今日の処方箋
はじめは身振りだけの愛の挨拶(あいさつ)であっても、次第に、そこから本当の愛が滲(に)じんで湧いて来る事だってある。
太宰治『新ハムレット』
仕事先のビル、毎朝 管理人のおじさんが、大きな声で
「おはようございます」
と出社してくる人にあいさつをしています。
直立不動で一人ずつ 大きな声でおじぎをしているのです。
自分は、あたりまえのように「おはようございます」とあいさつをするのですが、
ごく一部の人を除いて
無視しています。
なぜ このひとたちは、あいさつされたのに「あいさつ」できないのだろう?
今回の心の処方箋は、「あいさつ」について考えてみよう。
目次
今朝の話
自分が関わっている会社の若手が退職することになった。
あいさつだけ交わしていたのですが、覚えてくれていたようで、わざわざ あいさつに来てくれた。
毎朝、朝早く来て掃除をしていたので
「毎朝 ごくろうさま」
と声をかけていた。
彼の務める 会社は、時代錯誤というか、経営者の頭の中が昭和のままに止まっているというか、会社の雰囲気が昭和のイケイケ企業のままで止まっている。
新人社員にⅠ年以上も朝 掃除をさせたりしていたり、意味のない会議をダラダラと続けていたり、何かあるとすぐに協力会社に訴訟を仕掛けたりしていて 関係各所にすこぶる評判が悪い。
そんななか 約 1年 頑張っていたようです。
彼の行く末に幸あれと願う
太宰治
自滅型の小説家というのは、自分だけだろうか?
『人間失格』とか読むと 自滅するのを自覚していながら 墜ちてゆく 姿が描かれています。
太宰 治(だざい おさむ、1909年〈明治42年〉6月19日 - 1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治(つしま しゅうじ)。 左翼活動での挫折後、自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、第二次世界大戦前から戦後にかけて作品を次々に発表。主な作品に『走れメロス』『津軽』『お伽草紙』『人間失格』がある。没落した華族の女を主人公にした『斜陽』はベストセラーとなる。戦後は、その作風から坂口安吾、織田作之助、石川淳、壇一雄らとともに新戯作派、無頼派と称されたが、典型的な自己破滅型の私小説作家であった[4]。
彼の小説の中で『新ハムレット』があります。
『新ハムレット』(しんハムレット)は、太宰治の戯曲風の小説。シェイクスピアの『ハムレット』の近代的翻案、あるいはパロディ。
1941年(昭和16年)7月2日、文藝春秋社より刊行された。定価は1円70銭[1]。著者にとって最初の書き下ろし長編小説である[2]。
『新ハムレット』についての考察は、数多く論文で発表されているので ここでは、解説しませんが、その小説の中に
はじめは身振りだけの愛の挨拶(あいさつ)であっても、次第に、そこから本当の愛が滲(に)じんで湧いて来る事だってある。
という 一文があります。
あいさつということは、人と人の出会いで重要なキーワードになるのです。
あいさつ
あいさつというのは、習慣からはじまるものですが、やがて それが、真実になってゆくということです。
自分の亡くなった親父は、僧侶でした。
「宗教はビジネスだ」
と言っていたぐらいドライな人でしたが、多くの人に愛されていました。
葬儀の時など、この人は、どこで知り合ったの?
という人が次から次へと弔問に訪れたのです。
牛乳配達のおじさん、新聞配達の人、清掃車の人、国会議員や町会議員、奈良の偉いお坊さんまで交際範囲が広かっていたのを覚えています。
父親は、先の戦争で衛生兵をしていたそうですが、多くの人を戦地で安楽死させてきたそうです。
※南方の島では、薬品もなく、治療ができず 死にゆく人達のひどい痛みに苦しんでいたのを解放するためと言っていました。自身も機銃で撃たれ 呉の病院で終戦を迎えたそうです。
その想いもあって、最後に僧侶という仕事を選んだと思います。
少し、話が逸れましたが、子供達をあまり怒らない親父でしたが、2つのことを教わりました。
「仕事で人を差別をするな」
そして
「あいさつ されたら あいさつをしなさい 次からは、自分からあいさつをすること」
戦地から親類を頼って 田舎の見知らぬ土地で生活するようになった父親の閉鎖的な社会への適応術だったのかも知れません。
自分は、ビルの掃除のおばちゃんから、警備の人、オフィスの掃除にくる人にも
必ず挨拶をしています。
「おはようございます」
「ごくろうさまです」
たった二言です。
同じ仕事場の若い人は、そんな自分を
「知っている人ですか?」
と不思議そうにみていますが、少しずつ彼らもあいさつをするようになっているようです。
いい傾向ですね。
今日の処方薬のお時間です
今日の処方薬ですが、この2つを取り上げます。
たった一言でいい流れをつくる「あいさつ」の魔法
あいさつひとつであなたのイメージは大きく変わります。「芸能人はなぜ挨拶を大事にするのか」「あいさつ+一言で1ランクアップ」など、すべてのコミュニケーションの始まりである「あいさつ」の基本を元ANAのCAがわかりやすく解説。
Amazon批評欄より抜粋
そうです。芸能人があいさつを重要視していることには意味がある
当たり前のことなのに実は、大きな意味があることを知らない人が多いのです。
あらゆることが好転していく ご挨拶の法則―――リッツ・カールトン元支配人が教える Kindle版
本を読んだから あいさつをするというのも変な話ですが、しないよりは、したほうがいいと思います。
コミュニケーションの第一歩なのです。
まとめます。
では、今回の「心の処方箋」はここまでにします。
あいさつ いかがでした?
明日から、いいえ 今日から あいさつをしてみませんか?
あいさつしたから 何かが起こるなんて打算的に考えないで したいからする でいいんじゃないでしょうか