「恋愛?セックス?興味ないし、めんどくさい」
Z世代のリアルな声が浮かび上がる。
性に関心がないわけじゃない。ただ、“つながること”が難しすぎるのだ──。
SNSが、セックスから若者を遠ざけているとしたら?
目次
🧠Z世代のセックス離れ──データが示す静かな異変
2023年、米国の高校生のうち「セックス経験あり」と答えた割合は約30%。10年前は47%だったことを考えると、これは大きな減少だ。また、キンゼイ研究所の調査によれば、Z世代の約25%が「性行為の経験がない」と回答している。
これは「潔癖症だから」でも「性に興味がないから」でもない。若者たちはむしろ、強い性的関心や欲望を持ちながらも、“その一歩”を踏み出せずにいるのだ。
📱SNSとスマホが「欲望」を蝕む?
SNSが与える影響は決して小さくない。
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Instagramで他人と自分の身体を比較して落ち込む
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TikTokで恋愛やセックスに対する誤った期待値を植え付けられる
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デーティングアプリでの“価値測定”に疲弊する
米『Psychology Today』の2023年の論考では、「SNSが若者の“性的自己効力感”を損ない、他人との親密な関係への恐怖心を増幅させている」と報告されている。
Z世代は他者と比べすぎて、自分の身体、性、存在そのものに自信を持てない。性的な自己価値を否定されることで、セックスが“リスク”に変わるのだ。
💥「性」への不安を増幅する社会的要因
加えて、政治的・文化的な圧力もZ世代の心に影を落とす。
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中絶の権利を否定された「ロー対ウェイド」判決の覆し
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#MeToo後の同意と境界に対する極端な慎重さ
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数十億ドルを投じた“禁欲教育”の残滓
Z世代は性を「喜び」ではなく「社会的リスク」として捉えざるを得なくなっている。**「セックス=自己決定」ではなく「セックス=政治的・道徳的リスク」**という構図が若者を抑圧しているのだ。
🚫Z世代の「正直なつながり」が失われる理由
Z世代の多くは、セックスそのものではなく、「誰かとつながること」「弱さを見せられること」に困難を抱えている。恋愛や性が本来持つ“人間的なつながり”の側面が、SNSや政治によって歪められているのである。
特に、恋愛や性がSNS経由で「数値化」され、「競争」になってしまう現代では、「失敗」や「断られること」自体が恐怖の対象になる。「セックスしない方が楽」という消極的選択は、必然的な帰結でもある。
🔮希望はあるのか?Z世代が変えるセックス観
しかし希望はある。若者たちは「セックスを否定している」のではなく、「自分らしい性のあり方」を模索している。
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アセクシュアルの尊重
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セックスと合意に関する新しい教育
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SNSとの健全な距離感の模索
Z世代は、過去の世代よりも早く「寝室の外で起きることが、寝室の中にも影響する」ことを理解している。そしてそれは、未来のセックス観を前向きに変える力にもなり得るのだ。