【2026年09月27日 速報】ウクライナ・ロシア戦争 最新情報|ロシア製油所への連続ドローン攻撃と、欧州上空をめぐる緊張
最終更新:2026年09月27日(JST)/本記事はアルジャジーラ(Al Jazeera)を軸に、CNN・FOX・BBC・AFP・ロイターの報道と、ウクライナ・ロシア・米国・イラン各当局の公式発表を突き合わせて構成しています。日本国内メディアの報道は判断材料から除外しています。
2026年09月27日(日本時間)速報サマリー
🔵 信頼度ラベルの見方:🟢=複数ソースで確認済み/🟡=単一ソースまたは当事者の公式主張/🔵=編集部による分析・解説。各段落の冒頭に付けています。日付は原則として現地報道の日付で、時刻が分かるものは(JST)で日本時間を併記しています。
🟢 この24〜48時間の戦況は、「ウクライナによるロシア製油所への打撃」と「ロシアによるウクライナ都市への報復空爆」が同時並行で激化する、消耗戦の典型的な局面に入っています。ウクライナ軍参謀本部は日本時間9月26日未明、ロシア南部クラスノダール地方セベルスキー地区のイリスキー製油所を無人機で攻撃し、火災を発生させたと確認しました。ロシア側の地元当局は住宅地への被害と複数の死傷者を認めています。
🟢 同じ時間帯、ロシア軍はキーウ、ザポリージャ、オデーサ、スムイ、ハルキウの各州に無人機と巡航ミサイルによる攻撃を実施。住宅のほか、モバイル通信とスターリンク(衛星インターネット)を支えるデータセンターも標的となり、市民生活のインフラが直接の被害を受けています。ゼレンスキー大統領は「ロシアは日ごとに攻撃を激化させている」と述べ、追加制裁を含む一段と強い圧力を国際社会に求めました。
🔵 編集部の見立てとしては、9月中旬にトランプ米大統領が「エネルギー施設への相互攻撃停止で合意した」とSNS(交流サイト)で表明したにもかかわらず、実態としては合意が機能していないことが今回の応酬で改めて浮き彫りになりました。停戦の枠組みが宙に浮いたまま、双方がエネルギーと都市インフラを削り合う「冬に向けた消耗戦」の入り口にある、というのが現時点での基本構図です。
主な動きの時系列(日本時間)
| 日付(JST) | 主な出来事 |
| 9月14日 | トランプ米大統領が「ウクライナとロシアがエネルギー施設への攻撃停止で合意」とSNSで表明。ウクライナ側は「確認していない」と懐疑的な反応。 |
| 9月24日 | ゼレンスキー大統領が国連総会で演説。プーチン大統領を「戦争が広がる起点(患者ゼロ)」と呼び、対ロ圧力の継続を要請。 |
| 9月25日 | ロシア軍のミル Mi-8型ヘリがカリーニングラードからポーランド領空を約42秒間侵犯。ポーランドが戦闘機を緊急発進。 |
| 9月25日 | プーチン大統領がサンクトペテルブルクのフォーラムで「欧州を攻撃する計画はない」と主張。和平交渉の停滞はウクライナ側の責任だと非難。 |
| 9月26日 未明〜午前 | ウクライナ軍がイリスキー製油所(クラスノダール地方)を無人機攻撃、火災発生。ロシア側で3人死亡。ロシアはキーウ等へ報復空爆、金曜の攻撃による死者は7人に。 |
ウクライナによるロシア攻撃(無人機による製油所打撃)
🟢 ウクライナ軍参謀本部は日本時間9月26日未明、ロシア南部クラスノダール地方セベルスキー地区にあるイリスキー製油所を無人機で攻撃したと確認しました。同製油所は年間およそ660万トンの原油を処理する規模で、参謀本部は「原油の受け入れ・貯蔵・精製を担い、ロシア軍を支える石油製品を生産している」施設だと位置づけています。ブルームバーグやタイム・ニュースの報道によると、この攻撃でロシア側の3人が死亡し、2人が負傷しました。
🟡 クラスノダール地方のベニアミン・コンドラチェフ知事は、セベルスキー地区に無人機が着弾し、2つの施設で火災が発生したと認めましたが、施設名は明言していません。地元住民は深夜前後に複数の爆発音とロシア防空システムの作動を目撃したと証言しており、現場の火災を捉えたとされる動画も出回っています。イリスキー製油所への攻撃は今回が2回目で、前回は8月8日でした。
🟢 今回の打撃は単発ではありません。ウクライナはこの数週間、ロシアの石油精製能力そのものを狙う戦略を強めています。9月6日にはロシア西部リャザンの製油所を攻撃して火災を発生させ、ロストフ州でも防空戦闘が起きました。さらに直近では、ウクライナの無人機攻撃を受けてペルミの製油所が稼働を停止しており、報道ベースでは「1週間足らずで4カ所目の稼働停止」とされています。
🔵 なぜ製油所が重要なのか。編集部の分析では、ウクライナの狙いは前線での一進一退よりも、ロシアの「戦争を続ける財源と燃料供給」を細らせる点にあります。製油所を止めれば、軍の燃料だけでなく国内のガソリン・ディーゼル供給にも波及し、ロシア国内の物価と世論に圧力をかけられます。実際、ロシア国内では燃料不足の問題が繰り返し指摘されており、この「後方への深い打撃」は今後も継続する可能性が高いとみられます。
ロシアによるウクライナ攻撃と市民生活
🟢 ロシア軍も同じ時間帯にウクライナ各地へ大規模な報復攻撃を行いました。報道を突き合わせると、金曜(日本時間9月26日にかけて)の一連の無人機・ミサイル攻撃によるキーウなどでの死者は7人に上ったとされます。個別の集計では、ザポリージャで倒壊した住宅の下敷きになった女性2人、スムイで2人が死亡し、首都キーウでも複数の地区で負傷者が出ています。
🟢 攻撃対象は住宅にとどまりません。キーウでは、モバイル通信とスターリンク(衛星インターネット)を支えるデータセンターが被害を受けたと報じられました。ボリスピリ地区では倉庫への無人機攻撃で2人が負傷しています。通信インフラや物流拠点が狙われることは、市民の日常生活と経済活動そのものへの打撃を意味します。
| 地域 | 主な被害(報道ベース) |
| キーウ(首都) | 複数地区で負傷者、通信・スターリンクを支えるデータセンターに被害 |
| ザポリージャ | 住宅倒壊で女性2人が死亡 |
| スムイ | 攻撃で2人が死亡 |
| キーウ州ボリスピリ地区 | 倉庫への無人機攻撃で2人が負傷 |
🟡 ゼレンスキー大統領は、こうした攻撃を受けて「ロシアは日ごとにエスカレートしている。ロシアが攻撃をより残虐なものにすることを選ぶのなら、世界はより強い対応を選ばなければならない」と述べました。ウクライナ側は、これは単なる軍事目標ではなく市民生活を狙った攻撃だとして、防空能力の強化と追加制裁を国際社会に求めています。
🔵 編集部の分析として、冬が近づくこの時期に通信・電力・エネルギー関連インフラが繰り返し狙われている点は見逃せません。昨シーズン同様、ロシアは寒冷期に合わせてエネルギーインフラへの攻撃を強める傾向があり、市民生活の維持が今冬の大きな焦点になります。一方でウクライナの製油所攻撃も「ロシア側の冬」を厳しくする狙いがあり、双方が相手の後方を削り合う構図が続いています。
ゼレンスキー大統領・キーウの動き
🟢 日本時間9月24日、ゼレンスキー大統領は国連総会で演説し、プーチン大統領を「戦争が広がっていく起点、いわば『患者ゼロ』だ」と表現しました。そのうえで、ロシアがこの8カ月で24万8千人の兵士を失いながら、獲得した領土はわずかだと指摘。「プーチンは1キロメートルあたり248人を費やした」と述べ、それが統計ではなく実際に失われた命であることを強調しました。
🟡 経済面では「ロシアが貿易で得る資金が、この戦争にさらなる時間を与えている」と述べ、ロシアの歳入そのものを標的にした制裁の継続を訴えました。また、47カ国の国籍を持つ人々がロシア側で戦っており、その中には捕虜となった北朝鮮の兵士も含まれると指摘し、戦争の影響がウクライナ国外にも広がっていると警告しました。
🔵 編集部の見立てでは、ゼレンスキー氏の一連の発言は「戦場での勝敗」よりも「ロシアの継戦能力を経済と国際世論の両面から締め上げる」戦略への軸足移動を示しています。国連という場での北極圏のガス施設への攻撃への言及や、対ロ制裁強化の訴えは、直近の製油所攻撃と一本の線でつながっており、外交と軍事を連動させる意図が読み取れます。
プーチン大統領・モスクワ/ロシア国内
🟡 プーチン大統領は日本時間9月25日、サンクトペテルブルクで開かれたフォーラムで記者団に対し、「ロシアは欧州に対する軍事行動の準備をしていない。そうした計画はない」と述べました。そのうえで、緊張を高めているのは欧州側だとし、欧州は「ウクライナを対ロシアの道具として使い続けたいのだ」と主張しました(メドゥーザなどの報道)。
🟡 和平交渉の停滞については、責任はウクライナ側にあると主張しました。プーチン氏によれば、ロシア下院(国家会議)選挙の前にウクライナが交渉再開の用意を示し、ロシアも選挙後の接触再開に同意していたものの、選挙当日にウクライナがモスクワへの大規模な無人機攻撃を行い、投票所も標的になったと述べています。そのため交渉再開は「自国の利益」に基づいて判断するとし、即時の再開には慎重な姿勢を示しました。
🔵 編集部の分析では、プーチン氏の主張は「攻撃を仕掛けているのはウクライナ側だ」という物語を国内外に印象づける狙いがあるとみられます。「欧州を攻撃する計画はない」という言明は、後述するNATO加盟国の領空侵犯が相次ぐ中で、緊張の責任を相手側に転嫁する意図とも読めます。ただし、実際の領空侵犯や製油所被害という事実との整合性は、当事者の主張だけでは判断できず、複数ソースでの検証が必要です。
NATOとロシアによるウクライナ以外への圧力
🟢 戦火はウクライナ国外にも波及しています。日本時間9月25日、カリーニングラードから飛来したロシア軍のミル Mi-8型ヘリコプターが、約42秒間にわたりポーランド領空をおよそ350ヤード(約320メートル)侵犯しました。ポーランド軍作戦司令部は戦闘機を緊急発進させ、地上部隊も待機態勢に入ったと発表しています。
🟡 ポーランドのコシニャク=カミシュ国防相は「これらは個別の事案ではなく、恒常的な圧力の一環だ」と述べ、意図的な挑発だとの見方を示しました。その前日にはポーランドの戦闘機がバルト海上空でロシアの偵察機イリューシン Il-20を要撃し、ルーマニアやスペインの戦闘機も相次いで対応に出動しています。NATO東側の空では、こうした対応が常態化しつつあります。
🔵 一方で、エストニアのツァフクナ外相は過度な警戒を戒め、ロシア軍の主力はウクライナに集中しており、NATOへの攻撃態勢にあるわけではないと指摘しています。編集部としては、一連の侵犯が「偶発か、意図的な瀬踏みか」を断定するのは難しいものの、同盟の結束と対応手順を試す動きが増えていること自体は、複数の事例から確認できる事実だとみています。
外交:米国の仲介とトランプ大統領のSNS投稿
🟡 トランプ米大統領は9月14日、SNS「トゥルース・ソーシャル」で「ウクライナはロシアのエネルギー施設を攻撃しないことに同意した。ロシアも同様に同意した」と投稿しました。その前日には「ゼレンスキー氏がやるべきことは一つ。ロシアのディーゼル燃料を破壊するのをやめることだ」と述べ、世界的なディーゼル不足の責任をゼレンスキー氏に向けていました。
🟢 しかし、この「合意」を当のウクライナもロシアも公式には確認していません。ウクライナのエネルギー当局の高官は、そうした停戦合意については「把握していない」と述べたと報じられています。ゼレンスキー氏自身も投稿の約1時間後に、「パートナーがロシアの本気を担保できるなら、我々も相応に自軍の攻撃停止を用意する」と、条件付きの慎重な姿勢を示しました。
🔵 直近の応酬を見る限り、この「相互攻撃停止」は実態として機能していないと編集部はみています。トランプ氏は最近、ゼレンスキー氏が冬までにプーチン氏と「取引」して和解することに期待を示しているとも報じられますが、現場ではむしろエネルギー施設と都市への攻撃が同時に激化しています。米国の仲介と現場の現実との間には、依然として大きな隔たりがあります。
原油価格と経済への影響
🟢 相次ぐロシア製油所への攻撃は、エネルギー市場にも影を落としています。指標となる北海ブレント原油は9月25日時点で1バレル=約104.32ドル。前日比では2.14%下落したものの、月間では約20%、前年同期比では50.71%の大幅高となっています。ロシアの精製能力低下とロシア国内の燃料不足が、供給不安の一因として意識されている状況です。
| 指標(ブレント原油) | 値・変化率(9月25日時点) |
| 価格 | 1バレル=約104.32ドル |
| 前日比 | 約2.14%下落 |
| 月間 | 約20%上昇 |
| 前年同期比 | 約50.71%上昇 |
🔵 もっとも、直近の価格変動はロシア要因だけで説明できません。市場でより強く意識されているのは、米国とイランの交渉や、ホルムズ海峡をめぐる中東の地政学リスクです。編集部の見立てでは、原油価格は「ロシア製油所の稼働停止による供給不安」と「中東情勢」という2つの圧力が重なって高止まりしており、今後もこの2軸を分けて見る必要があります。
🔵 日本を含むエネルギー輸入国にとっては、原油高の長期化が電気・ガソリン価格や物価全般に響く可能性があります。前年比で5割高という水準は、戦争と中東リスクが「エネルギーコストの構造的な押し上げ要因」として定着しつつあることを示唆しています。
米国・イランをめぐる公式情報
🟡 イランをめぐる国連の制裁問題も緊迫しています。英仏独(E3)は2025年8月にイラン核合意(JCPOA)の「スナップバック(制裁復活)」を発動しましたが、制裁が復活したとするE3側と、2025年10月に恒久的に失効したとする中国・ロシアの間で対立が続き、国連安保理の関連委員会は1年以上も機能不全に陥っています。
🟡 米国とイランは2026年6月17日、核問題の最終合意に向けた「60日間の交渉期間」を定める覚書に署名しましたが、8月17日までに敵対行為が再燃して枠組みは崩壊。米国のベッセント財務長官は8月24日に追加制裁を発表し、イランは報復を表明しました。国際原子力機関(IAEA)は6月時点で、イランの核活動を「大部分について検証できない」状態にあると報告しています。
🔵 この米・イラン情勢は、ウクライナ戦争と無関係ではありません。中国・ロシアがイランをめぐる制裁の枠組みで欧米と対立していることは、国連の場での「西側 対 ロシア・中国」という対立構図を一段と固定化させています。編集部としては、イランをめぐる安保理の機能不全が、ウクライナ問題での国際的な合意形成をさらに難しくする背景要因になっているとみています。関連する専門家パネルの権限は9月27日に期限を迎えるとされ、今後の動向が注目されます。
まとめ:押さえておきたい3つの注目点
1製油所をめぐる消耗戦の行方。ウクライナがロシアの精製能力を削り、ロシアが都市インフラを叩く応酬が続く限り、冬に向けて双方の後方への打撃が戦局の焦点になります。
2「合意」と現実の乖離。トランプ氏が表明したエネルギー相互攻撃停止は当事者が確認しておらず、機能していません。仲介の言葉と現場の実態のずれを冷静に見る必要があります。
3戦火の外への波及。NATO領空侵犯やイランをめぐる安保理の対立など、影響はウクライナの外へ広がっています。原油価格の高止まりを含め、私たちの生活とも地続きです。
主な参考ソース(海外一次情報)
・アルジャジーラ|ウクライナ関連ニュース
・ブルームバーグ|イリスキー製油所への攻撃
・キーウ・インディペンデント|製油所火災の続報
・メドゥーザ|プーチン氏の発言
・国連ニュース|ゼレンスキー氏の国連演説
・スターズ・アンド・ストライプス|ポーランド領空侵犯
・トレーディング・エコノミクス|ブレント原油価格
・国連安保理レポート|イラン情勢の月次見通し
取材・数値についての注記
本記事はアルジャジーラを軸に、ブルームバーグ、キーウ・インディペンデント、メドゥーザ、国連ニュース、スターズ・アンド・ストライプス等の海外報道と、ウクライナ・ロシア・米国・イラン各当局の公式発表を突き合わせて構成しました。日本国内メディアの報道は判断材料から除外しています。
死傷者数は報道・当局発表によってばらつきがあります。ウクライナ側の死者は「金曜の攻撃で7人」とする集計と、地域別の内訳(ザポリージャ2人、スムイ2人など)が併存しており、集計時点や範囲により数字が異なります。ロシア側のイリスキー製油所での死者は3人とする報道を採用しました。使用した無人機の正確な数など、本稿時点で確認できなかった項目は無理に埋めず、続報扱いとしています。
日付・時刻は原則として現地報道の日付に基づき、時刻が判明しているものは日本時間(JST)に換算して表記しました。原油価格は9月25日時点の値です。情勢は流動的なため、最新の状況は各一次ソースをご確認ください。