※本ページはプロモーションが含まれています

はぼぞうの言いたい放題

SNS規制が加速中――“最後の砦はブログ”は本当か? 米欧中露日の最新動向で読み解く

「発言の場が狭まっている」と感じる人は多い。

プラットフォームが“安全対策”を名目に投稿を消し、政府が“子どもの保護”や“偽情報対策”でルールを強めている。

もしSNSが窮屈になっていくなら、最後の拠点は“自前のブログ”なのだろうか?


結論から言えば、ブログはSNSよりコントロールを保ちやすい

だが完全な“治外法権”ではない。サーバー、ドメイン、検索・ブラウザの入口、そして各国法の適用――自由の余白は残るが、境界線は国・地域によって変わる。以下、米欧中露日を横断して、その境界を見ていく

米国:表現の自由は強いが、州法×連邦裁判×企業方針の綱引き

米国では、SNSのモデレーションを制限するテキサス法・フロリダ法をめぐる訴訟が最高裁に上がり、「プラットフォームの編集権(編集的裁量)が修正1条でどこまで守られるか」が争点になった。

最高裁は2024年に下級審へ差し戻しつつ、プラットフォームの裁量に憲法上の保護が及ぶとのロジックを示した部分が注目された(NetChoice関連案件)
これは「政府が“発言させろ/消すな”と私企業に強制する」ことへの歯止めとして機能する一方、企業自身の判断による削除は広く許容される余地を残す。

要は「言論の自由」は国家からの自由であり、私企業のルールは別なのだ
supremecourt.gov+1

ブログは? 米国では自前サーバーや独立ブログの自由度は高い。
ただし、ホスティング事業者やCDN、決済、ドメイン登録機関が利用規約違反を理由に停止すれば、一夜で消えることもある。

SNSよりは“自主管理”できるが、**インフラ企業という“見えないガバナー”**の存在は忘れられがちだ。


欧州(EU/UK):“透明・安全・責任”の名の下に、越境で締まる

EUのDigital Services Act(DSA)は、巨大SNSに違法コンテンツ対応・透明性・リスク評価を義務づけ、守らなければ高額制裁

対象はSNSだけでなくホスティングやブログ基盤も含む“仲介サービス”全般で、EUユーザーに向けてサービスすれば域外の運営者でも実質的に適用され得る。
実務上は地理的限定(ジオブロッキング)で“EU内だけ削除/非表示”とすることもあるが、コストと複雑さゆえ世界同時削除を選ぶ企業もあり得る、という評価も出ている。
European Commission+2アルゴリズムウォッチ+2

英国のOnline Safety Actは、違法コンテンツの削除義務やリスク管理をOfcomが強権で執行。2025年は実際に調査・罰金が動き始め、域外サービスにも圧力が及ぶ。言論の萎縮を懸念する声も強い。
GOV.UK+2ガーディアン+2

ブログは? 独自ドメインの個人ブログでも、EU/UKユーザーにリーチして収益化やコメント機能があると“ホスティング/プラットフォーム的義務”に触れる可能性がある。対策は法域ごとの通知・削除、透明性レポート、苦情受付の整備だ。SNSより自律性は高いが、**「到達する相手がEU/UKなら法も到達する」**のが今の現実。


中国:自メディア(自媒体)への実名・資格・論調管理で“ブログの自由”は限定的

中国は実名制・検閲・プラットフォーム責任がセット。2023年の**“自メディア”規制では、フォロワー規模の大きいアカウントに実名と資格、分野ごとの認可を課し、違反時は停止・削除。個人ブログもホスティング・ドメイン・検索露出**のいずれかで抑え込める構造で、ブログが“最後の砦”になる余地は小さいFreedom House+2OTF+2


ロシア:国家インフラ直轄の“スイッチ”で、一括遮断が常態化

ロシアはSovereign Internet法やDPI(通信の深度解析)機器の導入で、国外SNSの減速・遮断を常態的に実施。2025年にはWhatsApp/Telegramの通話制限など、機能別の締め付けも進んだ。個人ブログもドメイン/ホスティング/検索で封鎖されやすく、独立メディアのブログ運営は高いリスクを伴う。Freedom House+2AP News+2


日本:誹謗中傷対応の迅速化と透明化――“狭義の規制”は弱いが、運用は確実に締まる

日本はプロバイダ責任制限法の改正(2024)で、SNS等に透明な削除手続・迅速対応を求めるなど“被害救済”を強化。2025年には主要SNSに中傷対応の迅速化を課す新ルールが報じられ、日本の“規制”は欧米ほど包括的ではないが、手続の厳格化で確実に運用は締まる方向だ。Freedom House+1

ブログは? 独自ブログは相対的に自由度が高いが、名誉毀損・差別・違法情報には当然民刑事リスクがある。加えて検索・広告ネットワークの方針で露出や収益が落ちることもあるため、「“誰にも止められない”自由」とは言えない。


では“最後の砦はブログ”なのか――結論と運用術

結論:条件つきでYES。
SNSはプラットフォーム規約やアルゴリズム変更の影響が大きく、「アカウント一発停止」の脆弱性がある。一方ブログは、ドメインとサーバーの管理権があれば、即時の一斉削除を受けにくい。
ただし、以下の点を押さえないと“砂上の楼閣”だ。

  1. 自主管理インフラの確保
    独自ドメイン(レジストラ分散)+複数クラウドのマルチホーミング、CDNの冗長化、定期バックアップ。停止命令や規約変更に備え、移転を即日できる体制を。

  2. 法域ごとの“最小限遵守”
    EU/UKに読者が多いなら、通知・削除窓口、透明性ページ、苦情プロセスを設ける。クッキー・個人情報対応も。米国想定ならDMCA通知対応

  3. 流通経路の多重化
    検索頼みを避け、**RSS/ニュースレター/フェディバース(ActivityPub)を併用。SNSが厳しくなっても“直送路(メール)”**が生きていれば読者は失われない。

  4. 編集ガバナンス
    誹謗中傷・差別・公序対策の編集方針と、訂正・削除・権利侵害対応の書面化。小規模ブログでも**“透明性レポートの簡易版”**を年1回公開すると信用が上がる。

  5. 安全設計
    中国・ロシア等に読者や寄稿者がいる場合、接続・通信の安全配慮(Tor/暗号化の案内)やミラーサイト運用を検討。法的リスクの高い国での実名投稿は避ける


これからの“自由の設計図”

SNS規制は、欧州で制度化され、英国で強権執行が進み、米国では私企業の裁量と憲法のせめぎ合いが続く。中国・ロシアは国家インフラで直に締める
それでも、自前のブログ+メール+分散型流通を握れば、発信の自由は守りやすい。キモは「言論の自由を“制度”でなく“運用”で設計する」ことだ。サーバー、ドメイン、到達手段、法域対応――自由は“設定”で広がる


参考・出典

  • EU DSAの枠組みと適用範囲。European Commission+1

  • DSAは“世界同時削除”を誘発しうるとの政策論考。CSIS

  • 英国Online Safety Actの施行・Ofcom執行の最新状況。GOV.UK+1

  • 米国NetChoice関連・最高裁資料(州法によるSNSモデレーション制限の合憲性)。supremecourt.gov+1

  • 中国の“自メディア”規制・実名制と影響。Freedom House+1

  • ロシアのDPI・遮断、2025年の通話制限Freedom House+1

  • 日本の透明化・誹謗中傷対応の強化(PLLA改正ほか)Freedom House+1

常時約60万点以上を展開、毎日6000点以上の新商品

  • この記事を書いた人

はぼぞう

旅と砂漠と写真と女性を愛する60歳ちょっと前の現役ITエンジニア シンガー 森口博子とアーティスト 中村中が大好きです。

-はぼぞうの言いたい放題
-, , , , , , , ,

Copyright© インドからミルクティー , 2025 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.