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2026年10月25日 速報|メラニア夫人仲介でオレシキ局地停戦合意、それでも続く無人機616機の応酬

最終更新:2026年10月25日 07:00(JST)/本記事はアルジャジーラ(Al Jazeera)を軸に、CNN・FOX・BBC・AFP・ロイターの報道と、ウクライナ・ロシア・米国・イラン各当局の公式発表を突き合わせて構成しています。日本国内メディアの報道は判断材料から除外しています。

速報ウクライナ情勢 | 開戦から1,700日超

この記事のまとめ(3つのポイント)

1ヘルソン州オレシキ(ロシア名アレシキ)で局地停戦が合意。メラニア・トランプ米大統領夫人が仲介し、ロシア軍は現地27日4時(モスクワ時間、JST同日10時)から「沈黙モード」に入ると表明。ホワイトハウスは開始を29日と説明しており、日付に食い違いがある。

2攻撃の応酬は止まらず。ロシア国防省は24日朝までの一晩で616機のウクライナ無人機を撃墜したと発表。ウクライナ側は126機中101機を無力化し、前線の交戦は1日181回。クリミアでは大規模停電が起きた。

3原油は高止まり。23日(米国時間)の終値でブレント期先(2027年1月限)は111.70ドル、WTI(12月限)は103.27ドルと、ともに100ドルを上回る。主な要因はウクライナではなく中東(フーシ派のサウジ攻撃、ホルムズ海峡)。

🔵 信頼度ラベルの見方:🟢=複数ソースで確認済み/🟡=単一ソースまたは当事者の公式主張/🔵=編集部による分析・解説。各段落の冒頭に付けています。日付は原則として現地報道の日付で、時刻が分かるものは(JST)で日本時間を併記しています。

2026年10月25日(日本時間)速報サマリー

🟢 ロシアとウクライナは23日(現地)、ロシア軍が占領するヘルソン州ドニプロ川左岸の町オレシキ(ロシア側呼称アレシキ)に限って一時停戦し、人道支援物資を届けることで合意しました。ロシア参謀総長ゲラシモフ氏は「27日モスクワ時間4時(JST同日10時)からヘルソン方面で停戦・沈黙モードに入る」と発表し、ウクライナ参謀本部も同時刻からの順守を確認しています。調整役を担ったのはメラニア・トランプ米大統領夫人で、両国の人権オンブズマン(ロシアのラントラトワ氏、ウクライナのルビネツ氏)が実務協議を行いました。

🟡 一方、ホワイトハウスは停戦開始を「29日」と説明し、医薬品・食料・水の搬入と高齢住民の避難、道路の地雷除去に着手したとしています。ロシア紙ヴェドモスチなどによると、開始日はロシア・ウクライナ両国の発表(27日)と米側(29日)で異なっており、本稿時点でどちらが正確か確認できていません。メラニア夫人は現地の状況を「ひどい(appalling)」と表現しました。

🟢 外交面では、米国のウィトコフ特使が21日にサンクトペテルブルクでプーチン大統領と会談し、プーチン氏は和平協議の再開に「原則として」同意しました。クレムリンによれば次回の米国仲介による3者協議は11月中旬、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開かれる見通しで、2月のジュネーブに続く4回目となります。ただし24日にペスコフ大統領報道官は「米国との接触は実務レベルで続いている」としつつ、プーチン・トランプ両氏の新たな電話会談は「今のところ予定はない」と述べました。

🔵 局地停戦は戦争全体の停戦とは別物です。オレシキは食料・医薬品不足で住民が飢餓や病気の危機にあるとAP通信が伝えてきた町で、ウクライナは以前から局地停戦を求めてきました。人道回廊が実際に機能するかどうかは、27〜29日の現地の動きで判断するしかありません。「人道ミッションの成功」が全面的な停戦協議の弾みになるのか、それとも限定的な取引で終わるのかが、来週の最大の注目点です。

主な動きの時系列(日本時間)

日付(JST) 主な出来事
10月9日 プーチン・トランプ両氏が電話会談。ロシアが自主的に続けていたディーゼル輸出禁止を解除し、米国向け供給で合意したと発表
10月16日〜17日 トランプ大統領が新たな対ロ制裁・関税の発動を見送り。EU首脳会議は「侵攻が続く限り制裁を維持」と確認し、ディーゼル取引を批判
10月18日〜19日 ウクライナが1,000機超の無人機で攻撃し、サンクトペテルブルクの石油ターミナルで火災。ロシアは弾道ミサイル16発と無人機200機超でキーウ周辺を攻撃し、55万世帯以上が停電。トランプ氏はSNSで「彼(ゼレンスキー氏)は戦争を終わらせたくないのだ」と投稿
10月21日〜22日 ウィトコフ特使がプーチン氏と会談し、米国人ハバード氏が解放される。直後の夜間にロシアがクラスター弾頭の弾道ミサイルでキーウ中心部を攻撃し、少なくとも2〜4人が死亡、34人以上が負傷
10月22日〜23日 ロシアから米国向けディーゼル第1便(約4万トン)が出航。ウクライナ情報機関(HUR)は、ロシアが欧州で偽旗の破壊工作を行う恐れがあると警告
10月24日 02:00〜14:00 ロシア国防省はこの間(モスクワ時間23日20時〜24日8時)にウクライナの無人機616機を撃墜したと発表。セバストポリなどクリミアで停電
10月24日 03:30頃 原油先物が引け。ブレント期近(12月限)116.72ドル、期先(1月限)111.70ドル、WTI(12月限)103.27ドル
10月24日 朝 オレシキの局地停戦合意をホワイトハウスとロシア参謀本部が相次いで発表(現地23日)。トランプ氏はフロリダの集会でイランに「もう一度小さなエピック・フューリー作戦をやるかもしれない」と発言
10月24日 夕方〜夜 ペスコフ報道官が「新たな首脳電話会談の予定はない」と発言。ゼレンスキー氏は「この3か月でパトリオット迎撃ミサイルを24発しか受け取っていない」と訴え
10月27日 10:00(予定) ロシア側が発表したオレシキ周辺の停戦開始時刻(ホワイトハウスは29日開始と説明)

ウクライナによるロシア攻撃(ドローン等)

🟡 ロシア国防省は24日、23日20時〜24日8時(モスクワ時間、JST24日2時〜14時)の間にウクライナの固定翼無人機616機を「迎撃・破壊した」と発表しました。インターファクス通信などによると、対象地域はベルゴロド、ブリャンスク、クルスク、オリョール、リャザン、サマラ、サラトフ、トゥーラなど17州に加え、ボルゴグラード州、タタルスタン共和国、クラスノダール地方、クリミア、アゾフ海・黒海、モスクワ州と広範囲にわたります。タタルスタンでは24日朝に無人機警報が出てカザンでサイレンが鳴り、同共和国の空港が運航を一時停止しました。

🟡 ウクライナ国営通信ウクルインフォルムによると、ウクライナ国防軍は23〜24日にかけて、サマラ州トリヤッチの合成ゴム工場「トリヤッチカウチューク」、オリョールの生産施設「プロトン・エレクトロテクス」、さらにクラスノダール地方のエイスク飛行場の航空機を攻撃したとしています。トリヤッチカウチュークは固体ロケット燃料の部材となる合成ゴムを製造しているとされ、メディアは火災の発生を伝えました。被害の規模について、本稿時点でロシア側の詳細な発表は確認できていません。

🟢 占領下のクリミアでは無人機攻撃のあとに大規模停電が発生しました。セバストポリのラズボジャエフ知事(ロシア側任命)は、市外のエネルギー施設が攻撃を受けて一時停電したと説明し、社会施設は予備電源に切り替えたと述べています。クリミア当局の顧問クリュチコフ氏は「全域で電力は復旧したが、各集落への送電は段階的になる」としました。ロシア・ウクライナ双方の報道で停電の発生は一致しています。

🔵 背景には、米政権が石油関連施設への攻撃停止をキーウに求めている事情があります。ウクライナは製油所を「正当な軍事目標」と位置づけ、18日には1,000機超の大規模攻撃でサンクトペテルブルクの石油ターミナルを炎上させました。今回の標的が製油所よりも軍需工場や飛行場に寄っている点は、米国の要求と自国の軍事的必要性の間で狙いを調整している可能性を示しますが、ウクライナ政府は方針転換を表明していません。

ロシアによるウクライナ攻撃と市民生活

🟡 ウクライナ空軍によると、ロシアは23日夜から24日朝にかけて126機の無人機で攻撃し、防空部隊が101機を撃墜・無力化しました。キーウでは無人機攻撃で民家が損傷して2人が負傷し、北部オボロン地区では朝に火災が発生して消防が消し止めました。過去1週間でロシアが発射した攻撃型無人機は2,597機にのぼり、迎撃率は87%超とされています。

🟢 東部・北部でも民間人の被害が続いています。ドネツク州クラマトルスクでは23日、ロシア軍の航空爆弾(FAB-250)3発で1人が死亡、子ども3人を含む6人が負傷しました。チェルニヒウ州では企業が攻撃されて1人が死亡、18人が負傷。ハルキウ州では州都と周辺15集落への攻撃で、子ども2人を含む7人が負傷しています。22日未明のキーウ中心部への攻撃では、ゼレンスキー氏によると直径400メートルの範囲に子弾をまき散らすクラスター弾頭の弾道ミサイルが使われ、キーウ・ペチェールスク大修道院の近くにも着弾しました。

🟡 ロシア側でも民間人の被害が出ています。オリョール州のクリチコフ知事は、23日夕方のラッシュ時に市内の民間企業がミサイル攻撃を受け、3人が死亡したと発表しました。ベルゴロド州のシュワエフ知事は、1日で138回の攻撃を受け、シェベキノ地区で男性1人が死亡、子どもを含む7人が負傷したとしています。ロシア国内の燃料事情については、モスクワ・タイムズが9月下旬、カルーガ州やザバイカル地方などでガソリンの購入制限が再導入され、ガソリン価格が年初から21%上昇した(9月14日時点で1リットル78.51ルーブル)と報じました。10月の最新状況は本稿時点で確認できていません。

地域 主な被害・状況(現地23〜24日) 情報源
キーウ市 無人機で民家損傷、2人負傷。オボロン地区で火災(鎮火) ウクルインフォルム
ドネツク州クラマトルスク 航空爆弾3発で1人死亡、6人負傷(うち子ども3人) ウクルインフォルム
チェルニヒウ州 企業への攻撃で1人死亡、18人負傷 ウクルインフォルム
ハルキウ州 州都と15集落で7人負傷(うち子ども2人) ウクルインフォルム
ウクライナ全土(夜間) 無人機126機中101機を無力化。前線の交戦181回(コスチャンチニウカ方面が最激戦) ウクライナ空軍・参謀本部
ロシア・オリョール州 ミサイル攻撃で3人死亡、8人が治療 州知事(ロシア側)
ロシア・ベルゴロド州 1日138回の攻撃、1人死亡、7人負傷 州知事(ロシア側)
クリミア(占領地) エネルギー施設への攻撃で大規模停電、順次復旧 ロシア側当局・ウクライナ報道

🔵 被害の数字は、双方とも自国側の被害を中心に発表しており、相手側の被害は誇張されやすい傾向があります。表は各当局・報道機関の発表をそのまま並べたもので、第三者による検証は済んでいません。それでも、無人機の数が一晩で数百機単位になり、双方の住宅地や企業に被害が広がっている構図は、複数の報道で一致しています。

ゼレンスキー大統領・キーウの動き

🟢 ゼレンスキー大統領は米ABCニュースのインタビュー(23日公開)で、米国製防空システム「パトリオット」の迎撃ミサイルについて、この3か月間に受け取ったのは24発にとどまり「実際に必要な量にはほど遠い」と訴えました。インターファクス・ウクライナ(24日13時15分=JST19時15分)によると、同氏は月平均350発が必要だと説明し、受領数は2023年の675発から2025年には364発に減ったと指摘しています。ミサイルの多くが中東に回されていることも理由に挙げました。

🟡 米国との関係については「裏切られたとは感じていない」としながらも、最近の米政権の対応を「支援的ではない(not supportive)」と表現しました。ウィトコフ特使がプーチン氏を「人道主義者」と呼んだことには、「私はプーチンほどの人道主義者ではないかもしれない、もちろん」と皮肉で応じています。ロシアがウクライナ領土の19%超を支配するなか、「この戦争をできるだけ早く止める用意がある」として、現在の前線で凍結する形の停戦を受け入れる姿勢を改めて示しました。

🟢 通信衛星をめぐる問題もひとまず落ち着きつつあります。ウクライナ国防省は24日朝、米スペースXの衛星通信「スターリンク」とその軍事版「スターシールド」について、移動中でも時速400キロ超の速度で安定して通信できるようになったと発表しました。10月中旬から時速約161キロで通信が使えなくなる制限がかかり、ジェット推進型無人機の迎撃や作戦の連携に支障が出ていました。ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ大統領が21日にマスク氏へ制限の解除を指示したと報じていますが、誰が制限をかけたのかは公表されていません。

🔵 キーウにとって当面の焦点は「防空の弾切れ」です。ロシアは11日以降、エネルギー施設を170回以上攻撃したとされ、冬に向けて電力網への圧力は強まっています。パトリオットの補充が遅れれば、弾道ミサイルによる首都攻撃への備えが手薄になります。ゼレンスキー氏が米メディアで具体的な数字を公表したのは、米世論と議会に直接訴えるねらいがあるとみられます。

プーチン大統領・モスクワ/ロシア国内

🟢 プーチン大統領は、ロシアは「この困難で複雑な状況について交渉し、解決策を探る用意がある」と述べる一方、「特別軍事作戦のすべての目標は達成される」と強調しています(AP通信)。ロシアは、ドネツク・ルハンスク・ザポリージャ・ヘルソンの4州とクリミアの完全な支配、ウクライナのNATO加盟断念、軍の縮小などを求める従来の立場を変えていません。全面停戦についても、包括合意が先だとして応じていません。

🟡 タス通信が伝えたウシャコフ大統領補佐官の説明によると、プーチン氏はウィトコフ特使との会談で、ウクライナの子どもたちを家族と再会させる取り組みとオレシキ問題の調停について、メラニア夫人への「感謝」を伝えるよう依頼しました。ウクライナ当局は、開戦以降に約2万人の子どもがロシアやロシア支配地域へ強制的に移送されたと推計しています。

🟡 ロシアはエネルギー外交も活発に進めています。ノバク副首相は、米国向けディーゼル第1便(約4万トン)を22日に出航させると表明し、「両首脳の合意があり、追加の輸送も続く」と述べました。トランプ氏は、ただちに30万トン、11月に50万トン、その後100万トンの輸出があると説明しています。また駐ロシア・イラン大使によると、イランのペゼシュキアン大統領が10月下旬のガス輸出国フォーラム首脳会議に合わせてモスクワを訪れ、プーチン氏と経済協力や南北輸送回廊、エネルギー安全保障について協議する予定です。

🔵 ロシア側の報道では、3者協議はアブダビで11月前半に開かれ、欧州は参加しないとの見方が出ています(ロシアのメディア「ライフ」)。モスクワから見れば、ディーゼル取引や制裁発動の見送りで米国との「実務的な関係」が進んでいる今は、軍事的な圧力を緩める理由が乏しい状況です。プーチン氏が求めているとされる米中ロ首脳会談(11月の深圳でのアジア太平洋経済協力会議に合わせる案)も、ウクライナを交渉の外に置くかたちになっています。

NATOとロシアによるウクライナ以外への圧力

🟢 黒海では10月初めから、ブルガリアとルーマニアの沖合で商船7隻が無人機に攻撃され、20人以上の船員が死亡したと報じられています。両国の当局はロシアの関与を指摘していますが、ロシアは否定しています。13日にはブルガリアの領海から約5海里の地点で貨物船が攻撃され、11人が行方不明になりました。ブルガリアのラデフ首相はロシア大使を呼び出しています。NATOは20日に大使級会合で黒海の安全を協議し、追加の部隊や装備を送ると表明しました。

🟡 ブルガリアのストヤノフ国防相は「少し前まで注目はバルト諸国だったが、いまや黒海に移った」と述べました。一方でラデフ政権は、欧州平和ファシリティ(EUの軍事支援基金)を通じたウクライナ支援を「非殺傷の援助」に限る方針で、EU首脳会議でもトランプ・プーチン両氏のディーゼル取引を支持して足並みを乱しています。ロシアの圧力に対して、加盟国の対応は一枚岩とはいえません。

🟡 ウクライナ国防省情報総局(HUR)は23日、ロシアが中東欧やバルト諸国で破壊工作を行い、それをウクライナの仕業に見せかける「偽旗作戦」を準備している恐れがあると警告しました。想定される標的として、重要インフラ、カリーニングラード、ロシア語話者の多い地域、ロシア正教会の施設などを挙げています。ウォール・ストリート・ジャーナルは、8月にドイツのライプツィヒ・ハレ空港で起きた爆発物つき無人機による攻撃未遂を、プーチン氏が命じた欧州での破壊工作の「最初の一撃」と米情報機関がみていると報じました。ロシアは関与を否定しています。

🔵 欧州連合(EU)は10月15〜16日の首脳会議で「全面侵攻が続く限り制裁を維持する」と確認しましたが、ゼレンスキー氏が求めた来年の追加支援700億ユーロの財源はまだ決まっていません。黒海で船員の死者が出たことで、ロシアのいわゆる「グレーゾーン」の圧力は、これまでの領空侵犯や破壊工作から、人命に関わる段階に進んだといえます。NATOの抑止が実際に機能するかが問われる局面です。

外交:米国の仲介とトランプ大統領のSNS投稿

🟢 トランプ大統領は18日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、ゼレンスキー氏がロシアのディーゼル製油所を攻撃していると批判し、「彼は戦争を終わらせたくないのだ。おそらく最初からそうだった」「2年前ならもっと良い取引ができた」と投稿しました。また「ロシアを交渉の場から愚かにも追いやりたくない」として、新たな制裁を見送る考えも示しました。19日には記者団に「ロシアはウクライナについて、率直に言って問題ない(fine)」と語っています。

🟡 22日にはトゥルース・ソーシャルで、イランが中間選挙(11月3日)を前に原油価格をつり上げるため、ホルムズ海峡でのタンカー被弾や機雷を「でっち上げている」と主張しました。23日(現地)にはフロリダ州フォートマイヤーズの集会で、イランに対して「もう一度、小さなエピック・フューリー(作戦)をやるかもしれない」と発言しています(エルサレム・ポスト)。ウクライナ和平については、24日(JST)時点で新たなSNS投稿は確認できていません。

🟡 イラン側では、革命防衛隊(IRGC)が22日、米軍によるホルムズ海峡の護衛が続けば「戦いは地域の米軍基地に広がる。これは重大な警告だ」と表明しました。イランのアラグチ外相は19日にロシアのラブロフ外相をテヘランに迎え、SNSで「イランとロシアがこれほど緊密に協力したことは歴史上ない」と投稿しています。米国務省は21日、サウジアラビアの緊急要員以外の職員と家族に国外退避を命じました。米中央軍(CENTCOM)は、海上封鎖によってイランの原油輸出を少なくとも250億ドル分阻止したと説明しています。

🔵 米国の仲介は「ディール(取引)」の積み重ねという特徴がはっきりしてきました。ディーゼル取引、制裁発動の見送り、人質の解放、局地停戦はどれも単発の取引ですが、領土や安全の保証といった核心部分の交渉は進んでいません。中間選挙を控えて燃料価格を抑えたいという米国内の事情が、対ロ政策とイラン政策の両方に影響していると読めます。

原油価格と経済への影響

🟢 週末で市場が閉まっているため、最新値は23日(米国時間)の終値です。ロイターなどによると、ブレントの期近(2026年12月限)は前日比3.55ドル高(+3.14%)の116.72ドルで、4月29日以来の高値で引けました。ただし12月限は10月30日に取引最終日を迎えるため、本記事では実勢を見るため期先の2027年1月限(第2限月)を採用します。その値は111.70ドル(+3.04ドル)です。WTIの12月限は取引最終日が11月20日でまだ先のため、そのまま採用し、103.27ドル(+3.80ドル、+3.8%)でした。ブレント・WTIとも100ドルを上回っています。

指標・限月 価格(ドル/バレル) 前日比 時点(JST)
ブレント 2027年1月限(期先・本記事の採用値) 111.70 +3.04 10月24日 03:30頃(23日終値)
ブレント 2026年12月限(期近・10月30日に取引終了) 116.72 +3.55(+3.14%) 10月24日 03:30頃(23日終値)
WTI 2026年12月限(期近・11月20日に取引終了) 103.27 +3.80(+3.8%) 10月24日 03:30頃(23日終値)
週間騰落率(期近ベース) ブレント 約+6%/WTI 約+2〜2.3% ― 10月19日〜23日
次の取引再開 ― ― 10月26日(月)07:00頃(予定)

🟡 上昇の主な原因は中東です。イエメンの親イラン武装組織フーシ派がサウジアラビア各地のエネルギー施設などを攻撃し、サウジアラムコは22日にダーランの本社から従業員を退避させました。LPLファイナンシャルのターンキスト氏は「供給途絶への懸念が上昇を主導した」と分析しています。イラン側は「タンカー7隻が被弾、または機雷で航行不能になった」と主張していますが、独立した確認は取れていません。英国海事貿易機関(UKMTO)が今週確認した攻撃は2件です。

🔵 ウクライナ戦争との関係では、二つの力が逆向きに働いています。ウクライナによるロシア製油所への攻撃は、ロシアの石油製品の輸出余力を下げ、価格を押し上げる方向に作用します。一方で、米ロのディーゼル取引は製品価格を下げる方向です(プーチン氏は合意後に世界のディーゼル価格が5〜6%下がったと主張)。期先ほど価格が安い「バックワーデーション(逆ざや)」が深いことから、市場は高値を一時的な戦時プレミアムとみているようです。なお、原油は値動きが速いため、公開時点で必ず最新の相場を確認してください。

上記以外のトピックをピックアップ

🟡 シベリアのペスト問題:アルジャジーラなどによると、10月初めにロシア・イルクーツクの研究施設に関連して肺ペストによる死者が出たと報じられ、200人近くが隔離されました。ロシア当局は2例目の感染報道を「虚偽情報」と否定しています。トランプ氏は支援の用意を表明し、プーチン氏との電話協議の議題にもなりました。続報は本稿時点で確認できていません。

🟡 米議会の調査:ブルーメンソール上院議員は23日、スターリンクの速度制限について、誰が命じたのか、米軍がスターリンクにどれだけ依存しているのかを国防総省に問う調査を始めると発表しました。ルビオ国務長官は「誰も速度を落とせとは命じていない」と述べています。

🟡 前線:ウクライナ参謀本部によると、23日の交戦は181回で、コスチャンチニウカ方面が最も激しくなっています。ロシア側メディアは、ドネツク州北部のリマン(ロシア名クラスヌイ・リマン)周辺やハルキウ州で前進したと主張していますが、独立した検証はできていません。ウクライナ側は、ロシア軍の1日の損失を1,980人(累計約157万6,600人)と発表しています。双方の数字はいずれも当事者の発表です。

まとめ:押さえておきたい3つの注目点

今後の注目点

1オレシキの局地停戦は実際に機能するか(27〜29日)。停戦の開始日が米国(29日)とロシア・ウクライナ(27日)で食い違っています。物資の搬入と住民の避難が実現すれば、ほかの地域にも人道停戦を広げる前例になりえます。

211月中旬のアブダビ協議と米中ロ首脳会談の行方。領土と安全の保証をめぐる双方の立場の差は大きいままです。ウクライナ抜きで米中ロ首脳会談が開かれるかどうかが、交渉の形を左右します。

3防空ミサイルの不足と中東情勢。パトリオットの補充の遅れ、黒海での商船攻撃、中東の緊張による原油高は互いにつながっています。11月3日の米中間選挙の前後で、米国の対ロ・対イラン政策が変わるかどうかに注目です。

主な参考ソース(海外一次情報)

取材・数値についての注記
・本記事は、米欧の通信社や放送局、ウクライナとロシアの国内メディア、各国当局の発表を突き合わせて作成しました。日本国内メディアの報道は使っていません。
・被害の数字や撃墜数は、各当事者の発表をそのまま載せています。ロシアとウクライナの発表は互いに検証されておらず、数字にばらつきがあります(例:22日のキーウ攻撃の死者は2人と4人の報道がある)。
・オレシキの停戦開始日は、ロシア・ウクライナ側の発表(27日)とホワイトハウスの説明(29日)が異なっており、本稿時点で確定できていません。
・原油価格は23日(米国時間)の終値です。ブレントは期近の12月限が10月30日に取引を終えるため、第2限月の2027年1月限を採用しました。値は情報源によって0.2ドル前後の差があります。
・ロシア国内の燃料事情(10月分)、トランプ氏の24日のウクライナ関連の投稿、トリヤッチの工場の被害規模は、本稿時点で確認できていません。続報で扱います。
・時刻は日本時間(JST)に換算しています。キーウとモスクワは23〜24日時点で協定世界時+3時間(JSTとの時差は−6時間)、米東部は+13時間の時差で計算しました。なお、ウクライナは25日に冬時間へ移行する予定のため、27日の「キーウ時間4時」はJSTで11時となり、モスクワ時間4時(JST10時)と1時間ずれる可能性があります。

  • この記事を書いた人

はぼぞう

旅と砂漠と写真と女性を愛する60歳ちょっと過ぎたの「元金融系システム屋」です。 現在は、社内SEのアルバイト件システム構築やってます。 シンガー 森口博子とアーティスト 中村中の大ファン

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