ブエルタ・ア・エスパーニャ2026第11ステージは、カルタヘナからロルカまでの153.8kmの平坦(へいたん)コースで行われ、スプリンターたちの数少ない見せ場となりました。チーム・ヴィスマ・リースアバイクのマシュー・ブレナンが、ワウト・ファンアールトの完璧なリードアウト(発射台役の牽引)から鋭く抜け出し、今大会3勝目をマーク。総合首位のエンリク・マスは集団内で無難にゴールし、マイヨ・ロホ(赤/総合リーダージャージ)を守りました。
3行まとめ
- マシュー・ブレナンが完璧なリードアウトから抜け出し、今大会3勝目
- ワウト・ファンアールトが牽引・ポイント・山岳と八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍
- 総合はエンリク・マスがマイヨ・ロホを堅持、上位に変動なし
コース紹介
スタート地点のカルタヘナから約40kmは地中海沿いを走り、序盤に2つの小さな登り(1.8km・平均5.5%/2.4km・平均4.7%)が配置されました。内陸のトタナに入ると、この日唯一の山岳ポイントアルト・デ・アレド(3級山岳)が登場。頂上からゴールまでは約29.5kmの平坦基調で、スプリンター向きのレイアウトです。ただしゴール手前450mに鋭角の左コーナーがあり、位置取りの重要な一戦となりました。
| 区間 | カルタヘナ → ロルカ |
|---|---|
| 距離 | 153.8 km |
| 獲得標高 | 約1,351 m |
| ステージ種別 | 平坦(スプリンター向き) |
| 山岳ポイント | アルト・デ・アレド(3級/9.5km・平均4.2%)残り約29.5km地点 |
| 天候 | 高温(30℃超)・追い風基調 |

ステージ優勝:マシュー・ブレナン
21歳のイギリス人スプリンター、マシュー・ブレナン(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)が、グランツール初出場ながら圧巻の3勝目。テクニカルなロルカ市街地では一度ポジションを下げる場面もありましたが、エースのファンアールトが最終コーナーまで見事に押し上げ、そこからブレナンが独走状態でトップスプリント。2位ブライアン・コカール(コフィディス)以下に明確な差をつけて先着し、10秒のタイムボーナスも獲得しました。
| 順位 | 選手 | チーム | タイム |
|---|---|---|---|
| 1 | マシュー・ブレナン | ヴィスマ・リースアバイク | 3:17:18 |
| 2 | ブライアン・コカール | コフィディス | + 0秒 |
| 3 | ヨルディ・メーウス | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | + 0秒 |
| 4 | マグヌス・コルト・ニールセン | ウノエックス・モビリティ | + 0秒 |
| 5 | ワウト・ファンアールト | ヴィスマ・リースアバイク | + 0秒 |
レースハイライトと注目ポイント
スタート直後、デ・ラ・クルス、イーサン・ハイター、ドメン・ノヴァクの3人が飛び出し、そこにシヌエ・フェルナンデス、アレッサンドロ・コヴィが加わって逃げ(エスケープ)が形成されました。しかしスプリンターを抱えるヴィスマとコフィディスが早々に集団前方をコントロールし、逃げのタイム差は最大でも約1分40秒どまり。残り約93km地点ではバーレーン、チュドール、XDSアスタナが横風で集団分断(エシュロン)を狙う一幕もありましたが、大きな波乱には至りませんでした。
逃げの中で最も攻撃的だったのがイーサン・ハイター。中間スプリントでポイントを重ねてポイント賞ランキングを再び上昇させ、「この日最もアグレッシブな選手」と各メディアに評されました。一方、勝者チームのファンアールトは、唯一の山岳アルト・デ・アレドで山岳ポイントの先頭通過を奪い、中間スプリントでもポイントを荒稼ぎ。そのうえでブレナンのリードアウトをこなし、自身も5位でフィニッシュするという離れ業を演じています。
【初心者向け】ジャージの「重複」って?
実は山岳賞ランキングでは、総合首位のエンリク・マスが2位につけています。ただし1人の選手が同時に着られるリーダージャージは1枚だけというルールがあるため、マスが総合の証であるマイヨ・ロホ(赤)を着用する間、山岳賞ジャージ(青玉模様)は実際のトップであるサンティアゴ・ブイトラゴが着ます。ポイント賞でも、トップのファンアールトはあくまでエースを勝たせる役目を優先しつつ、副産物として緑ジャージの座を盤石にしている、という構図です。
なお、このステージのスタート前には、体調不良のためリドル・トレックのマッズ・ピーダスンがリタイア。第8ステージで落車リタイアしたタデイ・ポガチャルに続く大物の離脱となり、「絶対的エース不在」で混戦模様となった今大会を象徴する一日となりました。
https://youtu.be/2_1cRv__ozg?si=-_4tkGKAfkUPZtzc
各賞ジャージの状況
| ジャージ(賞) | 着用者 |
|---|---|
| マイヨ・ロホ(総合・赤) | エンリク・マス(モビスター) |
| ポイント賞(緑) | ワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク)/174pt |
| 山岳賞(青玉模様) | サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)/31pt |
| 新人賞(白) | オスカー・オンリー(ネットカンパニー・イネオス) |
| 敢闘賞(かんとうしょう) | イーサン・ハイター(スーダル・クイックステップ)※確認中 |
※敢闘賞(最も闘志を見せた選手)は、複数メディアが「この日最も攻撃的な選手」とハイターを評していますが、公式表彰の確定は
ブエルタ公式サイトでご確認ください。
総合成績(GC)トップ5
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | エンリク・マス | モビスター | 35:59:02 |
| 2 | プリモシュ・ログリッチ | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | + 1:18 |
| 3 | フェリックス・ガル | デカトロンCMA CGM | + 1:39 |
| 4 | オスカー・オンリー | ネットカンパニー・イネオス | + 2:20 |
| 5 | リチャル・カラパス | EFエデュケーション・イージーポスト | + 3:26 |
チーム総合成績 トップ5
| 順位 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|
| 1 | デカトロンCMA CGM | 108:13:58 |
| 2 | ネットカンパニー・イネオス | + 42:55 |
| 3 | XDSアスタナ | + 50:12 |
| 4 | ヴィスマ・リースアバイク | + 50:54 |
| 5 | EFエデュケーション・イージーポスト | + 51:56 |
山岳・ポイント・新人 トップ3
■ 山岳賞(青玉模様ジャージ)
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | サンティアゴ・ブイトラゴ | バーレーン・ヴィクトリアス | 31 |
| 2 | エンリク・マス | モビスター | 24 |
| 3 | アンドレアス・レクネスン | ウノエックス・モビリティ | 19 |
■ ポイント賞(緑ジャージ)
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | ワウト・ファンアールト | ヴィスマ・リースアバイク | 174 |
| 2 | マシュー・ブレナン | ヴィスマ・リースアバイク | 117 |
| 3 | アレッサンドロ・ロメーレ | XDSアスタナ | 96 |
■ 新人賞(白ジャージ)
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | オスカー・オンリー | ネットカンパニー・イネオス | 36:01:22 |
| 2 | ヤコブ・オムルゼル | バーレーン・ヴィクトリアス | + 5:45 |
| 3 | ヤルノ・ウィダール | ロット・インテルマルシェ | + 7:14 |
次ステージ(第12)プレビュー
第12ステージは一転して山岳決戦。カラール・アルトの山頂フィニッシュが待ち受け、マイヨ・ロホを着るエンリク・マスの牙城が試されます。1分18秒差で追うプリモシュ・ログリッチ、1分39秒差のフェリックス・ガルら総合上位陣がどこまで差を詰めるか、あるいはマスがさらにリードを広げるか。スプリンターの出番が終わり、再びクライマー(登坂力に優れた選手)たちの時間帯へと突入します。

J SPORTS放送・配信予定
| ステージ | 放送日時(日本時間) |
|---|---|
| 第12ステージ[生] | 9月3日(木)21:50 〜 翌1:20 |
| 第13ステージ | 9月4日(金)21:50 〜 翌1:20 |
| 第14ステージ | 9月5日(土)21:50 〜 翌1:20 |
| 第15ステージ | 9月6日(日)21:50 〜 翌1:20 |
| 第12ステージ 英語コメンタリー版 |
9月3日(木)19:45 〜 翌2:20 |
※J SPORTSオンデマンド/J SPORTS(スカパー)/ABEMA de J SPORTS/Prime Video J SPORTSチャンネルで視聴可能。放送・配信予定は変更される場合があります。最新情報は
J SPORTS公式サイトでご確認ください。
※本記事の順位・タイムは各種公式・専門ソースを複数照合して作成していますが、確定成績はブエルタ公式(lavuelta.es)およびJ SPORTS公式をご確認ください。