穴馬占い師・はぼぞう 開幕の卦
京都開催、万馬券の泉はどこに湧くか
2026年 第4回京都競馬(10月3日〜11月1日)/回収率で読む騎手・調教師・穴コース・重賞
秋の盤面が動いた。中山と阪神が幕を閉じ、今週から東京・京都の2場開催へ切り替わる。関西の主役は、淀の杜に戻ってきた京都競馬場だ。
わしが水晶玉に映すのは、本命馬の晴れ姿ではない。配当の歪みじゃ。京都は「実力どおりに決まる競馬場」と言われる一方で、3コーナーの下り坂が毎開催きっちり事故を起こす。人気馬が沈み、無印が突っ込む。その再現性が高い場所だけを、今日は先に押さえておこう。
■ 直近4年を読むうえでの大前提
京都競馬場は大規模改修のため2020年11月から約2年4か月休催し、2023年4月にリニューアル開場した。つまり「直近4年」といっても、実質的に使えるのは2023年春以降の約3年半。改修前の古いコースデータをそのまま持ち込むと読み違える。本記事は新・京都のデータ期間を主軸に据えて占う。
1. 淀のコース構造と「配当が荒れる理屈」
京都は右回り。最大の個性は3コーナーの坂(通称・淀の坂)じゃ。向正面から3角にかけて上り、4角手前で一気に下る。下り坂は騎手が抑えても馬が加速してしまう区間であり、ここでペースが勝手に速くなる。
| 区分 | 直線の長さ | 脚質(きゃくしつ)の傾向 |
| 芝・外回り | 約404m | 下り坂から長い直線。差し・追い込みが届く。人気薄の末脚が間に合う唯一の場所 |
| 芝・内回り | 約328m | コーナー4つ+短い直線。先行有利で内枠優勢。穴は「人気薄の逃げ・先行」から出る |
| ダート | 約329m | 基本は前有利。ただし1400mだけは例外で、荒れ方が別物 |
配当面の実感として、京都の芝は1番人気の信頼度がJRA平均をやや下回る。複勝圏には入るが勝ち切れない——この「2着3着に残るが勝たない1番人気」こそが、3連単を跳ねさせる最大の燃料じゃ。1番人気を軸に据えるなら単勝ではなく複勝・ワイド、そして2列目以降に二桁人気を厚く差す。これが淀での基本姿勢になる。
2. 回収率の良い騎手 ── 「上手い」と「儲かる」は別の卦
ここを勘違いすると一生勝てん。回収率(ROI/アールオーアイ)とは「投じた額に対していくら戻るか」であって、勝率ではない。勝率トップの騎手は、その勝率以上に売れてしまう。だから回収率は下がる。狙うべきは「実力に対してオッズが追いついていない鞍上」じゃ。京都開催で機能するのは、おおむね次の5タイプに分かれる。
| 卦 | タイプ | 代表的な鞍上 | 京都での買い方 |
| ◎ | 関西中堅・騎乗数型 | 岩田望来/坂井瑠星/松山弘平 | 数を乗るぶん人気薄での騎乗機会が多い。単勝10〜30倍ゾーンでの一発が回収率の源泉。外回りの差しで最も活きる |
| ◎ | ベテラン職人型 | 太宰啓介ら関西の古株 | 内回り・下級条件・ハンデ戦の前残りが生命線。単勝万馬券の主役は毎年ここから出る。人気がまったく追いつかない |
| ○ | 若手・減量(けいりょう)型 | 見習騎手・3年目前後の若手 | 斤量減は内回り・ダートの先行馬で効果が最大化。内枠+逃げ先行+減量の三点セットは複勝回収率が跳ねやすい |
| ○ | 関東からの遠征型 | 東京開催を捨てて京都に来る騎手 | 2場開催の週にわざわざ西下する=勝負気配。騎乗数が少ないぶん1鞍の密度が濃い。土曜の特別戦は要チェック |
| △ | トップジョッキー型 | C.ルメール/川田将雅 | 勝率は別格だが単勝回収率は構造的に低い。軸に据えるなら複勝・ワイド。むしろ「この2人が人気薄に乗ってきた時」だけ単勝を買う |
はぼぞうの卦:短期免許(たんきめんきょ)で来日する外国人騎手にも触れておく。開催序盤は人気の盲点になりやすく、来日直後の2〜3週が最も妙味がある。一度大きいのを勝つと途端に売れ、回収率は沈む。「売れる前に買う」——これが鉄則じゃ。
3. 回収率の良い調教師 ── 栗東の「淀巧者」を探せ
厩舎(きゅうしゃ)の数字は騎手より偏りが大きく、そして持続する。理由は単純で、調教師はコース適性を見て使う場所を決めるからじゃ。京都は栗東トレーニングセンターから輸送が短く、関西馬にとって最も負担の軽い開催。ゆえに「本気の使い分け」が数字に出やすい。
| 卦 | タイプ | 狙いどころと解説 |
| ◎ | 京都特化の中堅厩舎 (松下武士・吉岡辰弥 ほか) |
他場より京都での数値が明確に高いタイプ。データサイトのコース別厩舎ランキングで上位常連だが馬券的には無名という最高の状態にある。管理馬が京都に出てきたら無条件で印を回す価値あり |
| ◎ | ダート短距離専門型 | ダ1200・ダ1400に狙いを絞って使ってくる厩舎。「芝では見ないのにダートだけ走る」管理馬は人気になりにくく、回収率が最も残りやすい領域じゃ |
| ○ | 関東からの遠征厩舎 | 同じ週に東京が開いているのに、長距離輸送してまで京都に送る。これは勝算がある時しかやらない。関東馬の出走が少ない下級条件ほど、この合図は鋭く効く |
| ○ | 2歳戦の仕上げ型 | 秋は2歳戦が本格化する。デビュー戦から態勢を整えてくる厩舎と、叩き台にする厩舎がはっきり分かれる。ファンタジーSを含む2歳戦は厩舎の意図がそのまま配当差になる |
| △ | リーディング上位厩舎 (友道康夫・池江泰寿 ほか) |
重賞では当然強いが、人気も相応に背負う。妙味が出るのは「主戦でない騎手を乗せた管理馬」。同厩2頭出しの人気薄のほうは、淀では毎年必ず波乱を起こしておる |
数字の落とし穴:京都の改修後データは母数(レース数)が薄い。コース・騎手・厩舎を細かく切るほど、たった1本の万馬券が回収率100%超を作ってしまう。「回収率150%」の表示を見たら、まず何走中の数字か、そして最高配当1本を除いても残るかを必ず確認せよ。単勝回収率が外れ値に支配されている時は、複勝回収率のほうが実態に近い。
4. 穴馬が出そうなコース ── 万馬券の泉・5選
ここが本丸じゃ。京都の荒れ方には理屈があり、理屈があるものは繰り返す。
泉① ダート1400m ── 淀で最も荒れる舞台
スタート地点が芝にある、京都唯一の特殊コース。芝部分を走る距離は外枠ほど長く、ダッシュがつきやすい。結果として「内枠先行有利」というダートの常識が崩れ、外枠の人気薄が押し切る/ハイペースを後方から差すという二方向の波乱が同居する。
狙い:芝スタートで一変する馬(芝での好走歴がある馬)、外枠を引いた二桁人気、前走で大敗した先行馬の巻き返し。
泉② 芝1200m(内回り)── 淀の坂が作る総崩れ
スタート直後から3角の下り坂にかかるため、行きたい馬が止まらない。前半3Fが異常に速くなり、直線で先行勢がまとめて失速する開催が定期的に発生する。近年の傾向としては内〜中枠がやや優勢で、大外8枠は割引。
狙い:中枠を引いた好位差し。前走でハイペースを追走して負けた馬。「逃げ馬が複数いる組み合わせ」の日は迷わず差し一択じゃ。
泉③ 芝1400m・1600m(外回り)── 直線一気が間に合う場所
下り坂で勢いをつけたまま約404mの直線へ入る。京都は「追い込みが届く数少ない競馬場」であり、他場でいつも届かずに人気を落とした差し馬がここで一変する。多頭数のハンデ戦になればなおよし。
狙い:前走・中山や阪神内回りで「脚を余した」馬。上がり最速を記録しながら着順が悪い馬。この乗り替わりで中堅騎手に替わった時が最高の買い場じゃ。
泉④ 芝2000m(内回り)── 内枠先行の爆弾
スタートから最初のコーナーまでが短く、枠順の有利不利が極端に出る。外枠の馬は押して位置を取るか、下げるかの二択を迫られる。結果、内枠を引いた人気薄の先行馬が、そのまま残る。秋華賞の舞台でもあり、年に何度か単勝万馬券を叩き出す。
狙い:1〜3枠×逃げ先行×二桁人気。この条件は機械的に押さえるだけで価値がある。
泉⑤ 芝3000m(菊花賞コース)── 経験値ゼロの未知
坂を2回越える特殊な設定。ほぼ全馬が未経験距離で挑むため、過去の実績が通用しにくい。実際、長距離戦は毎年のように人気薄が馬券圏内へ飛び込む。
狙い:スタミナ型の血統、3角の下りで動ける器用さ、そして「位置を取りにいく騎手」。速い上がりの決め手より、長く脚を使える型が勝つ。
5. 第4回京都競馬・開催予定の重賞
第4回京都競馬は10月3日(土)から11月1日(日)まで。クラシック最終戦を含むG1(ジーワン)2つを軸に、以下の重賞が組まれておる。
| 開催日 | レース名 | 格 | 距離・コース | 穴の視点 |
| 10/4(日) | 京都大賞典 | GⅡ | 芝2400m(外) | 天皇賞(秋)やジャパンカップへの前哨戦。叩き台の人気馬よりここが目標の格下。長距離重賞は毎年高配当の実績あり |
| 10/12(月・祝) | スワンステークス | GⅡ | 芝1400m(外) | マイルCSへの重要ステップ。スプリンターとマイラーが混在して流れが読みにくく、荒れやすい一戦。差し脚質を厚く |
| 10/18(日) | 秋華賞 | GⅠ | 芝2000m(内) | 牝馬三冠の最終戦。内回り=枠順がすべて。春の実績馬が成長力に屈する年があり、夏を使った上がり馬の激走は定番 |
| 10/25(日) | 菊花賞 | GⅠ | 芝3000m(外) | クラシック三冠の最終戦。全馬が未知の距離に挑むため実績が通用しない。血統とスタミナで人気薄を掘る最大のチャンス |
| 10/31(土) | ファンタジーステークス | GⅢ | 芝1400m(外) | 2歳牝馬の出世レース。キャリア1〜2戦の未知数が揃うため人気と実力の乖離が最大。厩舎の仕上げ意図がすべて |
■ その先の京都
第5回京都ではエリザベス女王杯(11月15日・芝2200m)とマイルチャンピオンシップ(11月22日・芝1600m)が控える。秋の淀は実にG1(ジーワン)4つ。今のうちにコースの癖を体に入れておけば、本番で効く。
6. 回収率を上げる、はぼぞう三箇条
| 条 | 中身 |
| 其の一・買う場所を絞る | 全12レースを買うのは回収率を自分から下げる行為。ダ1400m、芝外回り、芝2000m内回り——荒れる理屈のある場所だけに資金を集中させよ |
| 其の二・1番人気を疑う | 京都芝の1番人気は「飛ぶ」のではなく「勝ち切れない」。消すのではなく単勝で買わない。複勝圏には残る前提で、相手に穴を広く取るのが正しい |
| 其の三・枠順を最優先 | 内回りは枠がすべて。枠順確定を見てから最終判断する癖をつければ、それだけで回収率は変わる。前日予想は仮置きでよい |
7. データの出どころと注意書き
本記事は京都競馬場のコース構造とリニューアル後の傾向をもとにした読み物であり、個別の騎手・調教師の回収率について具体的な数値は意図的に掲載していない。理由は前述のとおり、改修後の母数が薄く、集計期間や条件の切り方で数字が大きく動くからじゃ。
実数で裏を取るなら、JRA-VAN(ジェイアールエー・バン)、TARGET frontier JV(ターゲット・フロンティア・ジェイブイ)、netkeiba(ネットケイバ)のコース別データで、必ず自分の目で期間を指定して確認してほしい。その際は「出走数」と「最高配当の寄与度」を必ずセットで見ること。
※開催日程・距離・格付けは2026年10月2日時点の公式発表に基づく。天候や馬場状態により変更される場合がある。馬券の購入は自己責任で、余裕資金の範囲で楽しむこと。20歳未満の方は馬券を購入できません。
淀の坂は、毎年きっちり誰かを落とす。
落ちた一頭の裏側に、万馬券の泉が湧く。── 穴馬占い師・はぼぞう