7月最後の週末、ツール・ド・フランス2026はついに名峰アルプ・デュエズ2連戦へ突入しました。その初日となった第19ステージ(ギャップ〜アルプ・デュエズ/127.9km)を制したのは、マイヨ・ジョーヌ(総合首位ジャージ)を着るタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツXRG)。ふもとで3分半以上あった逃げ集団との差を、たった一人で追い上げて呑み込む、圧巻の逆転区間優勝でした。
・ポガチャルがアルプ・デュエズで逆転勝利、今大会区間4勝目
・マイヨ・ジョーヌ着用のままアルプ・デュエズ制覇は2018年トーマス以来2人目
・カラパスが山岳ポイントを荒稼ぎし、マイヨ・ア・ポワ(山岳賞ジャージ)を奪取
・総合はポガチャルが2位エヴェネプールに7分11秒差。翌第20ステージ「クイーンステージ」で事実上の決着へ
コース紹介:短くも凶暴、21のヘアピンが待つアルプ・デュエズ
第19ステージは、アルプスの伝統的な経由地ギャップをスタートする127.9kmの山岳ステージ(獲得標高3500m)。130km足らずの短距離だからこそ、選手たちは序盤から爆発的なペースで飛ばしていきます。
コースはスタート直後からいきなり2級山岳コル・バイヤール(4.7km・平均7.2%)に取り付き、続けて1級山岳コル・ド・ノワイエ(7.2km・8.5%)が集団を苦しめます。ノワイエ山頂からは25kmを超えるロングダウンヒル(長い下り)と高台区間が続き、フィナーレ直前には2級山岳コル・ド・オルノン(5.4km・6.4%)が立ちはだかります。
そして真打が、全長13.8km・平均勾配8.1%のアルプ・デュエズ。21のヘアピンカーブ(つづら折れ)が名物で、残り6kmを切ると9〜11.5%の激坂が約2kmにわたって続く、まさに王道の頂上ゴール(超級山岳=HC)です。

区間優勝:ポガチャル、3分半差を消し去る独走劇
レースは序盤から42名の大逃げが形成され、山岳賞やステージ優勝を狙うクライマー(登坂を得意とする選手)が多数乗り込みました。カラパスとマルティネスがこの逃げの中で最も総合上位につけ、逃げは一時4分以上のリードを築きます。
最終決戦のアルプ・デュエズに入ると、逃げ集団からアレンスマンが残り12.5kmで先手のアタック(仕掛け)。マルティネス、クス、カラパスが前に出て主導権を握ります。一方、後方のメイン集団ではポガチャルが自らペースを上げ、サドルに座ったまま加速。エヴェネプールらライバルを一気に突き放しました。
ふもとで3分35秒あった逃げとの差を、ポガチャルはたった一人で削り取っていきます。残り7kmでアレンスマンを捕まえ、残り3kmを切ると先頭のカラパス、マルティネスを射程に。そして残り約900mで決定的なアタックを放ち、誰も追随できないまま独走でフィニッシュ。今大会区間4勝目を、ゴール前で4本指を掲げて祝いました。マイヨ・ジョーヌを着たままアルプ・デュエズを勝ったのは、2018年のトーマス以来わずか2人目という歴史的な一勝です。
1. T.ポガチャル(UAEチーム・エミレーツXRG)3時間17分57秒
2. L.マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス)+6秒
3. R.カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)+9秒
レースハイライトと注目トピック
■ ピーダスン、グリーンジャージ争いを大きく前進
マイヨ・ヴェール(ポイント賞ジャージ)を着るピーダスンは、逃げに乗って中間スプリント(ポイント地点)で満点の25点を獲得。ライバルのフィリプセンが序盤の上りで早々に脱落したこともあり、リードを57点まで拡大しました。
■ カラパスが山岳ポイントを荒稼ぎ、マイヨ・ア・ポワ奪取
逃げの中からすべての山岳で得点を重ねたカラパスは、山岳賞総合で首位のポガチャルを1点上回る91点に到達。ステージ表彰台(区間3位)と合わせ、水玉のマイヨ・ア・ポワ(山岳賞ジャージ)を新たに手にしました。
■ アルプ・デュエズで相次いだアクシデント
登坂中、エイネル・ルビオがUAEのチームカー(チーム車両)と接触して落車・リタイア。さらにヴィスマ・リースアバイクのエドアルド・アフィーニも大会を去ることになり、勝負どころで波乱が続きました。
各賞ジャージ・敢闘賞まとめ(第19ステージ終了時点)
- マイヨ・ジョーヌ(総合成績=GC):T.ポガチャル。2位エヴェネプールへのリードを7分11秒に拡大
- マイヨ・ヴェール(ポイント賞):M.ピーダスン。502点で2位に57点差
- マイヨ・ア・ポワ(山岳賞=KOM):R.カラパスが新たに獲得。91点でポガチャル(90点)を1点リード
- マイヨ・ブラン(新人賞):I.デル・トロ。2位セクサスに24秒差
- 敢闘賞(コンバティビティ):※確認中(本記事執筆時点で公式確定情報が未反映のため、J SPORTS公式リザルトで最終確認をおすすめします)
レース結果一覧(第19ステージ終了時点)
総合成績(マイヨ・ジョーヌ)トップ5
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | T.ポガチャル | UAEチーム・エミレーツXRG | 67:53:00 |
| 2 | R.エヴェネプール | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +7:11 |
| 3 | I.デル・トロ | UAEチーム・エミレーツXRG | +9:42 |
| 4 | P.セクサス | デカトロンCMA CGM | +10:06 |
| 5 | L.マルティネス | バーレーン・ヴィクトリアス | +13:00 |
チーム成績 トップ5
| 順位 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|
| 1 | リドル・トレック | 203:46:27 |
| 2 | UAEチーム・エミレーツXRG | +19:33 |
| 3 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +1:06:53 |
| 4 | デカトロンCMA CGM | +1:45:33 |
| 5 | チーム・ヴィスマ・リースアバイク | +1:49:23 |
山岳賞(マイヨ・ア・ポワ)トップ3
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | R.カラパス | EFエデュケーション・イージーポスト | 91 |
| 2 | T.ポガチャル | UAEチーム・エミレーツXRG | 90 |
| 3 | V.パレパントル | スーダル・クイックステップ | 84 |
ポイント賞(マイヨ・ヴェール)トップ3
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | M.ピーダスン | リドル・トレック | 502 |
| 2 | J.フィリプセン | アルペシン・プルミエテック | 445 |
| 3 | B.グリマイ | NSNサイクリング | 361 |
新人賞(マイヨ・ブラン)トップ3
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | I.デル・トロ | UAEチーム・エミレーツXRG | 68:02:42 |
| 2 | P.セクサス | デカトロンCMA CGM | +0:24 |
| 3 | L.マルティネス | バーレーン・ヴィクトリアス | +3:18 |
第20ステージ プレビュー:獲得標高5450m、真のクイーンステージ
翌7月25日(土)の第20ステージは、ル・ブール・ドワザン〜アルプ・デュエズの170.9km。1日の累積獲得標高は5450mに達する、今大会最大の「クイーンステージ(最難関山岳ステージ)」です。19日間かけて築かれた総合順位が、この1日でひっくり返る可能性を秘めています。
まず超級山岳コル・ド・ラ・クロワ・ド・フェール(全長24km)で消耗させられ、続いて1級テレグラフ(11.9km・7.1%)から超級ガリビエ(17.7km・6.9%)の連続登坂へ。ガリビエ山頂は大会最高標高2642mで、先頭通過者には「アンリ・デグランジュ賞」が贈られます。
さらに、今大会で初登場となる未知の超級山岳コル・ド・サレンヌ(12.8km・7.3%)を越え、最後はアルプ・デュエズを裏側から登坂。ラスト3.5kmで表側ルートに合流し、21のヘアピンのうち最後の3つを駆け上がってフィニッシュします。マイヨ・ジョーヌ争いは、ここで事実上決着する見込みです。


J SPORTS 放送・配信予定(第20ステージ)
第20ステージ ル・ブール・ドワザン〜アルプ・デュエズ(170.9km)
■ ライブ放送:7月25日(土)午後8:00 〜 翌午前1:00
/ J SPORTS 4・J SPORTSオンデマンド
■ 【現地実況・解説版】ステージ全編:午後6:05 〜 翌午前1:30
/ J SPORTSオンデマンド限定
■ 【60分 de ツール】(ダイジェスト):7月26日(日)午後2:15 〜 午後3:15
/ J SPORTS 1・J SPORTSオンデマンド
※本記事の順位・タイム・各賞は複数ソース(CyclingUpToDate、J SPORTS公式ほか)を照合して作成しています。敢闘賞は確認中のため、最終確定情報はJ SPORTS公式リザルトをご確認ください。放送時間は変更となる場合があります。