自分は、コンピュータエンジニアとして37年仕事をしてきました。
会社も7回ほど変わりましたが、最後の1回を除いてステップアップで上を目指してきました。
現在は、小さな企業で社内SEとしてパソコンやネット環境、社内業務のシステムの面倒をみています。
さて、長いコンピュータエンジニア生活で実に多くの企業をみてきました。
システム構築の責任者として客先のトップの方と会って話をしたり、驚くぐらい儲かっている企業もありました。
今回は、から 長いエンジニア生活の中で見てきた あぶない会社 について何回かにわたって話をいたします。
題して「こんな会社はあぶない コンピュータエンジニアは見た」
今回のお題は、「過去の遺産の売上が60%の企業は、数年で消えてなくなります。」です。
最後まで読んでいただければ幸いです。
目次
役目を終えたコンテンツプロバイダ
コンテンツプロバイダという業種をご存知ですか?
コンテンツプロバイダ(Contents Provider/CP)とは、デジタル化された情報を提供する事業者のこと。
インターネット接続サービスを提供するインターネットサービスプロバイダ(ISP)と比較して、コンテンツサービスプロバイダとも呼ばれる。コンテンツプロバイダが提供するサービス例
ポータルサイト
検索サービス
ニュース配信
動画配信
音楽配信
電子書籍主なサービス名
GREE(グリー株式会社)
Mobage(株式会社ディー・エヌ・エー)
株式会社ザッパラス
music.jp(株式会社エムティーアイ)
まぁ こんな感じです。
多くのコンテンツプロバイダは、携帯電話(フューチャーフォン)で音楽や絵文字、書籍、ソーシャルゲームなどを配信していた企業です。
全盛期は、半端ない売上を記録、音楽、着メロのダウンロードなどを数百円で支払っていた人いたと思います。
今では、サブスクリプションサービスが中心で月に固定金額を支払うことで見放題、聴き放題ということが中心となっています。
何十年もお金を払い続ける人 = カモ
コンテンツプロバイダの多くは、事前にポイントを購入してポイントを消化する仕組みです。
ポイントが消化されなければ そのまま利益として残るので結構な利益を上げていました。
※この方式は、いまでも出会い系などのマッチングサービスで使われています。
また、月額でポイントを購入させるところも多く、毎月、数百円単位で携帯電話会社の決済で支払いをしている人も多いのです。
そのなかには、ガラ携時代に月契約した人で20年間にわたって毎月数百円支払っている人も多く、ポイントだけがたまっているだけのひともいます。
これらの支払いはポイントも消化されないのでコンテンツプロバイダが丸儲けです。
みなさんもご自分の携帯電あ料金の明細を一度確認されることをオススメします。
では、これらの企業の多くは、現在どうなっているでしょうか?
動画配信、音楽配信、電子書籍は、Apple、Netflix、YouTube、amazon Prime、Kindle(amazon)にその多くが駆逐されてしまいました。
今どき 動画や音楽を数百円でダウンロードで購入する人など皆無です。電子書籍は、Kindleや樂天などの大手に持っていかれています。
スマートフォン時代は、サブスクリプション全盛です。
毎月、決まったお金を払って 音楽聴き放題、動画見放題、書籍もKindle Unlimitedのように読み放題のサービスが全盛です。
音楽や動画のダウンロード販売(ダウンロード時にポイントで支払う)なんてビジネスは、今どき、成立しません。
でも、先に述べたように 契約したのに忘れていて携帯電話会社を通じて月に数百円を払っている人が結構いますので 彼らはコンテンツプロバイダの収益として重要な人々です。
サブスクリプション全盛の時代
コンテンツプロバイダの多くは、事業としてなりたたなくなりつつあります。
ポータルサイト、検索サービス、ニュース配信などに転向した企業はある程度成功しているものもあります。しかし、食べログやぐるなびのようにサクラややらせが噂されたように一気にビジネスが縮小するのもスマートフォン時代の特徴とも言えるでしょう。
動画配信、音楽配信などは、先に述べたように大手外資企業には太刀打ちできません。
今どき1曲づつポイントを購入してダウンロードなどしないでしょう。もしそういう人がいたら、情弱なんて言われてしまいます。
このようにコンテンツプロバイダの役目は、スマートフォン時代でほぼ終了したと言っていいでしょう。
彼らは、過去に契約して忘れたままになっているユーザーによって貴重な収入を得ていると思われます。
2020年を超えた時代に
音楽のダウンロード、動画のダウンロード、絵文字なんてことをやっている会社は、20年近い時を「何もしないで生きてきた」というわけです。
試しに、そこで勤めている社員に、音楽、動画サービス何使っていますか?
と聞いてみれば、いかがでしょうか?
自社のサービス使っていますか?
ソーシャルゲームで稼いでいた企業も未成年や大金を使うユーザーの問題で規制が多くなり これまでのように収益を上げることができなくなっています。
さて、コンテンツプロバイダは、これからどうなるのでしょうか?
これまで儲けた資金で新しいコンテンツの制作で勝負できるのでしょうか?
過去の栄光にすがりついている
過去の栄光と資産にすがりついている限り やがて企業としての寿命=経営難がやってきます。
ガラ携時代から 何十年もお金を払い続ける人 = カモ の人もガラ携の終焉とともに契約が切れます。
そうなると 契約を忘れてくれている人の売上も消滅します。
しかもサブスクリプション全盛ですが、すでに海外の大手企業には資金力で太刀打ちできません。
残された道は、新たなサービスですが、そんなもの 当たるのは奇跡に近い。
たとえスマッシュヒットしても継続するにはかなりの労力とセンスと運 それに広告展開の資金力が必要となります。
さて コンテンツプロバイダを例にしたのですが、このように過去の資産だけで収益を上げている企業ってかなり多いと思います。
このような 過去の資産は、やがて時代とともに消え去る運命です。
昔、mixi という企業がありました。
紹介制でSNSの最初期時代の成功例です。GREEが後に続き、Amebaも追随します。
そのmixiという企業は、上場を果たし成功しましたが、Twitter、Facebook、InstagramにTikTokなど 海外からのSNSに圧倒されてしまいました。
しかし、その後 モンスターストライク』 (Monster Strike) が、株式会社ミクシィ内のスタジオ「XFLAG」配信され 大ブレークとなった。
このように新しいコンテンツがヒットした場合はよいですが、それもいつまで続くかわかりません。
mixiクラスのようにイキってしまえば なんとかなるでしょうけど ここまで行くことができなかった企業は、収益が厳しくなることは確実です。
過去の遺産(カモ)でどこまで生き残れるかと切実な問題になります。
そして最も大きな過去の成功例にしがみついていて そこから脱出できない状況におちいることです。
新しいことをしようとしても経営層の考え方が成功例に固執してしまい結局、過去の成功例の焼き直ししか出てこないのです。
いまや、海外から 続々とサービスが入ってきています。またベンチャー企業もこれまあでと違った発想でサービス展開がなされています。
このように過去の成功例に囚われて新しいことができない企業 結構多い気がします。
まとめ
人は、一度成功してしまうと その成功パターンから抜け出すことは困難です。
競馬をやっているひとはわかると思いますが、必勝パターンを一度掴むとそこから抜け出せなくて、結局 負けることになります。
企業も同じで成功例からの脱却は難しく、経営陣が変わるか、思い切った 人材の活用しか方法がないでしょう。
これは、なにもコンテンツプロバイダだけの話ではありません。
自分がかかわってきた金融系のビジネスも同じでした。
お世話になってきた企業様のいくつかh,すでに廃業してしまいました。
時代の流れに置いていかれてしまったのです。
企業も生き物と一緒でやがて老いがやってきます。
そうならないためにも経営者のみなさまには、新しいチャレンジをしてほしい。
今後、IT、デジタルの急激な進歩で劇的に企業が変わることでしょう。
これが、長年、システムエンジニアとして企業に深く関わってきた感想です。
プロのコンサルタントの人からすると「素人が」と思われるかも知れませんが、システム屋として経営陣に深くかかわってきた肌感覚のようなものです。
次回のコンピュータ屋は見たについて予告をさせてください。
あるブラックに近い金融業界の消滅について 語ってゆこうと思います。