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日本のニュースに出てこないニュース

2026年11月03日 速報|ウクライナがロシアの製油所を3夜連続で攻撃、パトリオットと「交換」を提案 最新情勢

最終更新:2026年11月03日 07:30(JST)/本記事はアルジャジーラ(Al Jazeera)を軸に、CNN・FOX・BBC・AFP・ロイターの報道と、ウクライナ・ロシア・米国・イラン各当局の公式発表を突き合わせて構成しています。日本国内メディアの報道は判断材料から除外しています。

この記事のまとめ(3つのポイント)

1オレシキの人道停戦が終わった直後に、ザポリージャ州で26人が死亡。米国の仲介で6日間続いた「戦争で最も長い停戦」が11月1日に終わりました。翌2日、ザポリージャ州コミシュワハ村で、人道支援物資を配っていた学校とその避難所に誘導爆弾が落とされ、ゼレンスキー大統領は死者を26人と発表しました。

2製油所への攻撃と防空ミサイル「パトリオット」をめぐる駆け引き。ウクライナは10月30日から3夜続けてロシアの製油所3カ所を攻撃しました(クストボなど)。ゼレンスキー氏は米フォックスニュースに対し、パトリオットを1カ月分そろえてもらえれば製油所への攻撃を1カ月止める、と提案しています。

3イランとの交渉への期待から原油が急落。WTIは100ドルを割り込む。11月2日の取引で、WTIは約96.5ドル(約7.4%安)、ブレント(2027年1月限)は約104.8ドル(約7.6%安)で取引を終えました。日本時間の今夜から米中間選挙の結果が出始め、ウクライナ情勢と中東情勢の両方を左右しそうです。

🔵 信頼度ラベルの見方:🟢=複数ソースで確認済み/🟡=単一ソースまたは当事者の公式主張/🔵=編集部による分析・解説。各段落の冒頭に付けています。日付は原則として現地報道の日付で、時刻が分かるものは(JST)で日本時間を併記しています。

2026年11月03日(日本時間)速報サマリー

🟢 米国の仲介で始まったヘルソン州オレシキ周辺の人道停戦は、10月27日から11月1日(日曜)まで6日間続きました。全面侵攻が始まってから最も長い停戦です。ロシア側は延長の申し出を断ったと報じられており、停戦が終わって数時間後、ロシア軍はヘルソン州への攻撃を再開しました。ザポリージャ州でも大規模な空爆があり、多くの死者が出ています(アルジャジーラ、AFP系報道、ウクライナ大統領府)。

🟢 ウクライナ空軍によると、ロシアは11月1日18時(キーウ時間、JSTでは2日1時)から夜通し、無人機(ドローン)193機でウクライナを攻撃しました。このうち154機を撃墜するか、電子妨害などで無力化しています。それでもオデーサ、ハルキウ、キロボフラードなどで26カ所に着弾し、1人が死亡、少なくとも17人がけがをしました(キーウ・ポスト、ウクライナ各紙)。キーウでは予定外の緊急停電が起き、市内の一部で路面電車やトロリーバスなどの公共交通が止まりました。

🟢 ウクライナとロシアの双方で、緊急警報アプリが乗っ取られる事件が起きました。ウクライナの空襲警報アプリ「Air Alert」は1日夜に、ロシア非常事態省のアプリは2日早朝に、それぞれ偽の核・放射線警報を流しています(ワシントン・ポスト、NBC、CNN、キーウ・ポスト)。どちらの当局も「警報は偽物」として利用者に冷静な対応を呼びかけました。誰が攻撃したのかは、本稿時点で確認できていません。

🔵 外交面では、米国・ウクライナ・ロシアの3カ国協議が11月前半にアブダビで開かれる方向で準備が進んでいます。一方で戦場では、停戦が終わるとすぐ大量の死者が出ました。交渉に向けた雰囲気と前線の現実との差がこれほど大きく見えたのは久しぶりです。日本時間の3日夜から米中間選挙の開票が始まります。その結果が、ウクライナへの武器供与とイランとの交渉の両方に影響する可能性があります。

主な動きの時系列(日本時間)

日付(JST) 主な出来事
10月27日 ヘルソン州オレシキ周辺で6日間の人道停戦が始まる。ホワイトハウスは、メラニア・トランプ夫人が調整に関わったと説明
10月30日〜11月1日 ウクライナが3夜続けて製油所を攻撃(サマラ州ノボクイビシェフスク、ウファ、ニジニノブゴロド州クストボ)。約2週間続いた攻撃の中断が終わる
10月31日 ゼレンスキー大統領がイスタンブールでエルドアン大統領と会談。「11月前半に3カ国の協議を準備している」と表明
11月1日 午後 クストボの製油所で大きな火災。州知事は「100機超のドローンを撃墜した」と発表。ガソリンの購入は1台40リットルまでに制限
11月2日 1:00ごろ ロシアが193機のドローンで攻撃を開始(キーウ時間1日18時)。オデーサとハルキウ州で死傷者
11月2日 未明〜朝 ウクライナの警報アプリ「Air Alert」が乗っ取られ、偽の核・化学警報が流れる。その後ロシア非常事態省のアプリでも偽警報
11月2日 午後 キーウで緊急停電、公共交通の一部が止まる。ベラルーシ・ロシア国境に近いラトビアの領空に「不審な物体」が入る
11月2日 夕方〜夜 ペスコフ大統領報道官が定例会見。オレシキでの作戦は「成功」とし、米国とメラニア夫人に謝意を示す
11月2日 夜〜3日未明 ザポリージャ州コミシュワハ村の学校に誘導爆弾。死者は18人から26人に増える
11月3日 3:30ごろ ゼレンスキー大統領が夜のビデオ演説で「ロシアが新たな大規模攻撃を準備している」と警告
11月3日 4:30ごろ ニューヨークとロンドンの原油先物が終値で急落。WTIは100ドルを割る
11月3日 夜〜 米中間選挙の投票日(米国時間3日)。開票の速報は日本時間4日にかけて

ウクライナによるロシア攻撃(ドローン等)

🟢 ウクライナは10月30日から3夜続けてロシアの製油所を攻撃しました。標的は、国営石油会社ロスネフチのノボクイビシェフスク製油所(サマラ州)、ウファのバシネフチ・ノボイル工場、民間石油大手ルクオイルのクストボ製油所(ニジニノブゴロド州)の3カ所です。市場関係の報道によると、3カ所の処理能力を合わせると年間約3,300万トンで、ロシアの精製能力のおよそ1割にあたります。ただしこれは攻撃を受けた施設の能力の合計です。実際にどれだけ生産が落ちたかは、外部からは確認されていません。

🟢 中でも大きかったのはクストボです。欧州の報道機関ユーロニュースによると、ニジニノブゴロド州のグレブ・ニキーチン知事は11月1日、「大規模な無人機攻撃」で産業施設が「大きな被害」を受けたとテレグラムに投稿し、「100機以上のドローンを撃墜した」と主張しました。この製油所は年間約1,700万トン(1日約34万バレル)の原油を処理する、ロシア有数の施設です。現地ではガソリンスタンドに行列ができました。

🟡 ロシア国防省はタス通信を通じ、11月1日の8時〜20時(モスクワ時間、JSTでは14時〜翌2時)に、ベルゴロド、ニジニノブゴロド、クルスク、モスクワなど9地域で固定翼ドローン47機を撃墜したと発表しました。ゼレンスキー大統領も同じ1日、ロシアのロケット燃料工場とミサイル発射システムへの攻撃を認め、被害額は約7,000万ドルにのぼると述べています(キーウ・インディペンデント)。

🟢 米ウォール・ストリート・ジャーナルの報道では、ウクライナは10月15日を最後に製油所を、10月20日を最後にその他の石油施設を攻撃していませんでした。米政府は「ガソリン価格が上がる」として攻撃をやめるよう繰り返し求めていました。ウクライナ当局者は、米国が求めた「30日間の攻撃停止」には同意していなかったと説明しています。欧州の同盟国の一部は、米中間選挙が終わるまで待つよう勧めていたとも伝えられています。

🔵 今回攻撃を再開したことで、ウクライナは「自国の電力網を攻撃され続ける限り、ロシアの燃料にも打撃を与える」という姿勢をはっきり示しました。一方で、ロシアのペスコフ報道官は10月30日、アブダビでの協議で製油所攻撃の問題は「取り上げない」と述べています。ロシアがこの問題を協議の議題にせず、軍事的な報復で応じる構えだとすれば、この冬はエネルギー施設をめぐる攻撃の応酬がさらに激しくなるおそれがあります。

ロシアによるウクライナ攻撃と市民生活

🟢 11月2日、ザポリージャ州コミシュワハ村で、人道支援物資を配っていた学校が攻撃されました。ゼレンスキー大統領は夜のビデオ演説で、死者は26人、入院は5人で、がれきの下にまだ人がいる可能性があると述べました。日中に伝えられていた死者18人から大きく増えています。前線に近いため、この学校ではすでに授業は行われていませんでした。中東の報道機関ニュー・アラブなどによると、亡くなった人の中には警察官1人と、国家非常事態庁の救助隊員2人が含まれています。

🟡 ゼレンスキー氏の説明では、まず誘導爆弾が1発落とされ、その後、負傷者を助けようと人々が集まった避難所に9発が追加で落とされました。最初の攻撃で人が集まったところを再び狙う、いわゆる「ダブルタップ」と呼ばれる手法です。ゼレンスキー氏は「卑劣なテロ攻撃だ」と非難し、「オレシキの後には和平に向けて進む機会があったのに、ロシアは正反対のシグナルを送っている」と述べました。ロシアは民間人を意図的に狙ったことはないと一貫して否定しており、この攻撃について本稿時点でロシア側の個別のコメントは確認できていません。

🟢 1日夜からのドローン攻撃では、オデーサで倉庫に着弾して大規模な火災が起き、パン工場が全壊したほか、ガスのパイプライン、住宅、電力会社DTEKの設備が被害を受けました。150人以上の救助隊員が出動しています。ハルキウ州ワシシチェベでは5階建て住宅の屋上にドローンが当たり、子ども1人を含む12人がけがをしました。イジュームでは1人が死亡し、町全体が停電しました。キーウ州ビーラ・ツェールクワでは水道施設が壊れ、2日朝から断水しています。

🟢 前日の1日には、ビンニツィア州で国内避難民が暮らす寮の近くにドローンが落ち、13歳の子どもを含む2人が亡くなりました(キーウ・インディペンデント)。ウクライナの国営送電会社ウクルエネルゴは、2日の6時〜23時59分(キーウ時間)に地域ごとの計画停電を実施しました。キーウとキーウ州では予告なしの緊急停電に切り替わっています。電力会社DTEKは「予告なく電気が止まる場合がある」と注意を呼びかけ、キーウの交通局は、シュリャウスカ駅の周辺などで一部の路線が運休したと発表しました。

地域 被害の内容(11月1〜2日・現地報道) 信頼度
ザポリージャ州コミシュワハ 学校(人道支援の配布所)に誘導爆弾が計10発。死者26人、入院5人、行方不明者がいる可能性 🟢
ハルキウ州ワシシチェベ/イジューム 負傷12人(子ども1人を含む)/死者1人、町全体が停電 🟢
オデーサ州 負傷5人。倉庫火災、パン工場が全壊、電力設備が被害 🟢
ビンニツィア州 避難民の寮の近くにドローン。13歳を含む2人が死亡 🟡
キーウ市・キーウ州 緊急停電、公共交通の一部運休、ビーラ・ツェールクワで断水 🟢
ヘルソン州 停戦が終わった後に攻撃が再開。停戦中に住民167人が避難 🟡

🔵 時期が重要です。ウクライナ当局は、ロシアがこの冬(2026〜27年)の攻撃で大都市の重要インフラを集中的に狙うとみています。米国のシンクタンク、戦争研究所(ISW)は、長距離攻撃でウクライナを屈服させることが、プーチン政権の新たな「勝利の筋書き」だと分析しています。冬を前に暖房と電力が狙われていることが、市民生活にとって一番の脅威になっています。

ゼレンスキー大統領・キーウの動き

🟢 ゼレンスキー大統領は2日夜のビデオ演説(JSTでは3日未明)で、情報機関の分析をもとに「ロシアは、主にエネルギーインフラと物流を狙った新たな大規模攻撃を準備している」と警告しました。米国で3日に中間選挙があり、世界の関心がそちらに向く時期をロシアが狙っている、との見方も示しています。パトリオットのミサイルが足りないことも含め、ウクライナの状況が「世界の関心の外に置かれているようだ」と述べました(ウクライナ紙リーガ、ウクライナ大統領府)。

🟡 ゼレンスキー氏は演説で「ロシアに、もう戦争を終わらせるしかないと思わせるほどの圧力をかけなければならない。アメリカにはそれができる。世界にはそれができる」と訴えました。ロシアの石油収入を減らすよう各国に求め、準備されている攻撃にはウクライナとして対抗すると述べています。

🟢 ゼレンスキー氏は米フォックスニュースのインタビューで、製油所攻撃の停止について条件を示しました。1つ目は「ロシアが我々のエネルギー網を攻撃しないなら、我々もロシアの製油所を攻撃しない」という相互停止です。2つ目は、パトリオットのミサイルを1カ月分まとめて供給してもらう案で、「3カ月分ではなく1カ月分でいい」と述べています。これは軍事援助ではなく、ウクライナがお金を払って買う前提です(キーウ・ポスト、ウクライナ・プラウダ)。

🟢 背景には、パトリオットの供給が滞っていることへの危機感があります。ユーロニュースの10月29日の報道によると、ウクライナはヘグセス米国防長官による追加供与の承認を待っています。NATOの同盟国の間では、承認が中間選挙の後に先送りされるのではないかとの懸念が出ています。ゼレンスキー氏は、直前の2週間でキーウとその周辺に100発を超える弾道ミサイルが撃ち込まれたと述べています。一方、米国のパトリオット迎撃ミサイルの生産量は月60〜65発程度と推定されています。

🔵 パトリオットと製油所攻撃を交換するという提案は、トランプ政権の一番の関心事である「燃料価格」を交渉材料にした、計算された外交だとみられます。アブダビでの協議(ロイター通信は11月6〜10日と報道)を前に、ウクライナが自国の防空を立て直す手段として使えるかどうかがポイントになります。

プーチン大統領・モスクワ/ロシア国内

🟢 ペスコフ大統領報道官は11月2日の定例会見で、オレシキでの人道作戦を「成功だった」と評価しました。「米国側の協力、特にメラニア・トランプ氏に感謝する」と述べ、同じような人道停戦については「現時点で計画はない」と話しています。ウクライナ側は「ロシアが停戦中に部隊を入れ替えた」と非難しましたが、ペスコフ氏は「こうした状況ではまったく普通のことだ」と反論しました。同時に「ウクライナ軍がこの期間に態勢を立て直したと、かなりの確信をもって推測できる」と述べ、逆にウクライナ側を非難しています(タス通信、アルジャジーラ)。

🟡 ペスコフ氏は、ウクライナ経由で欧州へのガス供給を再開する案についても「今は実行できない」と否定しました。ロシアの独立系メディア、モスクワ・タイムズによると、この案はトランプ政権が9月の協議で持ち出したものです。ロシアがエネルギー網への攻撃をやめる見返りとして、米国の仲介業者を通じてガスを売り、売上は第三国の預かり口座で管理するという内容でした。ペスコフ氏は「欧州は上客の市場だが、ガス市場はもっと大きい。伸びているのはグローバル・サウス(新興国・途上国)だ」とも述べています。

🟡 11月18〜19日に中国・深圳で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議について、ペスコフ氏は「プーチン大統領とトランプ大統領が2人とも深圳にいれば、何らかの形で話をするだろう」と述べました。米中ロ3カ国の首脳会談については「詳細はまだない」としています。米中間選挙については「米国の内政問題だ」とし、「トランプ大統領は任期の最後まで大統領であり続ける」と、選挙の結果で米国の外交方針が大きく変わることはないとの見方を示しました。プーチン大統領自身が2日に発言したかどうかは、本稿時点で確認できていません。

🟢 ロシア国内でも、生活への影響が出ています。クストボの製油所が攻撃された後、ニジニノブゴロド州ではガソリンの購入が1台40リットルまでに制限され、携行缶での販売は禁止されました(ディーゼル燃料は対象外)。州外の車への販売制限や、燃料の州外持ち出しの一時禁止も行われ、ニジニノブゴロド市、クストボ、バラフナで給油待ちの行列ができました。州知事は、修理作業のため一時的な停電や、温水・暖房の供給低下が起きる可能性があると住民に伝えています(モスクワ・タイムズ、ユーロニュース)。

🟡 ロシア非常事態省のアプリが乗っ取られた事件では、「全地域に向けて核弾頭が発射された」という偽の警報が配信され、「3週間分の食料を備蓄し、地下室に避難するように」と呼びかけていました。同様の警報は、サンクトペテルブルクやベルゴロドなど各地の地方当局の公式チャンネル(メッセージアプリ「Max」など)にも出ています。非常事態省は「事態は制御下にある。公式の情報だけを信じてほしい」と呼びかけました。プーチン大統領のウェブサイトについても、ペスコフ氏は「毎日、何度もサイバー攻撃を受けている」と述べています。

🟡 一方、ウクライナ軍の参謀本部は、10月のロシア軍の損失(死傷者)を5万4,400人と発表しました。全面侵攻以来、1カ月としては最多だとしています。累計は159万270人です。ISWは、プーチン氏が主張する9月の戦果を「幻覚に近いほど現実からかけ離れている」と批判しています。ただし、どちらの数字も一方の当事者による発表で、第三者による検証はされていません。

NATOとロシアによるウクライナ以外への圧力

🟡 キーウ・インディペンデントによると、11月2日にラトビア軍が、ベラルーシ・ロシアとの国境付近から「不審な物体」が領空に入ったと発表しました。侵入は発表から1時間足らずで終わっています。どんな物体で、どこから来たのかは、本稿時点で確認できていません。バルト三国とフィンランドでは、2026年に入ってからドローンが領空に入る事件が相次いでいます。9月15日にはリトアニアのカウナス近郊で、イタリア空軍の戦闘機ユーロファイターがロシアのドローンを撃墜しました。

🟢 欧州は、ロシアによる「ハイブリッド攻撃」(軍事・非軍事の手段を組み合わせた攻撃)への警戒を強めています。ドイツのライプツィヒ・ハレ空港の近くでは8月7日に爆発物を積んだドローンが見つかり、ドイツ政府は自国領内の攻撃について初めて公式にロシアの関与を指摘しました。ポーランドのトゥスク首相は9月、ロシアがNATOの領域に「偶発的な」ミサイル・ドローン攻撃をさらに仕掛ける可能性があると警告しています。EUのカラス外交安全保障上級代表は、一連の破壊工作を「国家が支援するテロの特徴をすべて備えている」と表現しました(キーウ・インディペンデント、NPR、ユーロニュース)。

🟢 EUは10月30日、欧州評議会での声明で、ロシアによる民間インフラへの攻撃を非難し、ウクライナの防空とエネルギー網の強化を呼びかけました。エネルギーの面では、EUは2027年末までにロシア産の石油とガスの輸入をすべて止めると約束しています。ところが米国の調査機関IEEFAによると、2026年1〜3月期のロシア産ガスの輸入量は69億立方メートルで、前年同期より16%増え、2022年以降で最も多くなりました。ロシア産ガスが欧州の消費に占める割合は約11%で、侵攻前の約45%から大きく下がっていますが、なくなったわけではありません。

🔵 ウクライナとロシアの警報アプリが同時に乗っ取られたことは、サイバー空間での情報戦が新しい段階に入ったことを示している可能性があります。偽の核警報は、市民をパニックにさせ、公的な警報への信頼を損なうことを狙ったものとみられます。犯人が分からない以上、どちらの陣営の仕業と決めつけることはできませんが、欧州各国の当局にとっても、自国の警報システムの弱点を見直すきっかけになりそうです。

外交:米国の仲介とトランプ大統領のSNS投稿

🟢 3カ国協議の日程はまだ正式に決まっていません。ゼレンスキー大統領は10月31日にイスタンブールでエルドアン大統領と会談し、「11月前半にウクライナ、米国、ロシアの3カ国の形式で協議する準備を進めている」と述べました。ロイター通信は、協議が11月6〜10日にアブダビで開かれる見通しだと伝えています。ロシアのペスコフ報道官も10月28日、「11月にアブダビで開かれる3カ国協議」で安全の保証(ロシアとウクライナの双方に対するもの)を話し合うと述べました。ただ、正式な日程、会場、出席者、議題は、本稿時点でどの当事者からも発表されていません。

🟡 トランプ大統領は11月1日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、アイオワ州とカンザス州を回ることや、両州で推薦する候補者への投票を呼びかける投稿をしました(米東部時間1日13時38分、JSTでは2日3時38分)。投稿では、3日の選挙を「米国史上最も重要な中間選挙」と呼んでいます。本稿時点で、ここ24時間にウクライナやロシアについての新しい投稿は確認できていません。

🟢 一方でトランプ氏は、ウクライナの製油所攻撃にこれまで何度も不満を示してきました。10月中旬には攻撃の再開を「恥ずべきことだ」と批判し(NBC、ニューズウィーク)、「ディーゼル燃料を攻撃するな。世界を傷つけている」とも発言しています(ユーロニュース)。10月11日には、ロシアとウクライナが「エネルギー停戦」に合意したとSNSで発表しましたが、ウクライナ側はその後もロシアの攻撃が続いていると反論しました(NBC、PBS)。

🔵 オレシキの人道停戦は、メラニア夫人が関わった「人道的な成果」として米ロ双方が評価しています。一方で、停戦が終わった直後にザポリージャで多数の死者が出たことで、限られた範囲の停戦を積み重ねて和平につなげるという米国のやり方が、本当に効果を上げるのかが問われています。中間選挙の結果によって、トランプ政権がウクライナへの武器供与とロシアへの圧力のどちらに重点を置くかが変わる可能性もあります。

原油価格と経済への影響

🟢 原油価格は11月2日(米国時間)の取引で急落しました。アジアの取引時間帯から約3%下がっていましたが、イランのペゼシュキアン大統領が「最高指導者モジタバ・ハメネイ師が、米国との交渉で政府に追加の権限を与えた」と明らかにすると、下げ幅は2倍以上に広がりました。WTI(米国産原油の指標、2026年12月限)は1バレル約96.46ドル(前の取引日より約7.4%安)で取引を終え、節目の100ドルを割り込みました。ブレント(国際指標、2027年1月限)は約104.77ドル(約7.6%安)で、100ドルは保っています(CNBC、ロイター、オイルプライス・ドットコムなどを突き合わせ)。

指標(限月) 価格(ドル/バレル) 前取引日比 時点(JST)
WTI(2026年12月限) 約96.46(100ドル割れ) 約−7.4%(前日終値104.12) 11月3日 4:30ごろ(終値)
ブレント(2027年1月限) 約104.77(100ドル台を維持) 約−7.6%(前日終値113.43) 11月3日 4:30ごろ(終値)
ブレントとWTIの価格差 約8.31 — 同上
参考:取引時間中の安値 ブレント104.49/WTI96.44 — 11月2日の取引中(ロイター)

🟡 限月(決済月)について補足します。ブレントの2026年12月限は10月30日(金曜)に117.64ドルで取引期限を迎えました。このため、本稿では「期限を迎えた12月限の次の限月」にあたる2027年1月限を採用しています。期限を迎えた12月限と比べると下落率が大きく見えすぎるため、比較は1月限どうしで行っています。2027年2月限(第2限月)の終値は、本稿時点で信頼できる複数のソースで確認できませんでした。WTIの12月限は取引期限が11月下旬で、まだ間近ではありません。原油価格は値動きが速いため、公開する時点で最新の値を確認し直してください。

🟢 急落のきっかけは、米国とイランの交渉の進み具合です。アルジャジーラによると、イランは先月示した7段階の停戦案を「中身は変えずに、7日ではなく2日で実施できる」形に短縮したとしています。案にはホルムズ海峡の再開と、核開発をめぐる協議の再開が含まれます。条件として、米国による海上封鎖の解除、制裁の撤回、攻撃をしないという保証、レバノンを含む地域全体の停戦を求めています。仲介役はカタールとパキスタンです。イラン外務省のバガイ報道官は「要求が満たされれば、短い期間で交渉を始められる」と述べました。アラグチ外相は、要求が受け入れられなければ「イランは屈しない」と警告しています。

🟡 米国側では、トランプ大統領が交渉は「順調だ」と述べ、イランについて「ディールをするか、我々が終わらせるかだ」と発言しています。中間選挙の前にはイランを攻撃しないとも述べていました。一方で、ハメネイ師は週末に、軍に攻撃目標の一覧を見直し、「地理的な制限のない対応」を準備するよう命じたと報じられています。湾岸諸国の政府は、選挙の後に米国が攻撃に踏み切る可能性に備えているとも伝えられています。米金融大手ゴールドマン・サックスは、12月のブレントの平均価格の予想を90ドルから105ドルに引き上げました。

🔵 ウクライナ情勢との関係では、原油高が続けばロシアの石油収入は増えますが、トランプ政権は燃料価格を下げたいため、ウクライナに製油所攻撃をやめるよう迫る理由が強まります。今回の急落でその圧力が少し和らぐ可能性はあります。ただし、イランとの交渉が崩れればすぐに上昇に戻るおそれがあり、価格はまだ不安定です。

その他の注目トピック

🟢 ウクライナとロシアで警報アプリが乗っ取られた件をまとめます。ウクライナの「Air Alert」では、1日夜(JSTでは2日未明)に、放射線・化学物質の危険や「首都で市街戦が起きる」という偽の警報が配信されました。ロシア語のメッセージには「これからウクライナ全土に核警報が出る。心配するな、オレシュニク(ロシアの新型中距離弾道ミサイル)が向かっている」という文言もありました。ウクライナ空軍は「敵による妨害」があったと発表し、偽情報対策センターは、出所の分からないリンクを開かないよう呼びかけています(キーウ・ポスト、ABCオーストラリア、フォーブス)。

🟢 トルコとの関係にも動きがありました。エルドアン大統領は10月31日の会談で和平への協力を約束し、2022年に署名したトルコ・ウクライナ自由貿易協定が10月1日に発効したことも明らかにしました。両首脳は黒海の安全、エネルギー網の強化、経済協力についても話し合っています。ゼレンスキー氏は同じ時期に、フィンランドのストゥブ大統領、ノルウェーのストーレ首相とも電話で協議しました。

🟡 スポーツの分野では、ウクライナのシビハ外相が11月1日、ロシアのアイスホッケーが国際大会に戻ることに反対しました。ロシア選手の渡航禁止を求め、このままではウクライナが大会から締め出されかねないと警告しています(キーウ・インディペンデント)。また米ワシントンの国立大聖堂では、ロシアに連れ去られたウクライナの子どもたちのための特別な祈りの集いが開かれました。

まとめ:押さえておきたい3つの注目点

今後の注目点

1アブダビでの3カ国協議が開かれるか。ロイター通信が伝えた11月6〜10日の日程が正式に決まるか、またザポリージャでの死者を受けて、ウクライナが協議への姿勢を変えるかが注目されます。

2中間選挙の後、パトリオットがどうなるか。選挙の結果を受けて米国防総省が追加供与を承認するか、またゼレンスキー氏の「1カ月分のパトリオットと製油所攻撃の停止を交換する」提案に米国が応じるかが、この冬の電力網の守りを左右します。

3ロシアの「大規模攻撃」とイランとの交渉の行方。ゼレンスキー氏が警告した攻撃が実際に行われるか、そしてイランとの交渉が進むかどうかで、原油価格とロシアの石油収入が大きく変わる可能性があります。

主な参考ソース(海外一次情報)

・アルジャジーラ:イランが米国との停戦協議の前倒し案

・アルジャジーラ:ロシアとウクライナ、11月にUAEでの協議を計画

・ニュー・アラブ(AFP系):ロシアの攻撃でウクライナの26人死亡

・UNN:コミシュワハの死者26人に(ゼレンスキー氏)

・キーウ・ポスト:193機のドローン攻撃、停電と断水

・キーウ・ポスト:警報アプリのハッキング

・キーウ・ポスト:パトリオットと引き換えに製油所攻撃を1カ月停止

・リーガ・ネット:ゼレンスキー氏、新たな大規模攻撃を警告

・ワシントン・ポスト:ウクライナとロシアの警報アプリが偽警報

・NBCニュース:警報アプリへのサイバー攻撃

・タス通信:ペスコフ報道官の会見(11月2日)

・タス通信:アブダビで相互の安全保証を協議

・モスクワ・タイムズ:ウクライナ経由のガス供給再開に否定的

・ユーロニュース:クストボ製油所へのドローン攻撃

・ユーロニュース:パトリオット供与の先送りへの懸念

・UNN:ニジニノブゴロド州でガソリン40リットルの制限

・キーウ・ポスト:ISWの戦況評価

・オイルプライス・ドットコム:原油急落

・CNBC:イラン協議への期待で原油が7%超下落

・ファインチャンネル:トルコでの首脳会談と3カ国協議

・NBCニュース:トランプ氏、製油所攻撃を「恥ずべきこと」と批判

・トランプ氏のトゥルース・ソーシャル投稿のアーカイブ(11月1日)

取材・数値についての注記:本記事は、アルジャジーラ、AFP系の報道、ロイター通信、CNBC、NBC、ワシントン・ポスト、ユーロニュース、ウクライナの報道機関(キーウ・ポスト、キーウ・インディペンデント、UNN、リーガなど)、ロシアの報道機関(タス通信、イズベスチヤ、独立系のモスクワ・タイムズ)を突き合わせて構成しています。死傷者の数は、時間がたつにつれて増えることがあります(コミシュワハの死者は18人→24人→26人と増えました)。ドローンの撃墜数や兵士の損失は当事者の発表で、第三者による検証はされていません。原油価格は報道機関によって終値に数十セントの差があるため、最も多くのソースが一致する値を採用しました。ブレントの2027年2月限(第2限月)の値、プーチン大統領の2日の直接の発言、警報アプリを乗っ取った犯人、ラトビアに入った物体の正体は、本稿時点で確認できていません。時刻は日本時間(JST)に換算しています(キーウ時間+7時間、モスクワ時間+6時間、米東部時間+14時間)。

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はぼぞう

旅と砂漠と写真と女性を愛する60歳ちょっと過ぎたの「元金融系システム屋」です。 現在は、社内SEのアルバイト件システム構築やってます。 シンガー 森口博子とアーティスト 中村中の大ファン

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