2026年7月25日 速報。ロシアによるウクライナ侵攻は開戦から4年5か月を超え、いま「昼間の弾道ミサイル攻撃」と「ウクライナ側の露物流への深部攻撃」という新局面に入っています。本記事はBBC、CNN、ロイター、アルジャジーラ、AFP、FOXニュースなど国際報道と、ウクライナ・ロシア双方の公式発信をもとにまとめました。日本国内メディアの報道は含めていません。
信頼度ラベルの見方 … 🟢 複数ソースで確認 / 🟡 単一ソースまたは当事者発表 / 🔵 編集部の分析。文頭に付しています。
7月24日〜25日:首都キーウに「白昼のミサイル」
🟡 ゼレンスキー大統領は24日、首都近郊のキーウ州でロシアのミサイル攻撃により6人が死亡し、数十人が負傷したと明らかにしました。救助活動が続いているとしています。
🟢 ウクライナ全土での同日の死者は少なくとも11人。東部スロビャンスクでは航空爆弾2発が投下され、5人が死亡・9人が負傷しました。フィラシキン知事は「前線に近い住民は避難を」と呼びかけています。
🟢 特筆すべきは攻撃の「時間帯」です。キーウのクリチコ市長は市内での爆発を報告し、住民にシェルター退避を要請。現地取材にあたるアルジャジーラの記者は、弾道ミサイルによる攻撃が日中に行われるのは異例で、新しい傾向だと指摘しました。
🟡 南部ミコライウ州では、港湾インフラへのドローン(無人機)攻撃で民間船2隻が損傷。負傷者はいませんでした。一方ロシアはハリコフ州のザハリフカとイワシチネの2村を制圧したと主張しています。
ウクライナの反撃:ロシア物流「ワイルドベリーズ」を連続攻撃
🟡 同じ24日、ロシア側でも被害が出ました。キーロフ州では工場へのウクライナのミサイル攻撃で6人が死亡、26人が負傷したと同州のソコロフ知事が発表。
🟢 さらにロシアの電子商取引(イーコマース)大手ワイルドベリーズの物流倉庫が再び被弾しました。標的はサンクトペテルブルク、レニングラード州、そしてクリミア半島の主要都市シンフェロポリ。倉庫攻撃は先週末以降これで4回目です。創業者のタチアナ・キム氏は、迅速な避難で人的被害はなかったとし、在庫の再配分を急いでいると説明しました。
🟡 ゼレンスキー大統領はソーシャルメディア(X)で一連の攻撃を「成功」と評価し、ロシアの兵站(へいたん)を狙う作戦は継続中だと投稿。ロシアの軍需企業・物流・飛行場に「自らの戦争の代償」を突きつけると、深部攻撃の正当性を繰り返し強調しました。
🟡 ロシア国防省は、一晩で571機のウクライナ製ドローンを撃墜したと発表。キーウが長距離攻撃を強める中で「最大級の波状攻撃」の一つだったとし、標的は十数のロシア地域とクリミアに及んだとしています。
7月24日の被害まとめ
| 地域 | 事象 | 死傷 |
| キーウ州(ウクライナ) | ミサイル攻撃 | 死亡6・負傷数十 |
| スロビャンスク(ウクライナ) | 航空爆弾2発 | 死亡5・負傷9 |
| ミコライウ州(ウクライナ) | 港湾へのドローン攻撃 | 民間船2隻損傷 |
| キーロフ州(ロシア) | 工場へのミサイル攻撃 | 死亡6・負傷26 |
| サンクトペテルブルク等(ロシア) | 物流倉庫(ワイルドベリーズ)攻撃 | 人的被害なしと発表 |
モスクワとキーウ、二つの都市のいま
🔵 いまウクライナとロシアの主要都市は、対照的でありながら共通する緊張の下にあります。キーウでは、これまで夜間に集中していた攻撃が白昼に及ぶようになり、市民は日中でもシェルターへの退避を迫られています。前線に近い東部では住民の避難勧告が繰り返され、冬季のインフラ攻撃で電力事情が悪化した記憶も新しいままです。
🟢 一方モスクワやサンクトペテルブルクでは、24日早朝に倉庫火災の黒煙が歴史地区の上空に広がりました。ロシア国内では給油所に長い行列ができる燃料不足が続いており、戦争を「遠い出来事」として市民から遠ざけてきたクレムリンの構図が崩れつつあります。
プーチン氏の近況:認めた「燃料危機」
🟢 ウクライナの精製施設への攻撃で、ロシアの石油精製能力は2026年に入り2〜4割が損なわれたと複数の経済分析が指摘します(WSJ、FTなど)。稼働は開戦前の日量約520万バレルから約380万バレルへ落ち込み、21年ぶりの低水準との推計もあります。
🟡 プーチン大統領は、ウクライナの攻撃が燃料不足を招いていることを異例にも認めつつ、「危機的ではない」と繰り返しています。修理の加速やガソリン輸入の検討にも言及。深部攻撃の相互停止というウクライナの提案は退けました。
🔵 ロシアでは78以上の地域とクリミアで燃料不足が報告され、9月にはウクライナ侵攻後初となる下院(ドゥーマ)選挙が控えます。世論調査では指導部への信頼が記録的な速さで低下しているとの分析もあり、燃料危機が「台所の問題」として政権に跳ね返る可能性が意識され始めています。
外交:7月28日にゼレンスキー・トランプ会談
🟢 ホワイトハウス当局者は24日、ゼレンスキー大統領が28日(火曜)にワシントンでトランプ大統領と会談すると認めました。戦争終結に向けたアメリカの外交攻勢の一環です。
🟡 この会談は、マニラで行われたルビオ国務長官とラブロフ露外相の協議(約35分)が具体的な進展なく終わった直後に設定されました。ウクライナと米当局者の間では、ロシアに提示する新たな和平案の一部として「空の停戦(相互の空爆停止)」案が議論されているとされます。
🟡 なお、トランプ大統領とプーチン大統領は2025年8月以来会談していません。ゼレンスキー氏は今月のNATO首脳会議(アンカラ)でトランプ氏と会談し、地対空ミサイル「パトリオット」の生産ライセンスをめぐる協議も進めています。
戦況データ(2026年7月時点)
| 項目 | 数値・状況 |
| ロシアの支配地域 | ウクライナ領の約19〜20%(クリミア・ドンバス既存分を含む) |
| 直近4週間の露の純増 | 約15平方マイル(ディープステート)/約10平方マイル(ISW) |
| 露の精製能力への打撃 | 2026年に入り2〜4割が停止との推計 |
| ウクライナ民間人の死者(国連) | 1万6431人が死亡、4万8613人が負傷 |
| 和平交渉への支持 | 露 約64%/ウクライナ 約66%が早期交渉を支持 |
※ 死傷者・支配地域の数値は推計であり、出典により幅があります。1平方マイル=約2.6平方キロメートル。
編集部の視点
🔵 24日の応酬は、この戦争の「非対称性」を改めて浮き彫りにしました。ロシアは依然として都市の居住区を含む標的にミサイルを撃ち込み、ウクライナは製油所・倉庫・工場といった兵站と経済の中枢を叩く。白昼の弾道ミサイルという新たな圧力と、給油所に並ぶロシア市民の行列。28日のワシントン会談で「空の停戦」がどこまで具体化するかが、次の焦点になります。数字の裏にある一人ひとりの生活を見失わず、忖度なく追い続けます。
主な出典
・アルジャジーラ(7月24日/攻撃応酬・死傷者)
・ロイター/AFP(7月24日/ゼレンスキー・トランプ会談)
・FOXニュース/ユーロニュース(7月24日/会談・首脳外交)
・BBC/WSJ/FT/ポリティコ(燃料危機・精製能力)
・ロシア・マターズ/ISW/ディープステート(戦況・支配地域)
・国連人権監視団(民間人被害)/ウクライナ・ロシア両政府の公式発信・X投稿