新宿の恋 第5話「サトミ」
この物語は、昭和57年(1982年)、20歳の大学生・神原タツヤ(偽名)が、父親の死によって金を稼ぐために新宿のバーでバイトを始めたときから始まる。
バーで出会った謎の女性レイコをきっかけに、多くの大人たちや女性と関わることで、俺は大人へと成長していく――。
実際にあった出来事に、多少の演出とエロチックな要素を加味した、半分ドキュメンタリー、半分フィクションの奇妙な物語だ。1982年、昭和の東京・新宿。
父を亡くし、バーでバイトをしながら大学に通う20歳のタツヤ。謎めいた年上の女性レイコから性愛の手ほどきを受けた彼は、手紙を交換していた女子大生サトミとの初デートに臨む。上野の美術館で手を繋ぎ、後楽園の遊園地で距離を縮め、やがて二人は高級ホテルの一室へ。携帯電話もSNSもない時代だからこその、五感で感じ合う濃密な一日が始まる。
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これまでのお話
新宿のバーでバイトを始めた俺は、バーで出会ったレイコという年上の女性に童貞を捧げ、彼女から性技のレッスンを受けることになった。
レイコとの逢瀬
これから、セックスには困らないだろうと、ぼんやり考えていた。
その日もバイトのバーに出勤し、いつもの一日が始まる。マスターは何か知っているようだったが、何も言わなかった。
翌週の週末、レイコは再び店に現れた。相変わらず年齢不詳の雰囲気だが、どこか若々しくなった気がする。
「明日、お休みでしょう」
こうして、週末はレイコと過ごすことになった。
レイコとのセックスは、性愛のマナーとテクニック、接し方、心理的なことまで徹底的なものだった。最初のときのように中に出すことはなく、必ずコンドームを使うことを厳しく教えられた。
「男の身勝手で傷つくのは女なのよ。必ず避妊をしなさい」
毎週土曜日の昼、レイコとホテルでセックスのレッスンと逢瀬を楽しむ日々。最初は受け身だった俺も、徐々にレイコを毎回絶頂に導けるようになっていった。
ある日、手紙を交換していた女子大生のサトミと飲みに行く約束をした。そのことをレイコに話すと、
「タツヤは、大人としてのマナーを身につけているんだから頑張りなさい。
それと、あれ(コンドーム)を忘れずに」
少し寂しそうに言った。
心のどこかで、この関係が終わりそうな気がしていた。
サトミ
サトミとのデート当日。
その日は深夜2時までバーでのバイトをし、帰りにサウナで汗を流して仮眠を取った。新宿は35年前でも不夜城だったので助かる。
10時、新宿駅で待ち合わせ。携帯電話もない時代だから、必ず会えるとは限らない。10分前に待ち合わせ場所に到着すると、サトミはすでに来ていた。
季節は初夏。Tシャツにジーンズ、スニーカー。大きな胸がTシャツを苦しそうに持ち上げている。レイコとの性愛レッスンのおかげで、俺には少し余裕があった。
「美術館行きたい」
サトミは自分の意見をはっきり言う。俺の好みの女性だった。
「上野の美術館に行こう」
山手線で移動する。当時はSuicaなどなく、切符を購入して乗った。俺の右側を並んで歩く彼女は、自分の一番美しく見える顔をこちらに向けている。今日はすべて彼女を右に見て歩こう。人は無意識に自分をよく見せようとするものだ。ここは重要なポイントだ。
上野の美術館は特別展が開催されているらしく、長い列になっていた。
「混んでるね」
サトミの額に汗が光っている。
「よかったら、これ使って」
持っていたタオルを広げ、日陰になるようにかけてあげる。
「ありがとう」
サトミは快くタオルを受け取り、頭の上にかけた。
「ちょっと臭うかな?」
「そんなことないよ」
タオルは清潔だったが、俺の牡の匂いが残っていたかもしれない。匂わない匂いというものがある。人も動物だ。雌の匂い、ここではフェロモンと言うべきだろう。その匂わない匂いが、性を刺激する。
数時間後、ようやく美術館の中に入れた。エアコン(当時は冷房)の風が気持ちいい。展示コーナーはどこも混んでいて、絵を観るというより人に流される。
「離れ離れにならないように」
ここで、サトミの手を握った。
人の流れに流されないように、しっかりと手を握り合う。今のようにスマホで簡単に連絡が取れる時代ではない。離れ離れになったら合流するのはかなり大変だ。ゆっくり鑑賞することもなく、人混みに追い出されるように美術館を出ることになる。
サトミの体温が手から伝わり、心臓の鼓動まで感じるようだった。喉が渇いていたので、個人経営の小さな喫茶店に入る。
しばし休憩。汗で濡れたサトミのTシャツから下着が透けて見えていることに気づく。男のものが反応するのを自覚した。
アイスコーヒーの氷をストローで遊びながら、サトミが言った。
「今日、時間ありますか?」
「大丈夫だよ。夜も空いてるよ」
「後楽園に行こうか?」
当時、ディズニーランドはまだない。遊ぶ場所といえば遊園地か、渋谷で買い物ぐらいしか思いつかなかった。
遊園地に入場し、ソフトクリームを食べてクールダウン。お腹が空いたのでファミリーレストランで遅めの昼食を取る。高級レストランではないが、サトミは楽しそうだった。
ジェットコースター、コーヒーカップ、お化け屋敷で遊んだ。お化け屋敷ではキャアと悲鳴をあげ、俺がきつく抱きしめても抵抗はなく、むしろさらに強くしがみついてきた。
興奮する体験を共有するのは、男女の仲を近づける。その証拠に、サトミは腕を組んで歩くようになった。Tシャツの奥の胸が右腕に感じられる。
そろそろかな。
頭の中にその後のストーリーが展開し始めていた。若いとはいえ、夏の遊園地で疲労が溜まってきたのがわかる。
「休憩しようか?」
ダメ元で聞いてみた。
「いいよ」
休憩の意味を勘違いしていないのか、少し疑問だったが、
「じゃあ、少し贅沢しよう」
サトミの手を引いてタクシーに乗り込んだ。
「どこ行くの?」
少し不安そうな彼女だったが、
「大丈夫。任せて」
タクシーの行き先は、レイコとの逢瀬に使っているあの有名なホテルだった。事前にレイコには「使うかも」と許可を取ってある。
「こんな格好じゃ……」
場にそぐわないのは明らかだった。
「大丈夫、大丈夫」
レイコとのセックス講習で何度も訪れているので、ドアマンも俺の顔を知っている。快く歓迎され、喫茶室でゆっくりくつろぐ。
後楽園の喧騒からクラシックのかかる空間に、サトミは戸惑っていた。
「こんなところ、大丈夫?」
心配そうな声。
「大丈夫。夜のバイトは割がいいんだ」
(代金はレイコが――)
そう言えば、レイコとのセックス講習でお小遣いをもらったことは一度もない。対等な関係を守るためと、「カネの絡むセックスは愛がない」というレイコのポリシーらしい。
ウェイターからメモが渡される。
『部屋を使うときは、私の名前を使っていいわ』
『GOOD LUCK』
レイコらしいな、と苦笑する。
サトミは、これから起きることに覚悟しているのか、緊張が伝わってくる。
「サトミ、君が好きだ。君がほしい」
手を取って小声で話すと、
「はい」
と小さな声で答えた。
ホテルの部屋で
部屋に着くまで、サトミは無口だった。右手にしがみついていたが、小さく震えている。
部屋に入ると、高層階で見晴らしがいい。サトミは窓際に立ち、
「素敵……」
背後から抱きしめて口づけをする。少し遠慮しながら応じてくる。舌を差し入れると、最初は躊躇しながらも応じてきた。
背中を優しく撫でると、甘い声が漏れた。
「汗臭いから、ごめんなさい」
「それは俺も同じだ」
「シャワー浴びたい」
サトミがシャワーを浴びている間に、枕元にコンドームを隠す。
『最初はさりげなく、パートナーに無理強いしない』
レイコの言葉が頭の中にリピートされる。セックス講習のおかげで、俺は冷静を保っていた。
シャワーを終えてサトミはバスローブを羽織って出てくる。肌触りのいい清潔なバスローブが嬉しそうだ。俺もシャワーを浴び、汗に濡れた身体を洗い、頭も洗う。男のものは熱り立っているが、何度もレイコと交わった経験があり、余裕があった。
バスタオル一枚で浴室を出る。カーテンが引かれ、部屋は薄暗かった。サトミはバスローブのまま俺を迎えて抱き合う。深くキスを交わすと甘い吐息が溢れ、身体が反応する。そのままダブルベッドに移動。
サトミの左側に位置し、左手を彼女の首の下に回して抱き寄せ、キスを続ける。右手をバスローブの合わせ目へ。合わせ目から手を入れて、直に背中を愛撫する。腰をくねらせ、抱きついてくる。左手は彼女の頭を撫でることを忘れない。背中の手は羽のようになで上げる。
反応を楽しむようにバスローブを脱がし、何もまとわない姿にした。みずみずしい肌が愛撫の手を跳ね返す。キスを繰り返し、胸を周りからなで上げる。優しく、強く、でも先にはまだ触らない。
乳首が尖ってきたのを見て、口で転がすように愛撫する。反応が激しくなり、右手を彼女の芯に向かわせる。薄い茂みを感じたところで身体を起こし、サトミの裸身を見る。スポーツをやっているのか、脇腹に余分な脂肪が乗っていない。
茂みに伸ばした手を、女の芯に降ろしていく。小さな突起らしき膨らみを過ぎて、深い溝に指を這わせる。
「はぁぁ……」
息を吐いてサトミは喘ぎ始める。
サトミの芯に舌を這わせる。脚を閉じて抵抗しようとしたが、すぐになくなった。下から上にゆっくりと優しく。舌が触れるとビクッと反応した。
サトミの女の芯は薄いピンク色で、ピタッと閉じている。舌を割れ目に沿って舐め上げていると、少しずつ変化が生じてきた。ぬるっと舌が湿り気を感じ、喘ぎ声は激しくなり、腰を動かし始める。
「キスして……」
要求に応え、激しく舌を絡める。感じているのが背中に回した手の力でわかる。
舌で探り合い、唾液を交換しながらサトミの芯を触る。泉が溢れ、指が滑り込むように吸い込まれる。そろりと中指を滑り込ませる。
「ああ……いい……だめぇ……」
サトミの首筋が赤く染まる。感じている証だ。
「触ってくれる?」
自分の男の根を触らせる。
「かたい……」
おそるおそる細い指で男を掴んだ。
お互いがよく見えるように対面に座り、キスをしながら彼女の膨らみを外側から円を描くように中心に向かって近づいていく。
「いぃ……」
小さな声を漏らす。握られた男のものは、これ以上膨張できないぐらいに熱り立っている。
『もう少し感じさせてから』
サトミを仰向けにして再び華芯に近づく。よく見えるように脚を持ち上げた。最初のときの抵抗はない。幾度かの刺激に濡れそぼり、花弁は開いている。溢れ出ている液を舌ですくい、先にわざと刺激しなかったその部分を探す。包皮から顔を出し震えているものを口で覆う。
「ひっ……」
声が聞こえる。強くしないように優しく舌でタッチすると、ビクッと腰が震えた。少しずつ慣らすように刺激を続けると、これまでと違う反応が出てきた。腰が震え、脚を強い力で閉じてくる。
左手で胸、右手の指で溢れる泉を泳がせ、唇で包皮から飛び出した突起を刺激する。
「おかしくなりそう……」
声が大きくなっていく。
「だめ……おかしくなりそう……」
腰が不規則にせり上がり、脚が小刻みに震えている。このタイミング。
華芯への愛撫を止め、サトミを上から抱きしめる。口づけをすると、背中に回した腕に力が入る。
「入れるよ」
耳元で囁くと、
「はい」
と返事が返ってくる。
唇を離し、開いているサトミの脚の間を確認する。間接照明に照らされた女の華の真ん中は、ぬらぬらと濡れて光っている。入り口はクンニしたときに確認しているので外すことはない。
熱り立った男のものをあてがい、ゆっくりと推し進める。十分に濡れていて準備はできていると思った。
入口で強く抵抗を感じた。
「力を抜いて。安心して」
ここでレイコの言葉が蘇る。
『男の身勝手で傷つくのは女なんで、必ず避妊をするように』
そうだ、コンドームを付けるのを忘れている。欲望を優先してしまったのを反省する。枕元に隠したコンドームを探し当て、カウパーでぬるぬるなものに手早く被せる。
根本までキッチリ覆われたもので女の中芯を探り当て、ゆっくりと推し進める。強い抵抗の壁を押し開け、ぬるぬると沈める。強い締め付けを通り抜けると、暖かい壁に締め付けられる。
「あぁ……タツヤさんが入ってる……」
声を出したサトミは、腰を揺らして男を奥に導こうとしている。多分、無意識な行動だ。
「サトミ、気持ちいいよ」
強く抱きしめてキスをする。積極的に舌を絡めて互いの唾液を吸いまくる。舌の絡み合いほどいやらしいものはない。少しずつ、律動を開始する。
互いの陰毛が擦れ合い、サトミの陰核を圧迫するように動かす。男のものは女の陰部の奥で暖かい壁にこすられ、奥から出てくる熱い液体が摩擦を緩和する。神経を男のものに集中すると、何者かが先のカリを掴んで奥に引っ張っているようだ。その力に抗い、引く。
「ひっ……」
声にならない声を叫び始めるサトミ。女口の入口近くまで引き抜き、少し間をもって奥まで一気に突き入れた。
「あぁ……奥まで満たされる……」
そう、セックスは満たされる。肉体的にも、心まで満たされる。セックスで大事なのはテクニックだけではないし、肉体的なものだけでもない。
気持ちが通じ合っていなければ、本当に感じることはない。レイコとのセックス講習は回数を重ねるごとに信頼ができ上がっているが、気持ちは恋や愛ではない。今繋がっているサトミとは、心まで繋がっているのだろうか。
性器を擦り合い、快感が高まっていく。高級ホテルのダブルベッドの上で獣のように声を出している。性器は繋がり、奥に奥に導かれ、擦れ合い、快感のポイントを探る。
サトミの呼吸が激しくなり、身体から震えるような感覚が伝わる。
「あ……」
短い声を上げて腰を中心に痙攣し、男のものを締め付ける。腰に回された腕が自分を引き付け、逃さない。
『逝ったのか?』
痙攣し、背中を反らし、息を止めている。10秒ほど痙攣が続き、腰を突き上げて性器をこれでもかというほどこすりつける。精を放つタイミングを逸した。男のものは、弛緩してくる膣の感触を感じる。
「恥ずかしい……」
手で顔を覆ったサトミの手をどけて唇を合わせる。
「気持ち良かった」
唇を楽しみながら、サトミは息を整え始める。
「タツヤさんのが、まだ入ってる……」
自分のものは、まだサトミの中で屹立を保っていた。少し息を整えて、
「こうしてみよう」
ぐったりと息を整えているサトミを引き起こし、繋がったまま対面座位でお互い向き合う。
「とても素敵だよ」
彼女はしがみついてきて、舌を絡み合わせる口づけが続く。下半身の男のものは再び活力をみなぎらせ、サトミの中でうごめいている。
「あっ……奥まで感じる……」
一度落ち着いてきた快楽のカーブが上昇を始めたようだ。自分から腰を動かし、そのスポットを探っているようだ。背中を愛撫すると甘い吐息を漏らして大きくのけぞる。
「一緒に逝きたい……」
彼女の切ない望みを叶えるため、下から突き上げた。
「あああ……もっと……」
律動が激しくなり、サトミを支えきれなくなってきたので再び正常位に。脚と両腕が腰に絡みついてくる。
『もう我慢することはない』
激しく性器を擦り、部屋に肉のぶつかる音が響く。自分の下の彼女は背中に爪を立て、シーツを掴み、狂おしいほど喘いでいる。
「逝く……逝くのぉ……」
腹部が痙攣し、背中が大きく反っている。サトミの中は激しくうねり、奥に奥に引き込もうとしている。
「いくぞ」
「うん……逝くわ……」
自分を抑制することはない。サトミの首に腕を回し、せり上がらないようにして律動のピッチを上げる。叫声が響きわたり、彼女の快感指数が上昇していく。
「ああああ……なにかハジケそう……」
カラダが震えて腰を迫り出した。
「出すよ」
「うん……」
尿道に精が駆け上がり、頭の先から強烈な快感の嵐が吹き荒れる。
「ぐぉぉ……」
声にならない声をあげ、サトミを強く抱きしめる。コンドームの中に大量に精が放出される。一度ではなく、すべてを出し尽くすまで数度にわたりドクッドクッと放出するたびに、快感の電気が走る。
これ以上ないぐらい抱きしめ、サトミは激しく腹部を痙攣させている。快楽の底から振り絞るように声が聞こえてくる。
「暖かい……」
サトミはまだ快感の海に漂っている。口づけを交わし、互いの性器を外してサトミの上から降りる。コンドームの中に放った性液が溜まっているのが確認できる。
コンドームを外し、ティッシュを探して充てがって拭う。余韻に浸っているサトミの背後から抱きしめて、耳元で囁く。
「とても気持ち良かった」
「私も……」
背後から胸を優しく愛撫すると、一度落ちてきた快楽指数が上昇していく。
「またしたくなっちゃう……」
「いいんだよ。何度でもサトミを感じさせたい」
「お水飲みたい……」
備え付けの冷蔵庫から冷えた水を取りに行き、サトミに渡す。冷たい水が熱くなった身体の中に飲み込まれていく。獣のように声を絞り出し、肉体をぶつけ合い、快楽を貪り尽くしたのだから、クールダウンが必要だ。
精を吐き出した男のものをサトミは握っている。サトミの身体を横から抱きしめて、背中を触るか触らないかくらいで愛撫する。一度落ちかけた快感指数は再び上昇し始めたようだ。握られた男のものは細い指で上下に刺激され、熱り立ち始める。
「大きい……」
セックスの先生であるレイコの声が聞こえてきた。
『女の欲望にはきちんと答えなさい』
背中の愛撫を続けると、サトミの身体がのけぞるように反応する。抱き合った腕に力が入り、臀部を抱えるようにして脚をサトミの股間に押し付ける。太腿にぬるっとした感触。太腿で刺激を続ける。
「ここほしい……」
握られた男のものを欲しがるサトミが愛おしい。
『人は、一度理性の壁を越えたら、もうタブーはない。セックスも壁を越えたら恥ずかしさより欲望に素直になるものよ』
レイコの言葉を思い出す。サトミは男のものを丁寧に、そして強くしごき始める。彼女の股間からにじみ出てくる液体が自分の太腿をぐっしょりと濡らしている。
優しく口づけを交わしていると、
「舐めてみたい……」
と耳元に囁くようにつぶやいてきた。黙ってうなずき、仰向けになる。
サトミは上になると股間に顔を寄せて、しばらく男のものを観察しているようだ。さすがに恥ずかしい。
男のものの根本が掴まれたと思ったら、先っぽにちろっと感触がある。
「不思議な味……」
先走りの汁が出ているのを舐めたようだ。猫がミルクを飲むようにチロチロと刺激される。薄暗いホテルの部屋にピチャピチャと音が鳴り響く。サトミは少しずつ大胆な行動を取り始めた。
男のものを口で包み込み、奥まで飲み込もうとしている。最初は遠慮しつつ、少しずつ大胆に口の中のものを舌で刺激してくる。慣れないため時々歯が当たるけど、一生懸命になっている彼女が愛おしい。
「上から来てごらん」
コンドームを付ける作業をサトミは興味深そうに見つめていた。装着を確認すると上に跨がり、男の部分を濡れそぼる女の谷に導く。熱り立った男の先端から根本まで暖かい感触に包まれた。
「入った……」
そうつぶやいたサトミは、腰を深く落とし、感じる場所を探るように腰を動かす。サトミのなかは熱く蠢いている。先端がコリッとした部分を感じた。
「そこっ……」
低い声を上げてサトミは苦しそうに声を出す。性器を擦り合わせ、どこまでが自分のものでどこまでがサトミのものかわからない。自分の上でサトミは喘いでいる。下から胸を掴んだ。
「あっ……いい……つらい……」
耐えきれなくなって身体を倒してくる。彼女を抱きしめ、下から突き上げた。
「あっ……だめぇ……」
サトミの声が響き、上体を倒してきた。背中を優しく撫でると身体を震わせ、しがみついてくる。
「奥まで来ているのがわかる……」
下から律動を続けるとさらに呼吸が荒々しくなり、男のものを締め付けてくる。
「おかしくなりそう……」
サトミの身体の震えで終局が近いことがわかる。繋がったまま身体を入れ替え、膝裏を掴み性器の圧迫を強める。奥深くまで男のものを叩き込むように律動を繰り返す。
「おなかの奥まで響くぅ……」
男のものを抜き差しするたびに愛液が溢れ出し、ベッドまで濡らしている。サトミの身体がずり上がらないように肩を捕まえて律動を繰り返す。
「あぁぁ……」
首がのけぞり、弓のように身体がしなり、性器をぐりぐりと押し付けてくる。腰を掴み子宮口を圧迫するように最深部まで押し込むと、尿道から熱い精が駆け上がるのを感じた。頭の中が電気ショックを受けたように痺れて快楽が走り抜ける。
「出すぞ」
と声を出すことで意識を失うのをこらえて先端から――
「きてぇ……」
サトミはガクガクと反応し、背中に回した腕で強く抱きしめられた。
汗にまみれた互いの身体を密着させて、余韻が過ぎるまでしばらく抱き合う。少しずつ波が去っていくのを感じて口づけを交わすが、サトミは放心状態で反応が弱い。
コンドームが抜け落ちないように根本を押さえて引き抜くと、真っ赤な女陰が呼吸をするように抜いた穴を収縮して扉を閉じるのを目にする。何か別の生き物のような感じがする。
精を放ったコンドームには、大量の性液が溜まっている。ティッシュを探し、コンドームを処理してサトミを抱きしめて囁く。
「すごく気持ち良かった」
「頭が混乱している……」
と唇を貪るように合わせてきた。
「こんなになったのは、はじめて……」
と顔を赤らめて囁くと、胸に顔をうずめてきた。
「サトミがとても愛おしいから感じたんだ」
「タツヤさん……」
シャワーを浴びてバスローブになってミネラルウォーターを飲む。少し前まで絡み合っていたベッドは、その行為の激しさを物語っていた。
少し休憩をとってホテルを後にする。
「また……したい」
サトミは用事があるといって、別々の電車に乗って帰る。今と違い、スマホなどなく携帯電話もない。次に会うのはいつなのか。
セックスの先生であるレイコとの学習の成果は、十分だったということがわかった。
次回予告
サトミとの熱いセックスで自信をつけたタツヤは、マスターから不思議なことを頼まれる。
次章 新宿の恋 お楽しみに