ブエルタ・ア・エスパーニャ2026の第12ステージは、ベラ(Vera)からカラル・アルト(Calar Alto)までの166.6km、獲得標高4,500m超の本格山岳ステージ。厳しい暑さのなか、逃げ(ブレイクアウェイ)から抜け出した20歳のヤコブ・オムルゼル(バーレーン・ヴィクトリアス)が山頂フィニッシュで独走し、自身初のグランツール(3週間の大レース)勝利を掴みました。総合首位のエンリク・マス(モビスター・チーム)も最終登坂で攻撃を仕掛け、マイヨ・ロホ(総合首位の赤ジャージ)のリードをさらに広げています。
● 20歳オムルゼルが独走で初のグランツール勝利。スロベニア勢最年少のGT区間優勝記録を更新。
● 総合首位マスが最終登坂でアタック、ログリッチらに27秒差をつけ首位固め。
● 落車したオンリーが大きくタイムを失い、カラパスが総合4位に浮上。
コース紹介
アルメリア県を舞台に、序盤から中盤にかけては比較的平坦。しかし終盤にアルト・デ・ベレフィケ(Alto de Velefique)を越え、最後は標高2,153mのカラル・アルト天文台へと駆け上がる山頂フィニッシュ。獲得標高は約4,568mに達し、今大会でも屈指の「クイーンステージ(山岳の最重要日)」となりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日程 | 2026年9月3日(木) |
| 区間 | ベラ 〜 カラル・アルト |
| 距離 | 166.6km |
| 獲得標高 | 約4,568m |
| コース種別 | 山岳(山頂フィニッシュ) |
| フィニッシュ地点 | カラル・アルト天文台(標高2,153m) |
| 主な山岳 | アルト・デ・ベレフィケ 他 |

優勝者:ヤコブ・オムルゼル(バーレーン・ヴィクトリアス)
26名にまで膨らんだ逃げ集団から、最後の登坂で抜け出したのは今大会最年少のヤコブ・オムルゼル。残り13kmで仕掛けると、ウルコ・ベラーデ(エキポ・ケルンファルマ)を突き放して独走に持ち込み、そのまま4時間29分53秒でフィニッシュラインを通過しました。プロ2勝目にして、初のワールドツアー勝利・初のグランツール区間優勝という記念すべき一勝です。
20歳5か月13日という若さは、同郷の絶対王者タデイ・ポガチャルが持っていた記録を更新するスロベニア勢最年少のグランツール区間勝利。さらに1981年のセレスティーノ・プリエト以来となる、グランツール史上でも屈指の若さでの区間優勝となりました。総合成績(GC=ジェネラル・クラシフィケーション)でも一気に順位を上げ、トップ10入りを果たしています。
第12ステージ 結果(上位6名)
| 順位 | 選手 | チーム | タイム |
|---|---|---|---|
| 1 | ヤコブ・オムルゼル | バーレーン・ヴィクトリアス | 4:29:53 |
| 2 | ウルコ・ベラーデ | エキポ・ケルンファルマ | +1:56 |
| 3 | サンティアゴ・ブイトラゴ | バーレーン・ヴィクトリアス | +2:13 |
| 4 | アレクセイ・ルツェンコ | NSNサイクリング・チーム | +2:49 |
| 5 | マウリ・ファンセフェナント | スーダル・クイックステップ | +2:53 |
| 6 | エンリク・マス | モビスター・チーム | +2:56 |
レースハイライトと注目ポイント
逃げから飛び出した「ミニ・ポガチャル」
スタート直後から激しいアタック合戦が繰り広げられ、約30名の大きな逃げ(ブレイクアウェイ)が形成されました。この中には、ポイント賞のワウト・ファンアールト、山岳賞のサンティアゴ・ブイトラゴ、そしてこの日スタート時点で総合10位につけていたオムルゼルらが含まれていました。最大で7分もの差を得た逃げ集団は、最終盤のカラル・アルトで一気に絞られ、残った実力者の中からオムルゼルが独走。その走りは、2019年に同じ20歳でブエルタに初出場したポガチャルを彷彿とさせるものでした。
総合首位マスの「攻めの一手」
後方の総合争いでは、デカトロンCMA CGMが最終登坂でペースを上げて集団を破壊。フェリックス・ガルのアタックにマスとログリッチが反応すると、最も勾配のきつい区間でマスが自らアタックを仕掛けました。逃げから下りてきた僚友ラウル・ガルシア・ピエルナと連携して「休憩」を挟みながら登坂をこなし、ライバルに与えたリードを最後まで守り切る、まさにモビスターの戦術的マスタークラス(模範的采配)でした。
オンリー落車、白ジャージ争いが混沌
新人賞(白ジャージ)を着るオスカー・オンリーはこの日の序盤で落車。厳しい暑さのなか最終登坂で大きく遅れ、総合順位も5位に後退しました。一方、区間3位で好走したオムルゼルは新人賞でオンリーとの差をわずか30秒にまで縮め、若手同士の白ジャージ争いが一気に熱を帯びています。
各賞(ジャージ)の状況
マイヨ・ロホ(総合首位・赤):エンリク・マス
2位ログリッチとの差を1分45秒に拡大。終盤のタイムトライアル(TT)を控え、首位を守るうえで重要なリードを築きました。
ポイント賞(緑):ワウト・ファンアールト
この日も中間スプリントで先頭を取り、2位に大差をつけて独走状態。緑ジャージは盤石です。
山岳賞(水玉):サンティアゴ・ブイトラゴ
逃げに乗って山岳ポイントを積み増し、2位ファンアールトとの差を52ポイントに拡大しました。
新人賞(白):オスカー・オンリー
落車の影響で首位は守ったものの、2位オムルゼルとの差はわずか30秒。残り数ステージで逆転の可能性も出てきました。
敢闘賞(コンバティビティ):※確認中
現時点で複数ソースでの確認が取れていません。確定情報は公式サイト(lavuelta.es)およびJ SPORTS公式でご確認ください。
レース結果一覧(第12ステージ終了時点)
総合成績(GC)トップ5
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | エンリク・マス | モビスター・チーム | 40:31:51 |
| 2 | プリモシュ・ログリッチ | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +1:45 |
| 3 | フェリックス・ガル | デカトロンCMA CGM | +2:06 |
| 4 | リチャード・カラパス | EFエデュケーション・イージーポスト | +3:53 |
| 5 | オスカー・オンリー | ネットカンパニー・イネオス | +4:29 |
チーム総合成績 トップ5
| 順位 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|
| 1 | デカトロンCMA CGM | 121:56:03 |
| 2 | バーレーン・ヴィクトリアス | +1:06:11 |
| 3 | ネットカンパニー・イネオス | +1:06:31 |
| 4 | XDSアスタナ・チーム | +1:11:06 |
| 5 | EFエデュケーション・イージーポスト | +1:13:52 |
山岳賞(キング・オブ・ザ・マウンテン)トップ3
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | サンティアゴ・ブイトラゴ | バーレーン・ヴィクトリアス | 52 |
| 2 | ワウト・ファンアールト | ヴィスマ・リースアバイク | 30 |
| 3 | エンリク・マス | モビスター・チーム | 24 |
ポイント賞 トップ3
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | ワウト・ファンアールト | ヴィスマ・リースアバイク | 194 |
| 2 | マシュー・ブレナン | ヴィスマ・リースアバイク | 117 |
| 3 | アレッサンドロ・ロメーレ | XDSアスタナ・チーム | 96 |
新人賞(ヤングライダー)トップ3
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | オスカー・オンリー | ネットカンパニー・イネオス | 40:36:20 |
| 2 | ヤコブ・オムルゼル | バーレーン・ヴィクトリアス | +0:30 |
| 3 | レオ・ビジオー | デカトロンCMA CGM | +11:39 |
第13ステージ プレビュー
第13ステージは、逃げ切りが決まりやすいと予想されるステージ。総合争いはやや落ち着く見込みですが、ポイント賞のワウト・ファンアールトら逃げ巧者が勝利を狙う一日になりそうです。総合首位マスがどこまでマイヨ・ロホを安定して守れるかにも注目が集まります。

J SPORTS 放送予定
| ステージ | 放送日時(生中継) |
|---|---|
| 第13ステージ | 9月4日(金)午後9:50 〜 深夜2:20 |
| 第14ステージ | 9月5日(土)午後9:50 〜 深夜2:20 |
| 第15ステージ | 9月6日(日)午後9:50 〜 深夜2:20 |
※放送はJ SPORTS 4/J SPORTSオンデマンドにて全ステージ生中継・ライブ配信。放送時間は変更される場合があります。最新情報はJ SPORTS公式サイトでご確認ください。