「政治暴力はどちらの陣営が深刻なのか?」
米国で保守系活動家チャーリー・カーク氏が9月に暗殺され注目が再燃。CSISの新分析は、2025年上半期に“件数”で左派系が右派を上回ったと報告し、メディアの大きな見出しを呼びました。ただし、長期的に見れば右派の致死的攻撃の方が歴史的に多いという注記も同時に示されています。ドイツではAfD候補者の連続死亡をめぐり陰謀論が拡散する一方、警察は“事件性なし”と発表。
日本でも言論空間の分断と過激化の兆しが議論に。センセーショナルな主張に流されず、一次情報の範囲で最新事情を冷静に読み解きます
目次
米国:左派系事件の「頻度」上昇という新傾向、ただし歴史的文脈に注意
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CSISの最新分析
1994〜2025年7月までの米国内750件超の攻撃・計画を整理した結果、2025年上半期は左派系が右派を“件数で”上回ったと報告。背景として「政策・政治環境の変化に伴う不満の変位」を指摘。一方で、長期の累積では右派とジハディストによる致死的暴力の方が多いと明記。報道各社(ワシントン・ポスト、Axios)も同趣旨で伝えています。
CSIS+2The Washington Post+2 -
チャーリー・カーク氏暗殺
9月10日、ユタ・バレー大学のイベントで保守系活動家チャーリー・カーク氏が射殺され、容疑者の若年男性が起訴。主要メディアが詳細を継続報道しています。事件は“左派テロ増加”論を可視化した象徴事案として受け止められています。
Fox News+2CBSニュース+2 -
全体像の要点
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2025年は「頻度」で左派が優位という“例外的な年”になっている可能性。
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ただし長期時系列では、右派・ジハディスト系による致死性の高い事件が支配的だった歴史がある(研究側の留意点)
CSIS
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ドイツ:AfD候補の相次ぐ死亡——警察は「事件性なし」でも陰謀論が拡散
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NRW(ノルトライン=ヴェストファーレン)での“7人死亡”報道
地方選を前にAfD候補7人の死亡が相次ぎ、SNS上で“暗殺”説が拡散。しかし、**警察は“事件性(犯罪の疑い)を否定”**し、死因は事故や病死など個別要因と説明。Euronews等が詳報しています。
euronews -
政治暴力の実態把握
EU全体では移民・経済不安・ウクライナ戦争等を背景に政治的緊張が高止まり。アクター横断で暴力が生起しており、特定イデオロギーだけを原因と断定するのは困難。グローバル・欧州のデータベース(ACLED)も、政治関与の暴力が高水準で推移と指摘します。
ACLED+1
「世界で保守が左翼に暴力で攻撃されている」は本当か?——検証のフレーム
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データで見る
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個別事件の扱い
日本への含意:対立煽動と“推測の飛躍”を避ける
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日本の言論空間でも、政治的対立の過激化や集会妨害・象徴物毀損がたびたび話題になりますが、個別事案の犯罪性・暴力性の有無を精査し、データで全体傾向を確認する姿勢が肝要
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海外で拡散する“陰謀論的な物語”は国内にも流入しやすく、一次情報(警察発表・裁判資料・学術データ)を優先して判断することが、健全な言論空間の前提になります。
まとめ:見出しと違って“グラデーションの現実”
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ファクト1:米国では2025年上半期に限れば、左派系事件の頻度が右派を上回った(CSIS
Axios+2The Washington Post+2 -
ファクト2:長期累積の致死性では右派・ジハディスト系が大きい(CSISの注記)
CSIS -
ファクト3:独AfD候補の連続死亡は警察が他殺を否定。陰謀論と報道の線引きが必要
euronews
結論:世界の“保守への暴力”は確かに深刻な局面を含むが、地域・年次・致死性の軸で見方が変わる。強い見出しに引っ張られず、データと一次情報で検証する姿勢が、分断の時代における最善の“護身”だと言える。
ひとりごと
共産主義というか 暴力革命という言葉があります。
「気に食わない(自分の思想に合わない)から暴力でなんとかしてしまえ」
というのが根本的にあるといのは、事実だと思います。
TVなどにでている多くのコメンテーターやMCもあきらかに リベラル寄りでエリート意識が強く、保守系の人に対して 分断 ということを攻撃している。
彼らの根底には、暴力革命的な思想があるのは否定できないだろう。