貿易の9割超がホルムズ経由のイラン自身が、経済的な「兵糧攻め」に直面している。米財務長官のベッセント氏はこの状況を「イラン経済の顎(あご)」と表現した。

項目 現状
通貨リアルの対ドル相場 1ドル=220万リアル超(1年前は約100万)
インフレ率 約70%(国際通貨基金〈IMF〉は68.9%と推計、1979年以来の高さ)
実質成長率(2026年) マイナス6.1%の見通し(IMF)
対外貿易 約35%縮小(ペゼシュキアン大統領)
原油輸出量 日量約26万バレルまで激減(調査会社ケプラー)
平均月収の実質的な購買力 約125ドル相当で、基礎的な生活費の3分の1にも満たない

出所:IMF世界経済見通し、ロイター、シーエヌビーシー等の報道より。

🟡 ペゼシュキアン大統領自身が貿易の3分の1超の縮小を認めるなど、政権も窮状を隠せない。国内では「果物や肉を我慢し、週末も働く」といった市民の声が伝えられ、経済苦を体制批判へ向ける空気も広がっている。米国は第三国への二次制裁も強化しており、イランの外貨収入源はさらに細っている。

和平交渉:オマーン仲介の湾岸会合が土壇場で頓挫

🟢 9月15日にオマーン南部サラーラで予定されていた、イランと湾岸協力会議(GCC)諸国・イラクによる海峡協議は、前夜に無期延期となった。ホルムズ海峡に新たな暫定航路を設けるための数少ない多国間の場だったが、テヘランとマスカット(オマーン)が「地域の合意形成のため」として共同で延期を決めた。

🟡 米メディアのアクシオスやシーエヌエヌによれば、延期を求めたのはサウジアラビアだった。サウジは、イラン・オマーン案の文言がホルムズ海峡の新たな既成事実を生むことを警戒し、修正を要求。フーシ派や親イラン勢力による自国領への攻撃が続くなか、対イラン協議に応じることへの不満もあったとされる。バーレーンは当初から会合参加を拒んでいた。

🔵 オマーンは7月、海峡の管理を関係国で50対50に分担する枠組みを提案していた。イランは通航船から料金を徴収する仕組みを求めているが、オマーンや湾岸諸国はこれに難色を示す。米政権は今後の対イラン交渉の焦点を「海峡再開」ではなく「核問題」に移したい意向とされ、当事者間の思惑のズレが和平を遠ざけている。

トランプ大統領の発言とSNS投稿

🟡 アイルランド訪問中のトランプ大統領は記者団に、サウジのパイプライン攻撃について「おそらくイランだ」と述べる一方、地域情勢は「すべてうまく収まる」と楽観を強調した。ムハンマド皇太子とは電話協議を重ねたとし、「フーシ派は我々と戦いたくないと伝えてきた」とも語った。

🟡 交流サイト「トゥルース・ソーシャル」への投稿では、トランプ氏はホルムズ海峡を「新たな米国領」と示唆する地図を繰り返し掲げてきた。また「イランをバーゲニングテーブル(交渉の席)に無理やり着かせようとしていない」とし、「ホルムズをほぼ完全に支配し、相手の経済が完全に崩壊している今の状況の方がずっと好ましい」と投稿している。

🔵 トランプ氏は戦争が「中間選挙の直後」に終わり、ガソリン価格は「石のように下がる」と主張する。ただし国際エネルギー機関(IEA)は2026年の世界供給がさらに落ち込むと警告しており、政治的な収束宣言だけで価格が下がる保証はない。強気の発信と現場の供給難とのギャップが、市場の不確実性を高めている。

日本への影響:原油・LNG・ガソリン

🟢 日本は原油の9割超を中東に依存しており、ホルムズ海峡の機能不全は直撃となる。日本銀行の増(ます)審議委員は9月10日の講演で、原油は供給不足で、液化天然ガス(LNG)は不足がなくても価格が上昇していると指摘した。LNGは日本のエネルギー源の約3割を占め、都市ガスにも使われる。

🟡 一方で、日本のLNG輸入のうちホルムズ海峡を通るのは全体の約6%にとどまり、スポット契約で代替可能とされる。石油備蓄は254日分あり、政府は記録的な8000万バレル(約45日分)の放出を決めた。短期的な「量」のショックには比較的強い構えだ。

🔵 問題は「量」より「価格」にある。アジアのLNGスポット指標であるJKM(日本・韓国マーカー)は封鎖後に倍増し、欧州とアジアの争奪戦が価格を押し上げている。LNG高は電気料金へ、原油高はガソリン・軽油・物流費へと波及する。原油1バレルあたり10ドルの上昇は、日本の物価を0.3〜0.4ポイント押し上げるとの試算がある。

🔵 サウジ東西パイプラインの停止は、この価格経路をさらに刺激する要因だ。サウジ原油の紅海側への振り替えが滞れば、アジア向け供給の綱引きが激化し、円安と重なって輸入コストを一段と押し上げる。「輸入価格ショック」が家計と企業収益をじわじわ圧迫する構図である。

経路 日本への波及
原油高 ガソリン・軽油・ジェット燃料・物流コストの上昇
LNG高 電気料金・都市ガス料金の上昇
円安との複合 輸入物価の押し上げ・企業収益の圧迫
緩和材料 254日分の石油備蓄・8000万バレル放出・多様なLNG調達先

出所:日本銀行講演資料、アイイーイーエフエー、ロイター等の報道より整理。

今後の焦点

🔵 当面の最大の変数は、サウジ東西パイプラインが本当に「数日内」に復旧するか、そしてフーシ派の紅海支配がバブ・エル・マンデブ海峡の通航をどこまで脅かすかにある。二つの迂回路が同時にふさがれたままなら、原油相場の高止まりは避けられない。

🔵 外交面では、延期された湾岸会合が再設定されるかどうかが鍵を握る。だが米国が焦点を核問題へ移し、サウジがイランへの不信を強めるなか、ホルムズ海峡の「暫定航路」合意は近づいていない。イラン経済の崩壊が体制を交渉に追い込むのか、それとも強硬姿勢を長期化させるのか——半年を超えた危機は、なお出口が見えない。

※本記事は、アルジャジーラ、シーエヌエヌ、BBC、フォックス、エーエフピー、ロイター、ブルームバーグ、および米・イラン・サウジ・日本銀行などの公式・一次情報を突き合わせて構成した(2026年9月16日時点)。日本国内メディアの論調は参照していない。情勢は流動的で、続報により内容が更新される可能性がある。

  • この記事を書いた人

はぼぞう

旅と砂漠と写真と女性を愛する60歳ちょっと過ぎたの「元金融系システム屋」です。 現在は、社内SEのアルバイト件システム構築やってます。 シンガー 森口博子とアーティスト 中村中の大ファン

-日本のニュースに出てこないニュース
-, , , , , , , , , , , ,

Copyright© インドからミルクティー , 2026 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.