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WHOに影響を与えるビル・ゲイツと日本政府の思惑:GHITファンドとグローバルヘルスの裏側

世界保健機関(WHO)の裏側で、ビル・ゲイツとその財団がどこまで影響力を持っているのか──。新型コロナ禍以降、欧米メディアでは「WHOはゲイツに依存しすぎている」「民間財団が世界の公衆衛生アジェンダを動かしているのではないか」という議論が続いています。一方で、日本政府もゲイツ財団と共同ファンドを立ち上げるなど、密接なパートナーとなっています。

本記事では、欧米メディアや研究をもとに、ゲイツ財団とWHO、日本政府の関係を整理し、「どこまでが事実で、どこからが陰謀論なのか」を冷静に見ていきます。

 

ビル・ゲイツはなぜWHOでここまで存在感が大きいのか

WHOの資金は、大きく「各国が義務的に支払う分担金」と、「ドナーが任意で拠出する資金」の2種類に分かれます。近年、各国政府の分担金は伸び悩み、WHOは任意拠出金に依存する構造が強まっています。

その中で、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation:BMGF)は、アメリカやドイツなど主要国に次ぐ第2位の資金提供者と言われています。WHO自身の資料や学術研究によれば、2010~2023年のWHO収入の約1割をゲイツ財団が占めており、民間・財団カテゴリーでは圧倒的な存在です。

さらに、ゲイツ財団からの資金は「ポリオ根絶」「ワクチン開発」「感染症対策」といった特定分野に用途を指定して拠出されるケースが多く、結果としてWHOの優先順位やプロジェクト配分に大きな影響を与えています。

欧米メディアが見る「功績」と「懸念」

欧米の大手メディアや研究者は、ゲイツ財団の役割についておおむね二つの側面から論じています。

感染症対策のエンジンとしての功績

ポリオ根絶を目指す世界的イニシアチブでは、ゲイツ財団は常に最大級のドナーであり、各国政府の援助が減少しても、大型拠出で穴を埋めてきました。マラリアや結核、HIVなどの感染症についても、Gavi(ワクチン・アライアンス)やグローバルファンドを通じて巨額の資金を供給し、途上国のワクチン接種率向上や新薬開発を牽引してきたと評価されています。

WHOの財源が慢性的に不足する中で、「ゲイツ財団の資金がなければ多くの命が救えなかった」という専門家の声も少なくありません。

アジェンダ支配と民主的正統性への懸念

一方で、批判や懸念も根強く存在します。代表的な論点は次の通りです。

  • テーマの偏り:ゲイツ財団の資金の多くがポリオやワクチン関連に集中し、生活習慣病や医療体制の強化といった分野が相対的に後回しになるのではないか、という懸念。
  • 「お金を出す側」が優先順位を決める構造:WHOは加盟国が意思決定を行う国際機関ですが、予算の多くが用途指定つきの任意拠出金であるため、実務レベルでは大口ドナーの意向が強く働きやすいという指摘。
  • COVAXをめぐる主導権議論:新型コロナワクチンの国際枠組みCOVAXでは、ゲイツ財団が主導しすぎた結果、途上国への配分が十分だったのか、透明性はどうか、といった議論も起きました。

つまり、欧米メディアのトーンを要約すると、「ゲイツ財団はグローバルヘルスに巨大な貢献をしているが、その影響力の大きさゆえに、国際機関の優先順位が歪むリスクも抱えている」というバランスのとれた評価が主流です。

「ダークマネー」報道とWHO Foundationをめぐる論争

近年では、WHO本体とは別組織として設立された「WHO Foundation」が受け取る寄付金について、「ドナーが匿名のまま高額拠出できるのは、企業などの利害が見えにくく危険だ」という欧州メディアの報道も話題になりました。

ある調査では、同財団が受け取る寄付のうち、過半数が匿名の大口寄付であり、「ダークマネー(出どころが見えない資金)」だと批判されています。一方、WHO Foundation側は「匿名寄付は全体のごく一部であり、WHOの公式アジェンダに沿った資金のみ受け入れている」と反論しており、今も議論は続いています。

この問題は、ゲイツ財団に限らず、民間マネー全体が国際機関にどう影響するか、というガバナンスの課題の一部として理解する必要があります。

日本政府とゲイツ財団:GHIT Fundを軸にしたパートナー関係

では、日本政府はゲイツ財団とどのような関係にあるのでしょうか。象徴的なのが、2013年に立ち上げられた「GHIT Fund(Global Health Innovative Technology Fund)」です。

GHIT Fundは、日本政府、国内製薬企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、国連開発計画(UNDP)などが出資する、グローバルヘルス向けの官民連携ファンドです。マラリアや結核、顧みられない熱帯病(NTDs)など、途上国で深刻な感染症に対する新薬・ワクチン・診断技術の研究開発を、日本発の技術で進めることを目的としています。

外務省や日本政府の広報資料では、GHITを通じて「日本の創薬技術とイノベーションを世界の公衆衛生に役立てる」と明記されており、日本政府・日本企業・ゲイツ財団が対等なパートナーとして名を連ねています。

日本政府側の「思惑」はどこにあるのか

日本政府がゲイツ財団と組んでグローバルヘルスに資金を出す背景には、いくつかの“思惑”が読み取れます。

  • 人道・開発目標の達成:感染症対策を通じて貧困削減や医療アクセスを改善し、SDGsの達成に貢献するという名目。
  • 外交的プレゼンスの向上:G7の一員として、保健分野で「旗振り役」になることで、日本の国際的な存在感や信頼を高める狙い。
  • 産業・技術戦略:GHIT Fundは、日本の製薬企業の技術をベースに国際共同開発を行う枠組みであり、長期的には新興国市場でのビジネス機会拡大にもつながる。
  • 感染症=安全保障という発想:海外での感染症流行は、観光・ビジネス・人の往来を通じて日本にも影響します。途上国での対策を支えることは、日本自身の健康安全保障にも直結します。

つまり、日本政府にとってゲイツ財団は「支配される相手」ではなく、「自国の外交・産業・安全保障上の利益と、人道的貢献を両立させるための強力なパートナー」として位置づけられていると言えます。

陰謀論ではなく「構造」として見るべきポイント

インターネット上では、「WHOはビル・ゲイツの私物」「日本政府はゲイツの指示で動いている」といった極端な陰謀論も多く見られます。しかし、実際の構図はもう少し複雑です。

  • ゲイツ財団は、WHO予算の約1割を負担する巨大ドナーであり、特定分野では明らかに強い影響力を持つ。
  • 同時に、WHOの正式な意思決定権は加盟国にあり、ゲイツ財団に議決権があるわけではない。
  • 日本政府はゲイツ財団と共同ファンドを運営しつつ、自国の外交・産業戦略とも結びつけている。

重要なのは、「誰か一人の陰謀」という単純なストーリーではなく、国際機関の慢性的な財源不足と、そこに民間マネーが流れ込む構造を理解することです。その中で、ゲイツ財団も日本政府も、それぞれの価値観と利害に基づいて動いているに過ぎません。

今後も、WHOやGHIT Fundをはじめとする国際保健ガバナンスの場では、「透明性」「優先順位の妥当性」「民間ドナーの影響力」をめぐる議論が続くでしょう。私たち一人ひとりも、陰謀論に飛びつくのではなく、公開情報を読み解きながら、冷静にウォッチしていく姿勢が求められています。

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  • この記事を書いた人

はぼぞう

旅と砂漠と写真と女性を愛する60歳ちょっと前の現役ITエンジニア シンガー 森口博子とアーティスト 中村中が大好きです。

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