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私小説

【新宿の恋】第12話「セックス、しなかったんだ」

夏休み、友人のユウスケ、同じクラスのミキとナツコと軽井沢へ。満天の星空の下でナツコが握ってきた手の温もり、初めてのキス——しかし胸の奥では常にレイコの面影が揺らめき、俺は彼女の淫らなレッスンを忘れられずにいた。

連載小説【新宿の恋】第12話「セックス、しなかったんだ」


寝不足

新宿二丁目のバーで、毎夜のように体を酷使するバイト生活が続いていた。お姉さんが病で倒れ、人手不足の店に俺が滑り込んだ形だ。マスターは仕事以外の詮索をせず、それが新宿の暗黙のルールだった。

軽井沢旅行から帰ってきて、再び蒸し暑い日常が戻ってきた。大学は夏休みだが、冷房のないアパートは昼間灼熱地獄。図書館で居眠りをすれば注意され、完全に夏バテ状態だった。睡眠不足が二十歳の体力を容赦なく削っていく。

そんな俺を心配して、土曜日の夜、レイコさんが店に現れた。カウンター越しに彼女の艶やかな視線が絡みつく。

「タツヤさん、なんだかやつれてるわ……どこか具合でも悪いの?」

二週間ぶりの再会。軽井沢から戻って以来、会えていなかった彼女の声だけで、俺の股間が疼き始めた。

「アパートが暑くて、ろくに眠れてないんです……」

「なによ、それ。だったら、あたしの家に来なさいよ」

レイコさんは迷わず誘った。常連のオカマバーのママさんがニヤニヤしながら茶化す中、レイコさんは大胆に俺を引き寄せ、唇を重ねてきた。熱く湿った舌が俺の口内を掻き回し、甘い唾液を注ぎ込む。カウンターの端で、彼女の豊かな胸が俺の腕に柔らかく押しつけられた。

「レイコさん……タツヤを独占する気?」

周囲のからかいなど気にも留めず、レイコさんは俺の耳元で囁いた。

「そうよ。タツヤは渡さないわ」

彼女の息が熱く耳を犯す。コースターに住所を書き残し、レイコさんは格闘家風の男の車で去っていった。その後ろ姿を見つめながら、俺の下半身は既に硬く熱を帯びていた。


鉄の扉

店が終わる午前五時。掃除を終えて外に出ると、新宿の朝はまだ蒸し暑かった。公衆電話からレイコさんの番号を押すと、待ちかねたような甘い声が返ってきた。

「待ってたわ。タクシーで来て。サエキはもう帰したから」

高級住宅街の奥、木々に囲まれた彼女の家。鉄の扉が重く閉まる音が、俺を密室の悦楽へと誘うようだった。

玄関で待っていたレイコさんは、店で見る華やかな姿とは全く別人だった。深い泥色の 大島紬をまとい、黒髪を優雅にアップにまとめている。朝の光が絹の表面を滑るたび、布地は生き物のように艶めき、彼女の豊満な曲線を妖しく浮かび上がらせていた。

「よく来たわね……上がって」

その声は低く甘く、俺の欲望を静かに掻き立てる。うなじの白い肌、着物から覗く鎖骨の線、歩くたびに衣擦れの音が立てる艶やかな響き——すべてが俺を興奮させた。


衣擦れの音

和室に通され、麦茶と抹茶アイスを前に、私は彼女の着物姿に見とれていた。いつもホテルで激しく交わる派手な洋装のレイコさんではなく、伝統的な着物に包まれた彼女は、まるで淫らな熟女の化身のようだった。

「何、見てるの……恥ずかしいわ」

彼女が微笑むと、着物の合わせがわずかに乱れ、柔らかな胸の谷間がチラリと覗いた。私の視線を感じ取ったレイコさんは、ゆっくりと私の横に寄り添ってきた。絹の衣擦れの音が、静かな部屋に淫靡に響く。

軽井沢の話をすると、レイコさんは俺の目を覗き込み、甘く囁いた。

「彼女とは……上手くできた?」

「セックス、しなかったんだ……」

その言葉に、レイコさんの唇が妖しく弧を描いた。彼女は俺の膝に手を置き、耳元で熱い息を吹きかける。

「キスして……」

唇が重なった瞬間、レイコさんは積極的に舌を差し入れてきた。ねっとりと絡みつく濃厚なディープキス。唾液が溢れ、互いの口内を掻き回す音が卑猥に響く。彼女の着物の胸元に手を這わせると、柔らかな乳房の感触が掌に伝わってきた。乳首の硬くなった突起を指で転がすと、レイコさんが小さく喘いだ。

「ん……タツヤ……」

着物の合わせをくつろげ、私は彼女の白い肌を露わにしていく。うなじから胸元、鎖骨を舌で這わせ、甘く噛む。レイコさんの体が熱く火照り、甘い女の匂いが濃密に立ち上る。私の股間は痛いほど硬くなり、ズボンの布地を押し上げていた。

しかし、レイコさんは私の胸に手を当て、優しく制した。

「今日は……セックス、しなくていいわ」

彼女の指が私の硬くなった肉棒の輪郭を、下着の外から優しく撫でる。じっくりと、ねっとりと。私は彼女の太ももに手を滑り込ませ、着物の裾をまくり上げて秘部に触れようとしたが、レイコさんは甘い声で囁いた。

「焦らないで……今日は、ただこうして抱き合っていたいの。あなたの疲れた体を、たっぷり癒してあげる」

着物の上で、俺たちは長く濃厚なキスと愛撫を交わし続けた。彼女の柔らかな乳房を揉みしだき、乳首を吸い、指で秘裂を優しく撫でる。レイコさんも俺の肉棒を布越しにしごき、時折指を滑り込ませて先走りを塗り広げた。互いの吐息が混じり、部屋は淫らな熱気で満たされた。

レイコさんに導かれ 彼女の口内に発射する。

しかし、ついに最後の一線は越えなかった。レイコさんの温かな腕の中で、俺はただ彼女の体温と香りに包まれ、深い安堵と甘い疼きを抱えたまま、朝の光の中で溶け合うように休んだ。

セックスはしなかった。けれど、その抑えられた欲望こそが、私たちをさらに深く結びつける予感を秘めていた。


次回【新宿の恋】第13話「寝息」 お楽しみに

  • この記事を書いた人

はぼぞう

旅と砂漠と写真と女性を愛する60歳ちょっと過ぎたの「元金融系システム屋」です。 現在は、社内SEのアルバイト件システム構築やってます。 シンガー 森口博子とアーティスト 中村中の大ファン

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