灼熱のアンダルシアを舞台にしたブエルタ・ア・エスパーニャ2026 第17ステージは、大会屈指の平坦コース。逃げた2名を最後まで泳がせつつも、最後はスプリンター(短距離決戦を得意とする選手)の争いに収束し、21歳の英国人マシュー・ブレナンがまたも勝利をさらいました。翌日には総合順位を大きく揺るがす個人タイムトライアル(個人TT)が控え、レースはいよいよ最終盤へと突入します。
POINT 1 ブレナンが驚異のステージ5勝目。ヴィスマは1グランツール7勝のチーム新記録を達成。
POINT 2 逃げのエンゾ・パレニがゴール手前3kmで吸収されるも、この日の敢闘賞を獲得。
POINT 3 総合首位エンリク・マスは集団内で無難にフィニッシュ。赤いリーダージャージを堅持したまま、運命の個人TTへ。
コース紹介
セビリア県の街ドス・エルマナスをスタートし、アンダルシアの州都セビリアへと向かう185kmのフラットステージ。獲得標高はわずか約930mで、カテゴリー山岳(ポイントの付く登り)が一つも設定されていない、今大会で最も平坦なコースです。中間スプリントはサン・ホセ・デ・ラ・リンコナダに置かれ、勝負どころは広く直線的なセビリア市街のフィニッシュ。展開が大きく動きにくく、スプリンター有利のレイアウトでした。
| ステージ | 第17ステージ |
|---|---|
| 区間 | ドス・エルマナス → セビリア |
| 距離 | 185km |
| コース種別 | 平坦(今大会最もフラット/カテゴリー山岳なし) |
| 開催日 | 2026年9月9日(現地) |

ステージ優勝:マシュー・ブレナン
勝ったのはマシュー・ブレナン(チーム・ヴィスマ|リースアバイク)。21歳の英国人は、ゴールまで残り約300mから鋭くスプリントを開始し、ヨルディ・メーウス、そして今季限りで引退するマグヌス・コルトを抑えて先着。タイム4時間07分15秒でフィニッシュしました。
これはグランツール(3週間の大規模ステージレース)デビューイヤーながら今大会5勝目。マノスク、ロケテス、ロルカ、ラ・ラビダに続く快挙で、これまで挑んだ集団スプリントを全て制している圧巻の勝率です。チームとしても、ワウト・ファンアールトの2勝と合わせて1つのグランツールで7勝を挙げ、ヴィスマの1グランツール最多勝記録を更新しました。
レースハイライト
スタート直後、エンゾ・パレニ(グルパマ・エフデジ・ユナイテッド)とシヌエ・フェルナンデス(ブルゴス・ブルペレBH)の2名がアタック(飛び出し)して先頭へ。序盤1時間で43.9kmを走破し、一時はリードを5分15秒まで広げます。しかしスプリンターを擁するチームが牽引を分担し始めると、逃げのタイム差は着実に削られていきました。
終盤、パレニは相棒を振り切って単独逃げ(ソロブレイクアウェイ)に持ち込みますが、ヴィスマとコフィディスが率いる集団の猛追の前に、残り約3kmで吸収。最後まで攻め続けたパレニには、この日の敢闘賞(コンバティビティ賞)が贈られました。集団では、ファンアールトが残り4kmで飛び出しを潰す“消火活動”をこなし、エースのブレナンを完璧なリードアウト(発射台となる先導)へと導きました。
▼ 注目のトピック
①「運命の個人TT」へ 総合首位マスの2位フェリックス・ガルへのリードは2分06秒。だが3位プリモシュ・ログリッチとの差はわずか4秒しかなく、TTを得意とするログリッチの逆転が現実味を帯びています。
② ポイント賞はヴィスマ内対決 緑のジャージを争うのは同僚のファンアールトとブレナン。ブレナンがステージ優勝で50点を獲得し、その差は56点にまで縮まりました。
第17ステージ終了時点の各賞
ブエルタのリーダージャージは、ツール・ド・フランスの黄色(マイヨ・ジョーヌ)とは異なり、赤の「マイヨ・ロホ(La Roja)」です。主要4賞に敢闘賞を加えた、現時点のジャージ着用者は以下の通り。
| 賞(ジャージ) | 着用者 |
|---|---|
| 総合(マイヨ・ロホ/赤) | エンリク・マス(モビスター) |
| ポイント賞(緑) | ワウト・ファンアールト(ヴィスマ) |
| 山岳賞(青の水玉) | サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス) |
| 新人賞(白) | オスカー・オンリー(ネットカンパニー・イネオス) |
| 敢闘賞(本ステージ) | エンゾ・パレニ(グルパマ・エフデジ・ユナイテッド) |
レース結果一覧
■ 総合成績(トップ5)
| 順位 | 選手(チーム) | タイム/差 |
|---|---|---|
| 1 | エンリク・マス(モビスター) | 60:09:44 |
| 2 | フェリックス・ガル(デカトロン CMA CGM) | +2:06 |
| 3 | プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +2:10 |
| 4 | リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト) | +4:24 |
| 5 | オスカー・オンリー(ネットカンパニー・イネオス) | +5:44 |
■ チーム総合成績(トップ5)
| 順位 | チーム | タイム/差 |
|---|---|---|
| 1 | デカトロン CMA CGM | 180:49:41 |
| 2 | XDS アスタナ | +57:32 |
| 3 | バーレーン・ヴィクトリアス | +1:11:15 |
| 4 | EFエデュケーション・イージーポスト | +1:14:12 |
| 5 | グルパマ・エフデジ・ユナイテッド | +1:14:27 |
■ 山岳賞(トップ3)
| 順位 | 選手(チーム) | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス) | 69 |
| 2 | ワウト・ファンアールト(ヴィスマ) | 40 |
| 3 | エンリク・マス(モビスター) | 24 |
■ ポイント賞(トップ3)
| 順位 | 選手(チーム) | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | ワウト・ファンアールト(ヴィスマ) | 295 |
| 2 | マシュー・ブレナン(ヴィスマ) | 239 |
| 3 | アレッサンドロ・ロメレ(XDS アスタナ) | 171 |
■ 新人賞(トップ3)
| 順位 | 選手(チーム) | タイム/差 |
|---|---|---|
| 1 | オスカー・オンリー(ネットカンパニー・イネオス) | 60:15:28 |
| 2 | ヤコブ・オムルゼル(バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:30 |
| 3 | レオ・ビジオー(デカトロン CMA CGM) | +10:41 |
次ステージ・プレビュー(第18ステージ)
第18ステージは、エル・プエルト・デ・サンタ・マリアからヘレス・デ・ラ・フロンテーラへ向かう個人タイムトライアル(個人TT)。総合争いを一変させかねない“決戦の時計”です。首位マスと3位ログリッチの差はわずか4秒。TTを圧倒的な武器とするログリッチが、赤いジャージを奪い取れるか。マスにとっては悲願の初グランツール制覇へ、最大の関門となります。

J SPORTS 放送予定
日本国内ではJ SPORTS(衛星放送「J SPORTS 4」)およびJ SPORTSオンデマンドで全ステージを生中継・ライブ配信。ここからの主要放送予定は以下の通りです(いずれも日本時間・生中継の目安。終了時刻は編成により前後します)。
| 日付 | 内容 | 放送開始 |
|---|---|---|
| 9/10(木) | 第18ステージ(個人TT) | 21:50〜 |
| 9/11(金) | 第19ステージ | 21:50〜 |
| 9/12(土) | 第20ステージ | 21:50〜 |
| 9/13(日) | 第21ステージ(最終・グラナダ) | 23:10〜 |
※放送・配信時間は変更される場合があります。最新の編成はJ SPORTS公式サイトで必ずご確認ください。